Vol.148 2019/06/07
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浜田かずゆき の
『ぶっちゃけ話はここだけで』
【今週の目次】
1.英国から安倍首相にSOSを送ったトランプ大統領
2.日本生まれの“ゴジラ”は米中貿易戦争の救世主になる!?
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1.英国から安倍首相にSOSを送ったトランプ大統領
ぶっちゃけ、今週、英国を国賓として訪問したトランプ大統領であるが、先の日本訪問とは大違いで、あちこちでひんしゅくを買いまくったようだ。
何しろ、ロンドンに到着する前、専用機「エアフォースワン」の中からツイッターで「ロンドンの市長は負け犬だ」と批判。
初のイスラム系市長をおちょくったわけだが、これにはロンドン市民も堪忍袋の緒が切れた。
各地で「トランプ帰れ」の大規模なデモが繰り広げられた。
ところが、当の本人は「多くのイギリス市民が大歓迎してくれ、自分への支持を明らかにしてくれた」と自画自賛。
今回の英国訪問に際しては、夫人に加えて、娘イバンカとその夫クシュナーという大統領の補佐官はもちろん、ビジネスマンの息子たちやその妻たちも同行。
英国の皇室に対抗するかのように「トランプ王室」ぶりを見せつけようとしたに違いない。
しかも、宿泊先のホテルではお気に入りの「フォックスニュースが映らない」と大騒ぎ。
実は、英国では偏った内容を放送する放送局は放映認可が得られないため、CNNは見えても、フォックスニュースは見られないのである。
自分に好意的なフォックスニュースを見慣れているトランプ大統領は自らに批判的なCNNを前から「フェイクニュース」として退けてきたのだが、最大の同盟国として持ち上げた英国で自分に批判的なニュースばかりを見せられ、相当頭にきたようで、英国滞在中は切れまくっていた。
辞任することが決まっているメイ首相との共同記者会見でも「英国との通商交渉には健康医療制度も含まれる」と突然言い出した。
要は、「世界最大の資金が動く」と目される英国の医療サービス制度に「アメリカの医療関連企業の参入を認めろ」との脅しに他ならない。
これには英国の議会もメディアも猛反発、トランプ批判に火が付いた。
その腹いせか、トランプ大統領は英国訪問の直後、突然、アイルランドに立ち寄り、自らの経営するゴルフ場でプレーしてからワシントンに戻るという想定外の行動に出た。
その結果、記者団からは「今回の訪問は自分の所有するゴルフコースを宣伝するのが目的だったのか」と問い詰められる有様に。
答えに窮したトランプ大統領は「いやいや、自分はアイルランドの国民や首相に敬意を表するために来た」と、しどろもどろの対応。
というのも、アイルランドでの日程はゴルフだけであるにもかかわらず、日本で安倍首相とプレーしたのとは違って、アイルランドの首相の姿はどこにもなかったからである。
ぶっちゃけ、英国でもアイルランドでもつれなくされたわけで、「シンゾー、お前だけが味方だ」という叫び声が聞こえてきそうだった。
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2.日本生まれの“ゴジラ”は米中貿易戦争の救世主になる!?
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ぶっちゃけ、アメリカと中国の間で繰り広げられる貿易戦争は激しさを増すばかりだ。
お互いが相手国からの製品に高い関税をかけ合い、泥沼化する一方である。
世界ナンバーワンの経済大国とナンバーツーが争えば、その他の国々も影響を受けないわけにはいかない。
今や世界は複雑に絡み合ったサプライチェーンによって一体化しているからだ。
アメリカは中国からの留学生を「潜在的なスパイ要員」と批判し、ビザの発給を大幅に制限するようになった。
対抗するかのように、渦中の「華為技術(ファーウェイ)」はアメリカ人の研究者やエンジニアの大量解雇に踏み切った。
そんな中、映画の世界でも激震が走った。
何かといえば、中国政府がアメリカ映画の輸入や上映を一切禁止する措置を発表したからだ。
実は、近年、中国は世界最大の映画市場となっている。
映画館の数でも観客動員数でも、中国は世界ナンバーワンである。
そのため、映画の本場ハリウッドでも中国を舞台にしたり、中国人俳優を登用する作品作りに奔走し、中国への売り込みに余念がなかった。
何しろ、中国人はアメリカの映画やテレビドラマが大好きなのである。
ホワイトハウスを舞台にした政治ドラマ「ハウス・オブ・カーズ」はアメリカ本国より人気となっているほどだ。
ところが、トランプ政権の繰り出す経済制裁に業を煮やした習近平政権は「アメリカ映画の全面禁止」措置を打ち出した。
これにはハリウッドもパニック気味である。
そこに救世主の如く登場したのが最新作の「ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ」だった。
ご存知、1954年に日本が産んだ世界的な人気映画シリーズである。
その根強い人気ぶりに、最近ではハリウッドが独自のアメリカ製「ゴジラ」を制作するようになった。
そして、現在公開中の最新作は米中の合作なのである。
もちろん主役はCGを駆使した想像上のゴジラであるが、俳優として重要な役を演じているのは中国のナンバーワン女優のチャン・ツーイーで、監督はアメリカ人だ。
米中経済戦争の煽りで中国での上映が危ぶまれていたが、どうやら例外扱いになったようだ。
その理由は「日本でのG20サミット」を控えた習近平政権が「日本発のゴジラ」に敬意を表したものと思われる。
ぶっちゃけ、日本の文化力が米中対立を氷解させるパワーを秘めているといえるのかも。
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