Vol.031 2016/11/11
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浜田かずゆき の
『ぶっちゃけ話はここだけで』
【今週の目次】
1.超大国からモテモテのベトナム
2.原油価格を巡るサウジとロシアのせめぎ合い
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1.超大国からモテモテのベトナム
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ぶっちゃけ、世界の注目がベトナムに集まっているような感じがするね。
人口が間もなく1億人に達する、平均年齢が27歳というアジアでも急成長を遂げている若い国だ。
このところ、アメリカ、ロシア、中国といった大国が相次いでベトナムに対するアプローチを強めているのもうなずけるな。
中国による南シナ海の岩礁埋め立てを巡って、ベトナムをはじめ、フィリピンや台湾など周辺国との間で緊張が高まっていることは知っての通り。
アメリカもアジア重視戦略の下、この地域での中国の一方的な主張や既成事実化には厳しい姿勢を見せているよね。
そうした中で、ベトナムが重要な役割を果たそうとしているわけさ。
何しろ、フランスから独立を勝ち取り、中国の侵略を撥ね付け、ベトナム戦争ではアメリカを追っ払ったというベトナム人の逞しさは、折り紙付きだ。
最近、かつてソ連が冷戦時代に軍事基地を所有していたカムラン湾にアメリカの軍艦が初めて寄港することになったもんさ。
明らかに中国に対するけん制行動だね。
すると、その数週間後に今度は中国がこのカムラン湾に軍艦を寄港させることになったんだな。
中国の軍艦は、ミャンマー、マレーシア、カンボジアを友好訪問した後、ベトナムに寄港したのさ。
緊張が高まる南シナ海を舞台に、アメリカと中国がベトナムを味方につけようと、あの手この手の作戦を展開しているようだね。
しかし、この勝負、中国が若干リードしていることは否めないな。
というのは、ベトナムは中国に対し表向き、厳しい姿勢を示してはいるものの、ここ数年、毎年のように中国海軍と合同演習を展開しているからさ。
実にしたたかなベトナム人だね。
注目すべきは、その陰でロシアがベトナムに強力な足場を作ろうと動いていること。
ハノイやホーチミンに限らず、モスクワでも「ロシア・ベトナム経済協力フォーラム」や「ロシア産業展示会」を頻繁に開催するようになっているんだな。
ロシアが中心となって進める「ユーラシア経済同盟」にベトナムを実質的に組み込もうという戦略に他ならないね。
アメリカや日本が進めているTPP(環太平洋経済連携協定)の先を行く、ロシア主導の経済自由貿易圏にベトナムを参入させようとしているわけさ。
日本もベトナムへは関心を寄せてはいるけど、ぶっちゃけ、動きが遅いね。
このままでは、大の親日国のベトナムを中国やロシアに持っていかれかねないな。
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2.原油価格を巡るサウジとロシアのせめぎ合い
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ぶっちゃけ、原油価格が底値をつけて上昇機運にあることはOPEC(石油輸出国機構)にとっては朗報だろうね。
日本のような資源輸入国にとっては、あまり嬉しいニュースではないけどね。
先にアルジェリアで開かれたOPECの臨時総会で、石油の減産について合意が得られたことが原油価格上昇の背景さ。
とはいえ、OPEC加盟国が各々どれだけ減産するかは11月30日に開かれる次のOPEC総会で決まることになっているんだ。
問題はすんなり各国の減産量が決まる保証が全くないということだね。
その後イスタンブールで非公式に開かれた産油国の会合では、非OPEC国の代表格ロシアの動きが足かせとなっていることが明らかになった模様さ。
OPECだけで減産を決めたとしても、ロシアのような産油大国がそれに合意しなければ、ロシアの一人勝ちとなってしまう。
加えて、イランやイラクといったOPECの加盟国でありながら、サウジアラビアと対立してきた国々が簡単に減産に応じるとも思えないしね。
同じことはベネズエラ、リビア、アルジェリア、エクアドルなどの中規模産油国の間でもありうることで、既にサウジ主導の減産に反発する声が上がっているよ。
OPEC内の足の乱れが11月末までに調整できるか、ぶっちゃけ、先行きは厳しいね。
第一、最大の産油量を誇るサウジとロシアがまともな話し合いの場についていないんだからね。
サウジの思惑を他所に、ロシアは自国の原油輸出を拡大し続けているんだぜ。
一時期サウジの提案に歩み寄りを見せたふりをしていたロシアだけど、実際には面従腹背で、自国の利益を強力に推し進めようとしているからね。
OPEC並びに非OPECの産油国が一堂に会するのはそれほど難しい話ではなさそうだけど、一同が合意できるような結論が得られるかどうかは、怪しい限りさ。
日本とすれば、そうした減産や価格を巡る争いに影響されないように、一刻も早く、グリーンなエネルギー開発に精力を投入すべきだね。
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