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        第78回

          狂人?それとも天才?金正恩の真の実力(後編)

        浜田和幸

         

        ウェブで読む:http://foomii.com/00096/2017082510000040662

        EPUBダウンロード:http://foomii.com/00096-41250.epub

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        確かに、世界にとって最も謎の多い国の代名詞が北朝鮮であろう。55年前から経済データの公表を全て中止しているお国柄だ。

        史上最年少とも言われる、33歳の若き指導者、金正恩にしても様々なミステリーが付きまとっている。

        その多くは根拠がはっきりしないもの。

        とはいえ、北朝鮮に関する情報はなかなか外部からはうかがい知れないため、噂に尾ひれが付きやすい。

        検証するのが難しいため、世界のメディアが好き勝手に誇張した独裁的指導者の姿を撒き散らしているのが現実である。

        いわば、「言った者勝ち」に近い状態が続いている。

         

         自分の伯父にあたる張成沢(チャンソンテク)が中国との貿易で私腹を肥やしていたことが判明したため、彼とその一族を「マシンガンで皆殺しにした」とか、「生きたまま犬の餌食にした」といった話もまことしやかに伝えられたものである。

         しかし、わが国でも大きく報道されたチャンソンテクの処刑に関するおどろおどろしい出来事は中国のイエローペーパーが冗談として掲載したものだった。

        こうした冗談やウソも繰り返し報道されると、世界中に「何をするか分からない恐ろしい独裁者」として、金正恩の「狂人的イメージ」が定着しても致し方ないだろう。

        当の本人にしても、若さゆえそうした近寄りがたいイメージもプラスと受け止めているのかも知れない。

         

         いずれにしても、金正恩が世界の国家指導者の中で最年少であることは間違いないこと。

        とはいえ、その生年月日ははっきりしない。

        しかし、年齢や生年月日がはっきりしないのは金正恩だけではない。国家の政策として北朝鮮では自国の最高指導者の生年月日を極秘扱いしてきているのである。

        神秘のベールで覆うことで、まさに神格化を進めようとの意思が感じられる。

         

         しかし、2017年時点で33歳と目されている金正恩は、国内の圧倒的な支持を得るために、自らの祖父、金日成の立ち振る舞いから、容姿、服装にいたるまで、見事なまでに吸収している。

        体重は100キロをゆうに超しているが、時に杖を使いながらゆっくりと歩く姿、独特の髪型、そして声色。

        あらゆる身体的特徴を自らの祖父に近づけようとしているのである。これはすべて神格化されている金日成の威光を借りて、不満が渦巻いている国を統治しようとする努力の一環だろう。

         

         要は、幼いころから皇帝のような特殊な環境で育てられたため、自らがリスクを取ることには躊躇をしないという性格が身についているようだ。

        国家の最高指導者に就任してからも核開発やミサイルの発射実験など世界の批判を浴びながらも一向に動じる気配を見せていない。

        その背景には冒頭に述べたような彼独自の深慮遠謀が隠されていると思われる。

         

         「北朝鮮は第2の中国」を目指している。「1980年代の中国」の可能性があるという見方も欧米の投資家の間では有名だ。

        韓国はじめ、中国、ロシアといった周辺国やアメリカ、イギリスの支援を得ることで、豊富な地下資源を開発することに成功すれば、北朝鮮は現在の中国のように急成長することが期待される。

         

         実は、2015年4月、北朝鮮のリスユン外相はインドを訪問し、スワラジ外相との間で北朝鮮の地下資源開発と輸出契約の基本合意に達している。

        インドにとっては、中国と北朝鮮の関係が変化する中、北朝鮮との資源外交を強化しようとの思惑が見え隠れする。

        要は、国境紛争やインド洋への影響力を強めつつある中国をけん制するためにも、北朝鮮を懐柔しようとするのがインドの狙いと思われる。

         

         このことを若き指導者、金正恩は十分認識しているようだ。

        なぜなら、権力の座に着くやいなや、「経済と軍事の対等化」宣言を発しているからである。

        それまでの軍事最優先の路線から経済発展を同じく最重視する姿勢を打ち出した。

        国内の農民に対しても自由度を増す政策を発表。

        収穫物の最低3割、場合によっては4割から6割を手元に残すことが認められるようになったという。

         

         工場や商店に対しても収益を上げた額に応じて報奨金を出すことを決定。生産性の向上を最優先する意向に他ならない。

        経済特区の数も当初の25カ所から今や500か所近くに拡大するなど、矢継ぎ早に父親時代を塗り替える政策に邁進している。

         一方、首都ピョンヤンは今では「ピョンハッタン」と呼ばれるほどで、ニューヨークのマンハッタンを模してファッショナブルなブティックやレストランも登場し、携帯電話や自動車の数も急増中。こうした金正恩体制化での変化を北朝鮮の国民も徐々に感じているはずだ。

        北朝鮮から中国経由での脱北者の数も年間1500人程度で、最盛期の半分以下になってきた。

         こうした現実を見ずして、北朝鮮のミサイルや核開発のみに一喜一憂していたのでは世界の動きから取り残されてしまうだろう。

        トランプ政権はニューヨークを舞台に北朝鮮代表と秘密交渉を進めている模様だ。

        アメリカが日本や韓国のために北朝鮮に攻撃を仕掛けるというのは建前に過ぎない。

         

         日本は国際政治経済の動きを冷静にとらえ、北朝鮮に対する戦略を練り直す必要があるだろう。

        金正恩と文在寅(ムンジェイン)がある日、突然手を握る可能性も視野に入れておくべきだ。

        「想定外」では済まされない。

        見た目は大違いだが、金正恩もムンジェインも同じ朝鮮族のDNAを引き継いでいることを過小評価するのは危険だ。

         

        次号「第79回」もどうぞお楽しみに!                   

                         

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        著者:浜田和幸

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