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                                第51回

         

        地球環境の変化と環境技術の開発競争:風力発電先進国オランダに学ぶ(前編)

         

                                浜田和幸

         

        ウェブで読む:http://foomii.com/00096/2017012710000037128

        EPUBダウンロード:http://foomii.com/00096-37728.epub

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         わが国のみならず、全世界がこれから50年先、100年先に直面する難題の最たるものが、気候変動であることは疑う余地がない。

        トランプ新大統領は異論を唱えているようだが、近年、気候変動は地球上の全ての大陸や海洋に及び、自然界や人間の生存に大きな影響を及ぼし始めているのは事実だ。

         

         いくら強気のトランプ氏が「地球温暖化はウソだ。中国によるペテンに騙されるな。2015年のパリ協定など守る必要はない」と主張しても、北極や南極の氷が融け出し、太平洋の島々が水没の危機に晒されている現実は否定のしようがない。

        水資源、生態系、農業食糧、そして人間の健康といった分野で様々な弊害が観測されるようになってきた。

         

         思い起こせば、20143月の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の総会では、今後の世界が直面する8つの主要なリスクが公表された。

        第一に指摘されたのが、高潮や海面水位の上昇により、沿岸の低地や小島嶼国での死亡や地域の経済が破壊されるというリスクである。

         

         加えて、洪水による大都市住民への生命や健康被害。

        異常気象による社会インフラの機能停止。

        極端な寒熱期間における脆弱な都市住民や野外労働者の死亡及び罹病のリスク。

        温暖化や干ばつによる食料不足や食糧システムの崩壊。

        水資源不足と農業生産性の低下による農村の崩壊。

        沿岸部の人々の生計を支える海洋生態系の損失。

        最後に、陸域及び内水の生態系と生物多様性の損失、といった具合だ。

         

         こうした損失と被害の可能性が世界的な懸念材料となっている。特に開発途上国においては、不利な地理的条件や技術資金の不足による適用能力の低さ等が災いし、適用策を実施しているにもかかわらず、気候変動のもたらす自然災害に十分な対処ができないままとなっている。チリの火山噴火、ネパールの大地震、そして最近のインドネシアでの巨大地震も、防災対策の不備が被害を拡大させることになった。

         

         2016年11月に開催された国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP22)など、気候変動に関する国際交渉においては、こうした開発途上国において深刻さが拡大するリスクに対し、どのような支援体制を構築することができるのかが主要な議題となっている。

        これまでも、堤防や作物の品種改良など構造的かつ物理的な手法をはじめ、国家や地域が策定する総合的な水資源管理などの制度的手法、更には、住民への意識向上や教育等を通じての社会的手法が試みられてきた。

         

         また、人間開発、貧困削減、生活保障、災害に対するリスクマネジメント、生態系管理、空間あるいは土地利用計画といった広範な分野においても試行錯誤が繰り返されてきている。

        とはいえ、後発開発国や小島嶼国においては、必要な対応策を講じるために必要な資金が常に不足している。

        こうした問題に対応するため、国連が音頭を取り、開発途上国への適用支援を行う資金メカニズムが設立された。

        例えば、「特別気候変動基金(SCCF)」、「後発開発途上国基金(LDCF))、京都議定書の下で設置された「適用基金(AF)」などである。

         

         これらは日本を含む先進国が自主的に供出した資金で運営されている。そして、運営に当たっては世界銀行、国連環境計画(UNEP)、国連開発計画(UNDP)が共同で設立した「地球環境ファシリティ」が関与。

        こうした基金に加えて、2015年には新たに途上国における気候変動対策を個別具体的に支援するための「緑の気候基金(GCF)」が発足。

        この新たな基金の設立は2010年のCOP16で合意されたものであり、事務局は韓国に置かれ、わが国も15億ドルの拠出金を出している。

         

        背景にあるのは、わが国の進める「攻めの地球温暖化外交戦略だ。これに基づき、日本は2013年から3年間で官民合わせて16千億円の資金を途上国における気候変動対策として提供すると公約した。

        そして、世界が驚いたように、何と1年半で目標を達成してしまった。

         

         

        更に、日本の場合には、2011年の福島第一原発事故に関する経験や教訓を世界と共有することにより、各国で建設や運用が進む原子力発電所の安全にも貢献できる体制に取り組んでいる。

        日本政府は災害の被害を軽減するためにコンピューターによる被害予測技術を提供中だ。

         

         わが国はアメリカとも連携し、地球温暖化対策に積極的に取り組んできたが、トランプ政権の下では、これまでとは異なるアプローチが必要になるだろう。

        対中強硬姿勢を見せるトランプ大統領は温暖化を認めようとしないが、環境悪化の原因を中国に見出そうとしているフシがある。

         

         中国発のPM2.5は偏西風に乗り、アメリカへも東海岸上空にまで達しているといわれる。

        温室効果ガスの最大の排出国となっている中国。

        これまでは、日米が協力し、中国への技術的、法律的な支援体制も協議されたが、今後は様相が一変するに違いない。

        なぜなら、気候変動の問題を解決するためには、その元凶となっている温暖化や異常気象の原因を取り除くことが欠かせないからである。

         

         気候変動対策のためと称して、いくら多額の資金を提供したとしても、地球温暖化の大元を断たなければ資金も無駄になってしまう。

        そこでトランプ新政権はこれまでの日本やアメリカが中国の環境対策に協力して取り組む姿勢から中国に全面的に責任を取らせる圧力をかける方策を模索しているようだ。

        そうなれば米中間の対立が深まることは避けられないだろう。

         一方、わが国においても、福島の原発事故以来、それ以前の温室効果ガス削減目標の達成が難しくなっており、環境大国とは言い難い状況に置かれている。

        というのも、原発事故の影響で、石炭、石油、天然ガスの輸入量が増え、温室効果ガスの排出量が増え続けているからだ。そのため、日本が検討している削減目標はアメリカ、ヨーロッパ、ロシアと比べ低いとみなされている。

        日本では省エネ対策が進んでいると言われてはいるものの、温暖化ガスに関して言えば、世界第5位の排出国なのである。

         

         

         

         

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