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        第71回

        中国返還20年を迎えた香港の行方(前編)

        浜田和幸

         

        ウェブで読む:http://foomii.com/00096/2017070710000039832

        EPUBダウンロード:http://foomii.com/00096-40427.epub

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        この7月1日、香港では中国への返還20周年を記念する式典が盛大に催された。国家主席としては初の香港訪問を行った習近平氏は新たに選出された香港の行政長官の就任式にも出席した。

        習近平氏は内外に向けた演説を行い、「一国二制度」の意義と成功を強調しつつ、「統治権はあくまで中国が持つ」と繰り返した。曰く「中央の権力や香港基本法の権威に対するいかなる挑戦も絶対に許さない」。

         

         直前には中国外交部の報道官が「中国と英国との間で結ばれた香港返還合意の内容は既に実質的な意味を失った」という趣旨の発言をしたため、香港では民主化を求める集会やデモが繰り広げられることになった。香港大学の調査では香港の住民の6割は「一国二制度」に信頼を寄せているとのこと。中国本土が敢えて香港市民の不安を煽るような発言を行うことはマイナスだろう。2014年に発生した「雨傘運動」に見られたように、民主化を求める香港市民の反中意識に火に油を注ぐことになるだけだ。

         今回、習近平国家主席の滞在するホテルの周辺は厳戒態勢が敷かれた。高さ2メートルの大型柵が数百メートにわたり張り巡らされ、デモ隊や一般住民が近づかないような警備となった。

        夫人を伴って到着した習近平主席は記念式典で中国本土との一体感を訴え、数百人の音楽隊や花形歌手による「祖国愛」に因んだ歌や踊りで20周年を盛り上げた。香港の若い世代に広がる「中国離れ」を意識してのことだろう。

         

         更には、中国初の空母「遼寧」が1週間後には香港に寄港すると発表。必要があれば、いつでも軍事力を行使するとの威嚇に他ならず、中国の最高権力者は有無を言わせぬ強硬姿勢も見せている。そのせいか、香港の新行政長官は公用語の広東語ではなく、北京語で宣誓式に臨んだ。

         

         この度の返還祝賀式典に先立ち、筆者は香港を訪問した。多少の不安感もあったが、現地に立つと、香港は相変わらずエネルギーに満ちていることを確認できた。お隣の深?に自由貿易特区の座を譲ったとか、上海やシンガポールに国際金融センターの冠を奪われたとか、いろいろと言われているが、どっこい踏ん張っているのが香港だ。

         

         たとえば、深?からマカオに移動する際に乗った中国製のフェリーとマカオから香港に移動する際に利用した香港製のフェリーの乗り心地は圧倒的に香港製が勝っていた。スピードもサービスも香港のフェリーに軍配を上げざるを得ない。

         

         そんな香港で旧知の友人らと会食したが、「男女とも平均寿命で日本を抜き、世界1になった」という話題で盛り上がっていた。もちろん、中国本土の平均寿命のはるか上を行くことは言うまでもない。

         

         

         

         

        そこで調べてみると、3つの要因があることが判明した。

         

         第1は食事である。

        魚や野菜を多く食するのが広東料理だが、香港名物の「飲茶」は油を多用しないため、心臓病やコレステロールを防ぐ効果があるようだ。その上、お茶を飲みながら、ワイワイ、ガヤガヤ、家族や友人、知人と賑やかに食事を楽しむのが香港風。

        冗談を交えながら、日ごろの憂さ晴らしに興じることで、締め付けが厳しくなりつつある政治環境を吹き飛ばしているわけだ。

         

         第2は運動であろう。あちこちの公園で朝な夕な、太極拳(タイチ)に励む人々の多いこと。比較的高齢者の多いのが太極拳だが、若い層はポップス調の音楽に合わせて深夜にかけて踊りまくっている。もちろん、「頭の体操」といわれる麻雀も盛んだ。昼間から街頭で雀卓を囲む老若男女の姿をよく見かける。

         

         第3は生涯現役で働くのが当たり前の労働意識である。定年制などお構いなしで、70代、80代でも働き続けるのが香港流のようだ。特に、年配の方々が若い人々と一緒に働いている場面に多く出会う。

         何しろ、香港で最も成功している実業家の李嘉誠氏は今年89歳。アジアで最も富裕な人物だが、今でもバリバリの現役で、長江実業グループを率いている。中国との貿易通商面でも最前線で活躍中である。「李さんがあんなに元気で働いているのに、負けられない」といった言葉を到るところで耳にしたものだ。日本人も負けてはいられない。

         

         実は、香港の経済は返還前と比べて、この20年間で予想以上に発展している。1997年に1770億ドルだったGDPは今や3210億ドルと倍増。外貨保有高は930億ドルから3900億ドルへ。実に4倍以上に膨らんでいる。

        香港の人々もこの点は認めている。もちろん、狭い土地柄ゆえ、不動産価格の急騰は悩みの種のようだ。何しろ、ニューヨークに次いで不動産の価格が高いのが香港である。

         その背景には中国本土からの投資や企業進出が大きな役割を演じていることは疑いようがない。20年前には香港に進出していた中国企業はたった6社しかなかった。それが現在は1000社を優に超える本土企業が根を下ろしている。1997年の段階では人民元による決済は皆無であった。ところが、今や4.5兆人民元まで拡大しているのである。

         

         意外に思われようが、海外からの直接投資額に関していえば、香港はアメリカに次いで世界第2位の座を占めている。

        WTOの創立メンバーでもある香港は9780億ドルの貿易額を誇る、まさに「世界最大の貿易都市に他ならない」といえよう。

         

        以下、次号「第72回」(714日発行)に続く!

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        著者:浜田和幸

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