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        第65回

        東京オリンピックで開花するか?数々の新技術の芽(前編)

         

        浜田和幸

         

        ウェブで読む:http://foomii.com/00096/2017051910000038955

        EPUBダウンロード:http://foomii.com/00096-39554.epub

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         人間の身体は60兆個といわれる膨大な数の細胞から成り立っている。しかし、元をたどれば、一つ一つの細胞は極めて小さなものに過ぎない。そこで、この一つ一つの細胞のメタボリズムを飛躍的に高めることにより、人間全体の運動能力を強化しようという発想が生まれてきた。

         

         戦場で多くの兵士が命を失う最大の理由は体力を消耗し、空腹に苛まれ、誤った判断を下してしまうからである。そのような状況から兵士たちを救うために、アメリカの国防総省では少なくとも年間400憶ドルの研究費を、このような兵士の人体改造計画に投入していると言われている。

         

         そこまでいくと、既に人間なのか、ロボットなのか、境界線があいまいになりつつあるようにも思われる。しかし、現実には我々の想像をはるかに超えるスピードで人体のサイボーグ化が進んでいることは間違いなさそうだ。

         

         アメリカ政府の潤沢な研究開発費のお陰で、アメリカにおいては、人体の再生や人間の能力向上に資する研究に関する国際会議が頻繁に開催されてきた。

         

         このようにアメリカでは、官民を挙げて夢を現実のものにしようとする研究が、確実に動き始めている。

        グーグルの共同創業者の1人であるラリー・ペイジは、ヘッドハンティングをしたカッツウェル博士とともに、2045年を目標に、

        「人間の頭脳を現在より10億倍強化する計画」を温めている。

         

         言い換えれば、人間の頭脳をビッグデータ化するとともに、人間の肉体や生命を永久化しようとする試みといえよう。

        人間とマシーンの合体とも受け止められる。

        これを単なる空想の産物と笑い飛ばすのか、あるいは、科学的な

        ニューベンチャーとして真剣に受け止めるのか。どちらの視点に立つかによって、人類と地球の未来が大きく左右されることになるに違いない。

         

         自然との調和を大切に、旬の食材や周囲との絆を長寿の源としてきた日本的なアプローチでは、125歳あたりが限界といわれてきた。しかし、最新の医学研究や科学技術の恩恵を活かせば、桁違いの寿命1000歳も可能になるかも知れない。

         

         「願えば叶う」と言うが、国家目標として巨額の軍事予算を投入し「不死身の兵士」を生み出そうとするアメリカ。とはいえ、こうした人体の機能強化プロジェクトはアメリカの専売特許ではない。実は、ロシアや中国も同じような発想から長年に渡り、極秘の寿命延長や人体改造に関する研究を続けている。

        一方、この世に生を受けたことに感謝し、自然な天寿を全うすることに満足を得ようとする日本。どちらの願いを選択すべきか。

         

         ところで、オリンピックと言えば、スポーツと文化の祭典と言われているが、記録を競うゲームという形を借りた戦争と見なすこともできる。

        見方によっては、各国が人体改造計画の成果を競い合う場といっても良いだろう。人間の運動能力を極限まで高めるために、多くの国々があらゆる技術を導入し、国家の威信をかけてメダル獲得に血眼になってきているからだ。

         

         その行き過ぎの一端がドーピング問題であろう。

        わが国では、ドーピングの予防と撲滅を目指す反ドーピング条約を率先して締結している。ところが、中国やロシアなどでは、そうした動きとは逆行する形で、競技成績を上げるためであれば、ドーピング検査をすり抜けることのできる興奮剤など、新種の医薬品の

        開発と導入にしのぎを削っているようだ。

         

         となれば、超大国アメリカとすれば、科学技術力を結集し、

        金メダル獲得数で中国やロシアとの熾烈な戦いに勝利を目指さなければならない、との思いに駆られるのも理解できる。

        ということで、戦場の兵士の能力向上に生かされる技術をオリンピックの出場選手にも導入しようとの考えもあるようだ。

        正に、「ライバルは人間ではなく、サイボーグ」という

        オリンピックが間近に迫っていると言えそうだ。

        その意味では、人間が本来の能力を競い合う自然なスポーツの祭典という時代は過去のものとなりつつある。

         

         一方、国連の気候変動がもたらす影響予測の報告書を見ても、「2050年には人類が危機的な状況に直面する」との見通しが明らかにされている。「こうした異常な環境の変化を生き抜くためには、人類がロボットの力を借りることが欠かせない」とも言われているほどだ。人間とマシーンとのハイブリッドにより、激変する地球環境を生き延びることが可能になるとの発想である。

         こうした予測が公表されるのは、環境問題を真剣に捉えようとしない各国政府や人類全体に対する警鐘の意味が込められているに違いない。

        とはいえ、今後15年から25年先には、国連が指摘するように、「人類史上、最も危険な環境破壊の瞬間が訪れる」という可能性を否定することはできない。

         

         そのような人類滅亡の危機を乗り越えるためには、人間のサイボーグ化という対策もあれば、人工知能をフルに生かしたロボットが人類に代わり、厳しい地球環境の下でも生き残るという時代を受け入れざるを得ないのかも知れない。

         

         いずれにせよ、こうした状況を見越し、米国防総省では新たな

        抗体の研究開発にも着手している。この研究は人体のサイボーグ化と共通する部分もあるが、様々なウィルスや生物化学兵器に対して、生き残りを可能とするような抗体を自動的に生み出す人体に改良しようとするものである。

         

         近年、西アフリカを発症地とするエボラ出血熱が世界的な脅威となったことを踏まえ、感染者から採取した血液を分析し、速やかに抗体を製造するメカニズムを確立しようとしている。

        開発責任者曰く、「タバコの葉から新たなワクチンを製造する研究にも取り組んでいる。数百万種のタバコの葉からたんぱく質を抽出し、人類の健康に役立てる」。

         

         健康に有害と見なされるタバコの葉から、人間の健康を取り戻す要素を抽出するという発想には脱帽せざるを得ない。こうした未来技術の研究プロジェクトにはグーグルのような常識に囚われない企業との連携がうまく機能しているようだ。

         

         

        以下、次号「第66回」(526日発行)に続く!

         

         

         

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