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        Vol.087 2018/02/02

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        浜田かずゆき の
        『ぶっちゃけ話はここだけで』

         

        【今週の目次】

         

        1.アメリカの駐韓大使のポストは1年以上も空席のまま:北朝鮮攻撃は近い!?

         

        2.英国メイ首相の中国訪問の隠された狙い

         

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        1.アメリカの駐韓大使のポストは1年以上も空席のまま:

        北朝鮮攻撃は近い!?

         

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        ぶっちゃけ、トランプ大統領は朝鮮問題を外交的に解決する気をなくしたようだ。

        これだけ緊張関係が高まる中、駐韓大使を任命しないまま、1年以上が過ぎている。

        とはいえ、昨年末の時点では韓国系アメリカ人のビクター・チャ

        博士を新駐韓大使に指名し、上院での承認手続きに入ることが決まっていた。

        韓国政府に事前承認を求めたところ、「チャ大使を歓迎する」と出ていたのである。

         

        当のチャ博士はブッシュ政権下では国家安全保障会議においてアジア部長を務め、卓越した業績が認められ、国家貢献勲章を2度も

        受賞。

         

        ホワイトハウスの主が民主党に代わった時点で、同氏はワシントンの有力シンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)とジョージタウン大学の両方に籍を移し、朝鮮半島問題を中心にアジア情勢全般をカバーするオピニオンリーダーとして活躍するようになった。

        そうした経験や人脈が豊富にあるため、危機的状況の朝鮮半島に乗り込み、米朝、米韓関係の改善、安定化に貢献することが大いに期待されていたはずだった。

         

        ホワイトハウスの人事局ではチャ博士の身辺調査を行い、金銭問題とか外国との不審な関係がないことを確認したという。

        そのため、上院での承認も間違いないと言われていた。

        チャ博士本人も「平昌オリンピックの前にソウルに赴任したい。上院での承認が得られ次第、CSISもジョージタウン大学も辞職する」と述べ、新たな任務への決意と抱負を語っていた。

        ところが、トランプ大統領による初の「一般教書演説」の直前に

        指名取り消しの報が流されたのである。

         

        これは一体全体どういうことだろうか。

        アメリカ議会での一般教書演説を聞いて、がってんがいった。

        トランプ大統領はこの演説の中で、北朝鮮を残虐非道なテロ国家と声高に糾弾した。

        北朝鮮で拘留され、帰国後死亡したアメリカ人大学生の両親や北朝鮮からの脱北者を招き、「彼らをこんなひどい目に合わせたような国を放っておくわけにはいかない」と明言。

        要は、北朝鮮に懲罰を加えたり、場合によっては先制攻撃を行うのも「アメリカと世界の自由を守るためには必要だ」と内外に訴えたのである。

         

        これは「北朝鮮との対話はない」という最後通牒に等しい。

        期待の星と見られたチャ博士だが、実は先制攻撃に関しては慎重派で、交渉による朝鮮半島の非核化が望ましいとの立場であった。

        ぶっちゃけ、チャ博士の駐韓大使への芽を摘んだということは、トランプ政権が先制攻撃に舵を切ったと理解すべきであろう。

        この間、在日米軍横田基地では在韓米軍の家族を受け入れる避難用住宅3000戸を完成させている。

        準備万端、整ったということか。

         

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        2.英国メイ首相の中国訪問の隠された狙い

         

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        ぶっちゃけ、英国と中国の関係が怪しい展開を見せている。

        英国のメイ首相は1月31日から2月2日まで中国を訪問し、王毅外相や李克強首相と会談した後、習近平国家主席とも突っ込んだ話し合いを行ったようだ。

        習近平氏は2015年に国賓として英国を訪問し、エリザベス女王やキャメロン首相(当時)から歓待を受け、両国関係を「黄金時代」とまで宣言したほど。

        実は、英国は中国の提唱する「現代版シルクロード」と異名をとるアジアとヨーロッパをつなぐ「一帯一路」計画を推進するため10億ドルの基金を創設。

         

        このファンドの英国側の議長は他ならぬキャメロン前首相であり、創設に係わった中心メンバーにはキャメロン氏の友人の英国財界人が名前を連ねている。

         

        今回のメイ首相の訪中にも50名を超える英国経済界のトップが同行した。

        英国にとって、「これから頼みの綱となるのは、アメリカでも欧州連合でもなく、中国」との判断のなせるワザであろう。

        何しろ、中国から英国への直接投資は拡大の一途で、昨年、120億ドルを突破。

        これは2015年の倍で、ドイツ、フランス、イタリア3か国の合計より大きな額なのである。

        更には、北朝鮮政策において英国はアメリカとは一線を画す路線を追求してきた。

        北朝鮮への先制攻撃も辞さない構えのトランプ政権とは対照的に、平壌に大使館を持ち、水面下で北朝鮮との政治、経済関係を維持しているのが英国だ。

        北朝鮮への観光ツアーを企画し、年間3000人もの外国人を送り込んでいるのも英国の旅行会社である。

        また、北朝鮮の水を「メイド・イン・コリア・ウォーター」と称して、海外に輸出しているのも英国の商社に他ならない。

        そうしたパイプを利用し、英国は金正恩委員長の国外亡命工作を密かに進めている。

        その狙いは独裁者を国外追放した後に、南北統一朝鮮を誕生させ、民主的な選挙で新たな国家指導者を選出することだ。

        そうすれば、北朝鮮の地下に眠る「700兆円の価値がある」(韓国統計庁)と目されるレアメタルなど地下鉱物資源の開発利権を獲得することになるからだ。

        これはブッシュ政権時代にアメリカが進めた計画だが、今では英国政府系のファンドが中国とも連携し、北朝鮮が持つ天然資源の開発に取り組むシナリオを描き、アメリカを出し抜こうとしている模様である。

         

        メイ首相訪中の隠された狙いは、習近平主席との間で「北朝鮮の地下資源の山分け」の方法を議論することにあった。

        ぶっちゃけ、安倍首相や日本企業にはできない芸当であろうが、これが国際政治の現実だ。

         

        ★発行元 : 浜田和幸(はまだかずゆき)
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