Vol.190 2020/06/05
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浜田かずゆき の
『ぶっちゃけ話はここだけで』
アイヌ文化を商売のネタにしようと目論む中国人ビジネスマン
ぶっちゃけ、中国人の商魂のたくましさには驚かされる。
今回、その標的にされたのは「アイヌ文化」である。
香港に隣接する深センといえば、中国のハイテク産業の中心地に他ならない。
その深センのビジネスマンが自社製のスマホやパソコンのマウスのブランド化を図るために「アイヌ」という商標登録を
日本の代理人を通じて申請したという。
その連絡が中国の商標登録事務所から日本の特許庁へ届いたわけだ。
最終的な決定はまだ下されていない。
しかし、なぜ中国製のスマホに日本の「アイヌ」という名前を付けようというのだろうか。
中国人にとっては「アイヌ」(愛奴)といってもピンとこないに違いない。
考えられる理由は、日本政府が進める「アイヌ文化振興策」に
一枚からもうという魂胆であろう。
というのは、近く北海道白老には「国立アイヌ民族博物館」や「民族共生公園」を有する「民族共生象徴空間(ウポポイ)」がオープンする。
日本政府の狙いは先住民族のアイヌに対する国民的な理解を深めさせることにある。
世界的に少数民族に関する問題が噴出するなか、わが国における代表的な少数民族に対する関心を高め、そうした取り組みを内外にアピールしようというわけだ。
昨年来、日本政府はアイヌ文化を保護、促進させるために財政支援を可能にする法案を相次いで成立させてきた。
こうした特定の少数民族への支援策はこれまで例を見ない。
これから内外でアイヌ文化に関する広報活動やイベントが展開される予定である。
おのずと、「アイヌ」という言葉が世上を賑わすことになるだろう。
そこを見越したのが中国人ビジネスマンである。
これまでも北海道は中国人観光客にとっては人気スポットであった。
そのため、中国人投資家は挙って道内の不動産を買い漁ってきたものだ。
ところが、新型コロナウィルスの影響で、人の往来は途切れてしまった。
そこで注目したのが、日本政府肝いりの「アイヌ文化振興策」というわけだ。
「アイヌ」の名前を冠したスマホやパソコンの周辺機器であれば、「ヒット商品間違いなし」なのか。
いやはや、思惑通り行くかどうかは、お手並み拝見。
いずれにせよ、こうした日本の国内動向については、日本人以上に情報収集のアンテナを張り巡らしているのが中国人である。
一方、中国にはチベットやウイグルなど少数民族を巡る問題が山積しているが、そうした状況を逆手にとってビジネスチャンスにしようと想像力を膨らませるような日本人は皆無であろう。
ぶっちゃけ、商売に関しては、中国人ほど貪欲な民族はいないのではないか。
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