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        『コロナ後の世界経済』~ポスト資本主義の倫理、哲学の考究を
        中川十郎

        要点: コロナ後は格差拡大の資本主義維持、リモー
        トワークなどへの特化でなく、倫理、哲学に
        立脚した新世界経済再構築を目指すべきだ。

         

        著者紹介:名古屋市立大特任教授、国際アジア共同体学会学術顧問、北東アジア研究交流ネット幹事、日本ビジネスインテリジェンス協会長、大連外大客員教授、元東京経済大大学院教授、

         

                                         
        1.コロナ禍の現状

         6月23日の世界感染者は米ジョンズ・ホプキンス大学によれば188カ国・地域で900万人を突破。死者数は46万9000人に達した。世界で増加ペースが早まっている。
        このうち米国229万人、ブラジルが108万人を超え、この二か国で感染者は世界の約4割を占める。さらにロシアが59万人。インドが12万人だ。最近は世界の感染者数は1週間で100万人づつ増加。死者は46万人。うち米国12万人、ブラジル5万人。英国4.2万人が3傑だ。6月21日の感染者数は18万人強と単日で過去最大となった。
        外出自粛を解除した東京都でも毎日30人内外の感染が発生しており、予断を許さない。ワクチンの開発が待たれるところだが、開発には1~2年かかると見られ、東京オリンピックの開催も危ぶまれ始めている。
        WHOのテドロス事務局長は「すべての国が、社会・経済への被害を最小限に抑えつつ、人々を守るという微妙なバランスに直面している」と発言。

         

        2.世界経済の現状と見通し

         かかる状況下、世界銀行のコーゼ開発見通し局長は「世界の景気後退は深刻になりつつあり、世界経済が新型コロナウイルス感染拡大前の水準を回復するのは2022年ごろになる。第2次世界大戦以来の深刻な景気後退に陥るのは明らかで世界経済は20年は2.2%のマイナス成長予測だが、感染第2波が来ればマイナス8%程度に落ち込む。とくに南米やサハラ砂漠以南のアフリカ、南アジアでは深刻な感染拡大が続いているが21年は4.2%のプラス成長と予測。しかし21年末時点でも世界経済は危機前の水準には戻らず、回復は22年ごろになる。コロナ前の生活を取り戻すには、ワクチンの開発や治療法の確立が欠かせない。 
        日本の潜在成長率は低く20年に6.1%のマイナス。21年はプラス2.5%程度と予測。世界的には巨額の負債が残り、とくに途上国の債務は金融危機に発展する恐れがある。
        コロナ禍で失業者が増え、教育機会の損失で人的資本の毀損は潜在成長率を押し下げる。テクノロジーの活用でこれらの損失をどう埋めるかが重要だと警鐘を鳴らしている。
         一方、世銀は新興、途上国もマイナス2.5%と1960年以来60年ぶりに減少に転じると予測。ブラジルはマイナス8%、メキシコ7.5%、南ア7.1%、インド3.2%、タイ5%と軒並みマイナスに落ち込む。中国のみが、1%とわずかにプラスだ。
         一方、IMFは6月24日に世界経済見通し改定版を発表。2020年の成長率を4.9%減と下方修正した。世界の損失は20~21年の2年間で1300兆円に達すると試算。IMFは世界経済は『大封鎖』に陥り、大恐慌以来で最悪の景気後退となると試算している。
        日本は20年の成長率はマイナス5.8%と予測され、リーマンショック後の2009年のマイナス5.4%を超える景気悪化が見込まれる。米国は8.0%減と第二次世界大戦後の1946年の11.6%減以来74年ぶりの大幅なマイナスになる。英国のGDPは前年比10.2%減と予測。大寒波があった1709年の13.4%減以来、実に311年ぶりという記録的なマイナス成長だ。
         このように世界経済はコロナ禍の影響で、戦後最大の落ち込みで、その対応にはコロナ対策も含め、今後の世界のかってない国際協力が必要となるだろう。
         しかし2大経済大国の米中経済対決はトランプ大統領の異常な敵対意識もあり、激化の一途をたどっている。

         

        3.世界経済再構築戦略
         戦後最大の世界経済の危機を迎え、コロナ後の世界経済はAIやICT. IOT, 5G、Dataなどを活用したOn line のリモートワーク、在宅勤務、遠隔ビジネス、オンラインビジネス、教育、医療などの分野でデジタル・トランスフォーメーション(DX)革命がおこり、社会の大きなパラダイムシフトが急進展するとみられる。

         しかし、ここで肝心なのは金もうけ本位で、格差を拡大しつつある資本主義の延命のために、単なるDXデジタル技術、データ活用によるデジタル経済に転換する安易な対応ではだめだ。この千載一遇の機会に格差のない21世紀の新たなる万人の幸せを目指す新資本主義の構築に日本として尽力すべきだ。
        そのためには江戸時代の二宮尊徳の「農業思想」や、『南洲翁遺訓』で「敬天愛人」、「天から与えられた道を実践せよ」と喝破した西郷隆盛,『論語と算盤』の渋澤栄一の儒教の思想、「アジアは一つ」とアジアの結束を唱えた岡倉天心、禅の思想を喧伝した鈴木大拙、国際主義を早くから唱えた新渡戸稲造、平成に『社会的共通資本』、『人間の経済』などで「富を求めるのは道を開く為である」、「資本主義の暴走を止めよ」と喝破したノーベル経済学賞候補にもなった経済思想の巨人、宇沢弘文・東大名誉教授、ドイツ・ボン大学で活躍し、著書『世界史の針が巻き戻るとき』でAI, GAFAを強烈に批判し、経済に倫理、哲学を持ち込む「モラル企業」を主張しているマルクス・ガブリエル教授などの思想をポスト資本主義、ポストコロナ時代に今一度真剣に再検討すべきではないだろうか。 

         一方、地域的には、アジアに目を転じると、アジアの世紀に今後発展する中国、韓国、インド、インドネシアほかASEAN(東南アジア諸国連合)、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)諸国に日本が協力し、これら諸国とのアフターコロナへの対応に主導権を発揮すべきである。先般のRCEP会議では本年末までに参加国の同意を得て、RCEPを実現したいとのコンセンサスがまとまった由。しかしこの地域における有力国インドが中國との関係もありRCEPへの参加を辞退し、RCEPの前途に暗雲を齎していることは問題である。インドの参加なしにはRCEPも片肺飛行同然である。日本が率先してRCEP実現のためにインドが再加入するように尽力すべきである。
        日本はさらにASEANやRCEP関係国と協力し、経済、環境、防災協力に加え、コロナ対策、医療協力を強化することが肝心だ。
         米国トランプ大統領は極端な「アメリカ・ファースト」政策をとり、欧米では自国中心主義が蔓延している。之まで結束を固めていたEUは英国のBREXIT,ハンガリーをはじめとする東欧諸国が右傾化し、欧米では分断が進みつつある。
         今こそ世界経済は21世紀に発展が予想されるアジアへの回帰が現実化しつつある。かかるアジアの時代の趨勢を見据えて、日本が率先して日中韓の三国協力をさらに強化し、中國がユーラシアを中心に展開しつつある遠大な物流、広域経済圏構想「一帯一路」、および、この構想への融資、投資を目指すAIIB(アジアインフラ投資銀行)などへの参加を、ポストコロナ戦略として真剣に検討することが日本の未来戦略として重要である。
         あわせ日本としては今後、グローバルなビジネス展開を図るとともに、ポストコロナ対策として日本国内での内需拡大戦略に注力することが肝要であると考える。

         

        以上

        制作協力企業

        • ACデザイン
        • 日本クラシックソムリエ協会
        • 草隆社
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