ソムリエの追言 94
「コルクを抜くまでの保存方法や温度管理」
暑い時期は野菜、果物、魚、何でも冷蔵庫に入っていますよね。
保存には様々な方法がありますが、やはり冷蔵庫が何といっても
一番です。
いろんな方から何処のワインセラーが良いかと聞かれ、
いつも答えるのに苦しんでいます。
そもそもワインセラーは何故あんなに値段が高いのでしょうか?
韓国産、中国産の冷蔵庫が3~6万円。 日本の良い冷蔵庫でも7~20万円で買える時代に、標準的なものでも20万円、ちょっとしたものなら80万円します。
どうしてこんなに高いのでしょうか? 冷蔵庫よりも機能がちゃちいのに?
それは大量生産になっていないからです。
機能的には本来であれば冷蔵庫の5分の1程度の値段であるべきだと私は思います。 これらの事がワインをちょっと聞きかじった人によって混乱を招いています。
他の食べ物と大して変わりません。
真空にすれば酸化しません(短期であれば)。
光や乾燥しすぎる場所は避けましょう! これらは一般の食材と大して変わりません。
食材でも冷凍出来ない物もあります。
そうです。ワインは冷凍すると解凍後成分が分離してしまうので避けましょう!
冷やし過ぎると(5~7度)何が悪いのでしょうか?
ただ単に熟成しないだけです。
フランス人でワインセラーを持っている人達は皆無です。
でも冷蔵庫がいっぱいで入りきらないと聞こえて来そうですが、
その場合日当たりの無い涼しい所で保管して下さい。
その後いったん飲む前に冷蔵庫で冷やしてください。
これらは白も赤もスパークリングも一緒です。
我々が日常飲むワインは一般に1,500円~3,000円。冷蔵庫で十分です。
何万円あるいは何十万円もするワインは信用のおける業者に預けましょう!
スーパーでもデパートでもこれ見よがしに丁重に勿体付けて陳列している所が有りますが、 その陳列場所までの移動が結構いい加減だったりする場合があります。
ですのであれもはったりです。
皆さん難しく考えるのは止めて気軽に飲みましょう!
フランスでもこの30年ですよ。能書きを言っているのは。
それまではいい加減な扱いでした。
ましてやアメリカ、イタリア、スペインなんて30年前はワインの文化は無いに等しかったのです。
ワインは美味しいか不味いかしかありません。
あとはとって付けた能書きです。
もっと読みたい方は 下記に:
50年前のフランスでの話ですが、冬場、一軒家は暖炉、 ビルやアパルトマン(マンション)ではセントラルヒーティングが一般的でした。 セントラルヒーティングとはボイラー(薪や石炭で沸かした湯を 全室に送る)で各部屋を暖めるシステムです。
地下にあるボイラー室には当時の燃料であった薪や石炭が積んであり、 そこにワインも積んでおくのです。 ワインは年に1回展示会などで120本単位でまとめ買いをします。
この地下室が実はワインの保管に最適なのです。
地下なので年間通して温度差が少なく、小さな裸電球で薄暗く、 湿度は高め、振動もほとんど無い、とすべてにおいてワインの酸化を抑えて 熟成させる 条件が揃っていたのです。 こういった場所であればワインは横に寝かせ静かに熟成させると ワインとは こんなに美味しい物かと再確認できます。
最近はワインの保管といえば、日本ではワインセラーが主流になっていますが、 モーターや扉の開閉による振動と、透明扉であるためいつも明るくて ワインが冬眠できません。
なによりも生きたワインにとってワインセラーの空間は 窮屈すぎるのです。
2-3週間程度の保管ならともかく、 ずっと置いておいて美味しくなることはありません。 反って不味くなります。
よくレストランで透明ドアのワインセラーに高級ワインを詰め込んでいるのを 見かけますが、パフォーマンスのためでしょう。
よっぽど回転が良いならともかく、もったいないと思います。
とはいえこれはあくまでもデリケートな高級ワインあるいはヴィンテージもの といわれる古いワインのお話。 一般の5,000円以下、1995年以降のワインは冷蔵庫で十分です。 熟成はしませんが凍るほどでなければ5度前後でも大丈夫です。
また秋冬ならその辺の棚に置いておいても問題ありません。
ワインは室温程度なら平気です。
ボルドーより南の地域産なら30度ぐらいになっても大丈夫です。
ただし、急激な温度変化には弱い場合があります。
たとえば宅配便の配達員のかたが夏場玄関口に置きっぱなしにし、 14℃程度の保管が 日中30℃以上に一気に上がり、汗をかいて だめになるといった場合です。
通常召し上がる分には注意点はこのくらいで十分です。
まったく難しくない、というより「え?こんなものでいいの」 と思われたのではないでしょうか。 ところで長く暖かいところにあったワインは一旦寝かせた状態で冷やして 締めればよみがえる場合が結構あります。
ぜひお試し下さい。
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