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         2019/08/02発行

        世界の最新トレンドとビジネスチャンス

        第167回

         熾烈さを増す延命研究競争:寿命1000歳も視野に(後編)

        浜田和幸

         

        ウェブで読む:https://foomii.com/00096/2019080210000056815

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         日本ではあまり知られていないが、「インターネットの生みの親」とも呼ばれているアメリカ国防総省の先端科学技術研究所(通称「ダルパ」)の存在は世界を変える新技術の開発においては欠かせない。なぜなら、インターネットをはじめ技術関連の未来研究においては、当初の目的は軍事そのものであることが多いからである。

        このダルパが、近年、国家予算の半分近くの資金の中から、強力に研究開発を進めているのが、人体改造計画に他ならない。本来の目的は、戦場で致命的な傷を負った兵士の人体の再生技術や、兵士の運動能力や耐久能力を飛躍的に高めるための細胞研究であった。

         

        たとえ戦場で腕や足が失われたとしても、そうした兵士の肉体を速やかに再生するための技術。はたまた、1週間、2週間にわたり、飲まず食わず、睡眠をとらなくとも判断力や決断力に影響を受けないような、人間の意識改革と生命力の強化に細胞研究の成果を応用しようとするものである。

         

        歴代のアメリカ大統領も、このダルパに対して、「人間の脳の活性化について研究を進めるように」との特別な指示を出してきた。いわば、ホワイトハウスお墨付きプロジェクトなのである。こうしたアメリカ政府の潤沢な研究開発費のお陰で、アメリカにおいては、人体の再生研究に関する国際会議が頻繁に開催されてきた。

         

        例えば、2014年末には、「人類の科学史上最大」と呼ばれる寿命延長のためのバイオテクノロジー会議が開催された。ハーバード大学をはじめ、世界の名だたる延命、生命科学の専門家が一堂に会し、かつてないほど創造的な研究成果が相次いで発表された。

         

        具体例を上げれば、マウスを使った実験がある。人間に例えれば「60歳の高齢者を20歳の青年に若返らせる研究」の成果も発表された。これこそが、冒頭に紹介したNMNの力である。何しろ、糖尿病のマウスを使った実験で、肥満状態にあるマウスにNMNを一週間飲ませた結果、血糖値が大幅に低下。「糖尿病も改善し、老化した膵臓の機能も蘇った」と報告されている。夢のような話だが、「60歳を過ぎた女性が20代に若返り、出産も可能になる」という。

         

        更には、近年、遺伝子の解析スピードが急速に上がっており、ビッグデータの解析手法を使うことにより、長寿遺伝子の解析も長足の進歩を遂げている。その研究対象になっているのがサーチュイン遺伝子である。現在、7種類のサーチュイン遺伝子の存在が確認されている。普段は眠っているこれらの遺伝子を覚醒させることで、大幅な延命効果が期待できるというから、アラブの大富豪に限らず、ビル・ゲイツ氏やウォーレン・バフェット氏ら世界の富裕層の間ではこの話題でもちきりのようだ。

         

        こうしたサーチュイン遺伝子の存在を発見したのが、冒頭にも述べたワシントン大学の今井眞一郎教授である。同教授によれば、通常、「あらゆる生物の細胞にNMNは含まれているのだが、加齢とともに減っていく傾向にある」とのこと。そこで、こうした細胞内のタンパク質の1種であるNMNを増やすことができれば、衰えた細胞が元の若々しい臓器の再生に繋がると仮定されている。さらにはアルツハイマー病についても、早い段階からこのNMNを取り入れていれば、病気の発症も抑えられるという。

         

        わが国の食品加工会社でも、既にこのNMNを独自に製造できる術を開発している。要は、グーグルにとどまらず、アメリカの国防総省が先鞭をつけた、人体改造計画、延命研究は、まさに、世界のベンチャー企業や投資家の関心を大きく刺激し、新たな成長産業として飛躍を遂げる原動力となっているのである。

         

        このようにアメリカでは、官民を挙げて夢を現実のものにしようとする研究が、確実に動き始めている。そして、そうした研究の重要な部分を日本の研究者が担っているのである。グーグルの共同創業者の1人であるラリー・ペイジ氏は、ヘッドハンティングをしたカッツウェル博士とともに、2045年を目標に、「人間の頭脳を現在より10億倍強化する計画」を温めている。

         

        言い換えれば、人間の頭脳をビッグデータ化するとともに、人間の肉体や生命を永久化しようとする試みに他ならない。人間とマシーンの合体とも受け止められる。これを単なる空想の産物と笑い飛ばすのか、あるいは、科学的なニューベンチャーとして真剣に受け止めるのか。どちらの視点に立つかによって、人類と地球の未来が大きく左右されることになるに違いない。

         

        自然との調和を大切に、旬の食材や周囲との絆を長寿の源としてきた日本的なアプローチでは、いくら健康に留意しても125歳あたりが限界といわれる。しかし、最新の医学研究や科学技術の恩恵を活かせば、桁違いの寿命1000歳も可能になるかも知れない。「願えば叶う」と言うが、国家目標として巨額の軍事予算を投入し「不死身の兵士」を生み出そうとするアメリカ。

         

        一方、この世に生を受けたことに感謝し、自然な天寿を全うすることに満足を見出そうとする日本。どちらの願いを選択すべきか。「カオスの時代の幕開き」と見られる今日。グレイ博士曰く「現時点で40歳以下の人なら、事故や自殺に運命を左右されない限り、大かたの場合、これから数世紀にわたって生きることが可能になる」。

         

        また、カリフォルニア大学の進化生物学のマイケル・ローズ教授も「現在、不死の研究に邁進している。20年前には抗加齢や若返りの研究は胡散臭いものと見なされていた。しかし、今ではれっきとした学問になった」と述べ、果実や野菜の害虫を実験材料に延命研究の分野で新たな発見を相次いで発表している。

         

        アメリカの首都ワシントンにある国立衛生研究所(NIH)でも心臓病やガン以外に寿命延長研究のため年間20億ドルを超える資金を投入しているのである。同種の研究はロシアや中国でも進められている。改めて生命の在り方が問われる局面が増えることになりそうだ。

         

        既にアメリカでは議会でも宗教界でも、「どこまで人工的な寿命1000歳化を認めるべきか」について大きな議論が沸き起こっている。家庭や労働のあり方を含め、人間としての価値観が根本的に変わるからだ。少子高齢化の進行する日本こそ、こうした問題に無関心でいるわけにはいかないだろう。世界の動向も踏まえた上で、「課題先進国」を標榜する日本らしい健康寿命の設計図を打ち出す必要がある。

         

         

         

         

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        著者:浜田和幸

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