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        Vol.095 2018/04/06

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        浜田かずゆき の
        『ぶっちゃけ話はここだけで』

         

        【今週の目次】

         

        1.金正恩委員長にあって安倍首相にない秘密兵器とは?

         

        2.中国初の宇宙ステーションがついに南太平洋に落下

         

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        1.金正恩委員長にあって安倍首相にない秘密兵器とは?

         

        ぶっちゃけ、北朝鮮の金正恩委員長には隠し玉が多い。

        先の平昌オリンピックでは開会式に妹の金与正(キムヨジョン)を送り込み、美女軍団と共に「ほほえみ外交」を展開し、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領をメロメロにしてしまった。

        その結果、南北首脳会談のみならず、米朝首脳会談まで実現の可能性が一気に高まった。

        そして、この3月末の金正恩委員長の中国訪問には夫人の李雪主(リソルジュ)が同行。

        するとたちまち彼女は中国で大フィーバーを起こした。

        インターネット上では「本当に綺麗だ。金委員長の妹よりはるかに美人で、しとやかだ」とか「韓国の人気女優もかなわない」といった彼女の美貌や衣装を褒めたたえるコメントで溢れかえった。

        しかも、中には「(習近平国家主席の夫人である)彭麗媛(ポンリユエン)と比べれば着ているものは地味だが、美形レベルでは李雪主が上だ」といた内容も。

         

        余りの過熱ぶりに、中国政府は「李雪主」がネット上で検索できないようにし、彼女に関する書き込みを全て削除してしまったほど。

        やはり、「習近平夫人より美人だ」といった内容は今の中国では認められないようだ。

        「太った3代目の独裁者」という夫のイメージを払拭する上で、李夫人は秘密兵器のようなパワーを存分に発揮したと言えるだろう。

        実は、世界が驚いた今回の電撃訪中は年初から水面下で準備が進められてきたもの。

        2011年に史上最年少の国家最高指導者の座について以来、金正恩にとっては初の外国訪問だった。

        来る南北、そして米朝首脳会談を成功させる上でも、中国を味方につけるために失敗は許されないものであった。

        一方、憲法を改正し、絶対的な権力を手中に収めた習近平にとっても、「朝鮮半島の未来を決定付ける力は中国にある」という存在感をアッピールしたことになる。

         

        ところが、日本では安倍首相も河野外務大臣も「報道で知って驚いている。中国から詳しい説明を聞かなければならない」と発言し、自らの情報収集能力の欠如を世界に明らかにしてしまった。

        それどころか、安倍首相はこの期に及んで、「4月18日には訪米し、トランプ大統領と会談し、その後、北朝鮮への訪問も考える」と言い出した。

        ぶっちゃけ、こんな話は水面下でこそ進めるべきであろう。

        中国やアメリカからつんぼ桟敷にされることを恐れてのことかも知れないが、何とも頂けない。

        残念ながら、安倍首相には金正恩委員長が頼りにするような秘密兵器がないのが玉に瑕と言えそうだ。

         

         

         

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        2.中国初の宇宙ステーションがついに南太平洋に落下

         

        ぶっちゃけ、「被害がなくて良かった」とは、このことだ。

        制御不能に陥っていた中国初の宇宙ステーション「天宮1号」が、4月2日、南太平洋のハイチの北西100キロの海底に落下した。

        昨年から世界中の宇宙機関がかたずを飲んで、その行方を追っていたが、ようやく決着がついたわけだ。

        2011年9月に打ち上げられ、一時は3人の宇宙飛行士が滞在し、さまざまな実験を繰り返したわけで、中国の宇宙開発の先駆的な役割を担ってきた。

        2020年代には恒久的な宇宙ステーションを独自に打ち上げる計画を進めている中国にとっては、万が一、「天宮1号」が地上の人口密集地に落下し、大きな被害をもたらすようなことになれば、宇宙開発計画そのものに支障が出たはずである。

        幸い、そうした最悪の事態を免れた。

        「宇宙大国を目指す」と大見えを切っていた習近平国家主席もホッとしたに違いない。

        しかも、アメリカのNASAや欧州宇宙機関の事前の予想では「北緯43度から南緯43度の間に落下する」と言われており、余りに範囲が広いため、アメリカでも欧州各国でも国民に警告を発していたが、「備えようがない」との反応が一般的であった。

        しかし、蓋を開けてみると、「宇宙デブリの墓場」と称される南太平洋の安全地帯に落下。

        そのため、中国政府も「予定通りだった」と逆に胸を張る変わりよう。

        とはいえ、過去70年間に世界各国が打ち上げたが、役目を終えたまま、地球の軌道上を彷徨っている気象衛星や通信衛星の破片数は総計50万個と目される。

         

        これまでも新たな衛星が古い衛星に衝突するような事故が相次いでいるからだ。

        その都度、宇宙デブリと呼ばれる破片が拡散する。

        これまでは海中や砂漠など人が住んでいない場所に落下することが多く、大きな問題にはなってこなかった。

        実際、宇宙デブリにあたって、けがをしたアメリカ人が2人いるが、亡くなった人は1人もいない。

        とはいえ、いつまでもそうした状態が続くという保証はない。

        今回の中国の宇宙ステーションは重さが8.5トンであった。

        これまで落下したもので最大だったのは2001年のロシアのMIR宇宙船で120トン。

        しかし、2024年には重さ420トンの国際宇宙ステーションが落下する予定である。

        もちろん、南太平洋の宇宙デブリの墓場である「ポイント・ネモ」に誘導されるはずではあるが、いつ何時、故障で制御不能に陥るとも限らない。

        ぶっちゃけ、今後は、アメリカのイーロン・マスク氏が開発したような再利用できる衛星に転換すると同時に、浮遊する高額な宇宙デブリを回収するビジネスが求められる。

         

        ★発行元 : 浜田和幸(はまだかずゆき)
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