┏◆◇━2019年7月━◇◆
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┃ 経営者のための 事業承継ミニ情報 ◇第40号◇
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┗◆◇━━━━━━━━━◆◇━辻・本郷 税理士法人━◇◆┛
会社の経営権である株式を、後継者にどう承継すれば良いのか?
その際に、どんな点に気を付ければ良いのか、
承継の際の税金について、どう取り扱えば良いのか?
そんな疑問の解決に役立つ情報を、毎月1回配信いたします。
このミニ情報をご覧いただき、円滑で、そして税務上も有利な事業承継対策を
実現していきましょう。
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本当にその事業承継対策は万全ですか?思わぬ落とし穴に注意!
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最近、新聞記事等で、「○○の創業家一族が株式の評価を巡って税務当局の指摘を受け、○億円申告漏れの指摘を受けた」という報道が見受けられます。
そもそも財産を隠しているような場合は論外ですが、税務調査では、未上場株式の評価方法を巡り、しばしば税務当局と納税者の間で争いが起きるケースがあります。
なぜ、このような事態が生じてしまうのでしょうか。
【1】未上場株式は原則として財産評価基本通達により評価する
相続税法では、相続や贈与により財産を取得した場合には、その財産を時価で評価して課税する旨が定められています。
具体的な時価の評価方法については、一部の財産を除き、財産評価基本通達に明記されています。
未上場株式(取引相場のない株式)の評価方法についても、評価通達178項以下で
詳細に定められていますが、抽象的で曖昧な要素を排除し、客観的に評価できるようにすることで、納税者が算定しやすく不公平感が出ないよう、かつ換金性のない未上場株式の時価をできるだけ合理的に算定できるよう、極めて具体的かつ複雑な評価方法が定められております。
よく「税法上の自社株の評価方法は何故こんなに複雑なのか?」と聞かれることがありますが、それはこのような事情によるためです。
【2】総則6項に注意
では、この複雑な評価方法を“逆手”にとって、評価通達上の評価額を意図的に著しく引き下げたものを時価であると主張することはできるのでしょうか?
答えは「NO!」です。評価通達6項で、評価通達による評価額が「著しく不適当」であると認められる場合には、国税庁長官の指示により評価することが定められているためです。この評価通達6項は、総則6項ともいわれ、税務調査時には税務当局の「伝家の宝刀」として機能する規定であると言われています。
冒頭の新聞報道等で取り上げられるような事案の多くも、この総則6項を根拠としたものであると言われています。
【3】「著しく不適当」である場合とは
具体的にどのような場合が「著しく不適当」であるとみなされるかについては、規定による明示がされておりません。そのため、過去の数多くの事例を基に、総合的に判断することが極めて重要となります。
とりわけ、近年は行き過ぎた節税スキームに対し税務当局も課税強化の傾向にあることから、今後もより一層の注意が必要です。
このように、せっかく事業承継対策が万全だと思っていても、税務調査で否認されてしまっては意味がありません。そのため、事業承継対策については、正しい知識をもった信頼できる専門家に相談をすることが極めて重要となります。
(担当:田崎 舞)
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