Vol.066 2017/08/18
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浜田かずゆき の
『ぶっちゃけ話はここだけで』
【今週の目次】
1.トランプ大統領が期待する金正恩との極秘交渉パイプ
2.支持率急落中のフランスのマクロン大統領
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1.トランプ大統領が期待する金正恩との極秘交渉パイプ
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ぶっちゃけ、強面のトランプ大統領もタジタジだ。
北朝鮮の金正恩との「言葉のミサイル」の応酬はあったものの、結局、「正恩氏は賢い」とツイッターで呟いて、当面は国内問題に集中することにした模様。
実は、北朝鮮にはアメリカ人が複数、拘束されている。
先般、昏睡状態で解放されたものの、帰国後、死亡した大学生オットー・ワーンビア君の他にも確認されているだけで3人いるとされる。
彼らを無事帰国させようと、トランプ政権はニューヨークの秘密交渉ルートを使って、解放を呼びかけると共に、核ミサイル問題についても妥協点を探っている。
表向きは外交チャンネルがないとされているが、どっこい「ディール」が得意のトランプ大統領は以前から水面下の交渉に活路を見出そうとしてきた。
トランプ氏の代理人は国務省で北朝鮮政策を担当するジョゼフ・ユン氏。
金正恩氏の代理人は国連に駐在するパク・ソンイル氏だ。
これまで数か月に渡り、密かに話し合いを続けている。
これまで国務省をあまり信頼、評価していない風なトランプ氏だが、大統領就任直後から極秘の対ピョンヤン交渉を指示していたわけだ。
この「ニューヨーク・チャンネル」はオバマ政権時代に北朝鮮への制裁が実施されたため、2016年に閉鎖されたもの。
その交渉チャンネルをトランプ氏は密かに復活させていたのである。
先に死亡したワーンビア君の解放に向けての交渉も、このルートが使われたという。
とはいえ、非常に残念な結果に終わったわけで、残る3人の釈放に向けて慎重な交渉が進められている。
実際、トランプ氏も休暇中のゴルフクラブでの記者会見で「常に北朝鮮との交渉に応じる用意がある」と、柔軟な姿勢に転じており、何らかの感触を得ているのかも知れない。
来る9月には日本から拉致被害者の会と超党派の拉致議連の代表がワシントンを訪問し、北朝鮮による拉致被害者の救出を訴える予定である。
ぶっちゃけ、日本政府の対応では何ら前進が期待できないからだ。
アメリカ政府は人道支援物資の中にさまざまな工夫を凝らし、北朝鮮内部の情報収集に当たっている。
また、ピョンヤンにアメリカ大使館はないものの、スウェーデン大使館がアメリカ政府の意向を受けて、極秘の交渉を請け負うという裏技も。
他にもヨーロッパ諸国の北朝鮮での外交、経済活動は活発化しており、日本の硬直化した北朝鮮政策とは大違いだ。
今こそ、「拉致問題の解決に政治生命を賭ける」と大見えを切った安倍総理の覚悟が問われるところだ。
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2.支持率急落中のフランスのマクロン大統領
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ぶっちゃけ、フランスで歴代最年少大統領になったマクロン氏が苦境に陥っている。
大統領選挙でも、その後の議会選挙でも、圧倒的な支持を得たはずなのに、ここにきて人気が急落。
当初は65%の高い支持率だったが、たった3か月で36%まで落ち込んでしまった。
この急落ぶりはトランプ大統領を上回るもの。
一体全体、何があったのか。
要は、若くしてエリート街道を邁進し、銀行家として成功したものの、人心掌握でつまずいてしまった、というよくある話。
選挙期間中の公約では「フランス国軍の予算を増やす。
強い軍隊を復活させる」と訴えた。
しかし、いざ大統領になると、EUの加盟条件となっている「財政赤字はGDPの3%以下に押さえる」という難題に直面。
この条件をクリアーするためには「国防予算の削減は致し方ない」と、軌道修正。
国防の最高責任者ドビリエ統合参謀総長は怒りと失望を表明し、
辞任するという騒動になってしてしまった。
ところが、マクロン氏は「大統領の意向に従わないような人物は要らない」とバッサリ。
これにはフランスの現役、退役を問わず軍の関係者が一斉に
猛反発。
ことの顛末を取材しようと殺到した内外の記者団に対して「取材は一切お断り」という対応ぶりで、マスコミまで敵に回すことに。
これに輪をかけたのが、25歳年上のファーストレディーとなったブリジットさんを巡る報酬問題。
マクロン氏は「妻は最高のアドバイザーだ。だからアドバイザー料を受け取ってもおかしくない」と、国家予算からブリジットさんに給与を支払う意向を表明。
これには更に大きな反発の狼煙が上がった。
瞬く間に、30万人を超える反対署名が集まったのである。
マクロン氏は財政赤字を減らすという目的で、学生や低所得者層への住宅補助や減税処置を次々とカット。
議員の秘書やスタッフにも親族は認めないとの法案が審議されている矢先に、自分の妻をアドバイザーとし、国から給与を払わせると言い出したマクロン氏。
国民やメディアの総スカンで、夫人への給与支払いは撤回したものの、選挙中の熱い支持は雲散霧消してしまった。
ぶっちゃけ、その前途が大いに危ぶまれている。
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