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                                       第35回

         

         空気から水を造る究極のエコマシーンの開発レース(前編)

         

                                      浜田和幸

         

        ──────────────────────────────

        中国の古都杭州で開催されたG20サミット。西湖で知られる風光明媚な景勝地での会議。ホスト役の習近平国家主席やアメリカのオバマ大統領らは世界経済のあり方を議論すると同時に、深刻化する環境問題についても熱心に意見を交換した。

        地元、中国では3重苦と呼ばれているが、水、空気、土壌の汚染が年々悪化している。

        国民の健康被害が広がり、政権の安定にも暗雲が覆うようになってきた。

        G20開幕の直前に中国とアメリカが地球温暖化対策で合意したのも当然であろう。

         

        実は、人間が生きていく上で欠かせない水でありながら、このところ世界的な水不足が深刻な問題をもたらし始めている。

        世界保健機関(WHO)によれば、世界人口の5人に1人に当たる12億人もが慢性的な飲料水不足に陥っているとのこと。

        地球温暖化の影響もあるに違いない。また、急速な工業化の結果、水源地の枯渇や汚染が各地で発生している。

         

        このままでは、人類はもとより自然環境そのものが破壊されかねない。

        地球規模で言えば、過去2000年の間に20億ヘクタールの森林が消滅してしまった。

        これでは農業も林業も成り立たなくなる。特に、途上国では清潔な飲み水が不足しており、伝染病の蔓延につながっている。早急な対策が必要とされる。

         

        しかし、「ピンチはチャンス」との発想で、この水不足を新たなビジネスと受け止め、技術の力で乗り越えようとする動きも各地で見られるようになってきた。

        例えば、2008年オランダで開かれた科学技術サミットにおいてオランダ人の発明家ピーター・ホッフ氏は「ウォーター・ボックス(Waterboxx)」と名付けた新商品を展示し、栄えあるベーター・ドラゴン賞を獲得した。

        欧州を代表する電機機器メーカー、フィリップスのCEOジェラルド・プレイステーリー氏から「最も将来が期待される革命的な発明」と認定する賞状と賞金を受け取った。

        その後も、2010年にはポピュラー・サイエンスのグリーン・テック大賞を獲得。

        オランダ政府からも研究開発資金の提供を受けており、いわば国策技術と言えそうだ。

        このウォーター・ボックスと呼ばれる商品は砂漠地帯において木を育てる上で欠かせない技術になるとの期待が高い。

        すでにサハラ砂漠での実験を通じて、その性能が立証されつつある。

        砂地とか岩場という劣悪な環境のもとでも、この装置を使えば大気中から必要な水分を吸収し貯蔵することで、そのボックスに植えられた木が大きく育つことが可能になるのである。

        ウォーター・ボックス自体はプラスチック製の長方形の箱で、真中に穴が開けられている。

        その穴に木を植え、箱の中には土が入っている。

        この発明品の特徴は夜間、水蒸気を吸収し箱の中に貯めておくことができること。

        もちろん、雨が降ったりした場合には、その水を貯めておき必要な水分を埋め込まれた木に与えることができる。

        しかも、強い太陽光線や風、あるいは雑草、害虫などから樹木の根を完全に保護してくれる。1年間そうしたウォーター・ボックスの中で育てられた苗木は、その後ウォーター・ボックスを取り除かれた後も自力で逞しく成長できるようになる。

         

        北アフリカはモロッコのサハラ砂漠での実験では、2つのグループに分かれて、この技術の有効性が試された。

        1つのグループはこのウォーター・ボックスを利用し、もう1つのグループは自然のままに放置され、毎日人が水を与えるという条件に置かれた。

        その結果、3か月ほど経った時点で2つのグループの成育状況を比べたところ、ウォーター・ボックスに植えられた木は90%以上が順調に育ち、緑の葉を増やしていた。

        極めて強い太陽の下に置かれていたにも関わらず、すくすくと育っていたのである。

        もう1つのグループは残念ながら毎日水を与えたにも拘わらず、90%以上が枯れ果ててしまった。

        以前はチューリップなど花き類の輸出業に携わっていた発明者のホッフ氏に言わせると「このウォーター・ボックスを使えば、そして植えるべき樹木の種類を選べば、地球上の砂漠を緑地に変え農地に生まれ変わらせることも可能になるだろう」とのこと。中東やアフリカ、インドなど厳しい自然環境の土地にはこのウォーター・ボックスが強い味方になりそうだ。

        しかも、モロッコのモハメッド・プレミヤー大学との3年間の共同実験でお墨付きを得た強気のホッフ氏は「このウォーター・ボックスを使い、20億ヘクタールの森林を育てることができれば、現在人類が放出しているCO2を全て吸収することも可能になる」と豪語する。地球温暖化対策にも役立つというわけだ。ニューヨーク・タイムズ紙などは「樹木を育てる“ウォーター・バッテリー”になる」と太鼓判を押しているほどだ。

         

        似たような技術はカナダの発明家も既に商品化している。カナダのエレメント・フォーという会社は家庭用の造水機を開発し、すでに市場に投入済みである。

        この造水機の特色はやはり空気中の水蒸気を吸収し浄化した後に飲み水として利用することを可能にしたものである。

         

         

        「ウォーター・ミル(WaterMill)」と呼ばれる造水機で、使用する電力は極めて少ない。

        1リットルの水を製造するのにかかるコストは3セントから4セントというから、実にお手頃といえそうだ。

        一般家庭の壁に装着し、空気中からフィルターを通して不純物を取り除いた後に水を製造する。最近流行しているインフルエンザなどの病原菌もマイクロ波を照射することで殺菌除去する機能も付いているため、単に水を空気から絞り出すだけではなく、大気中に含まれる雑菌や細菌も除去してくれるというので人気が出ている。

         

        同社のリック・ハワード社長曰く「大企業のGE、ダウ・ケミカル、シーメンスにも負けない」と強気の売り込み姿勢を見せている。

        国連では2005年から2015年を「国際水の年」と指定し、地球各地で水不足で苦しむ人々を救済するキャンペーンを展開した。

        現状のままでは「2025年には18億人が水不足に陥る」との危機感が深まっているからだ。ハワード社長は自社の技術で何とか世界的に広がる水問題の解決に寄与したいとの思いを強くしているようだ。

        制作協力企業

        • ACデザイン
        • 日本クラシックソムリエ協会
        • グランソールインターナショナル
        • 草隆社

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