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        ソムリエの追言 ⑮
        
        「ヴィンテージについて 同じ畑で同じ造り方なのに・・・毎年味が違うのか?」 
        ________________________________________
        「酔っぱらいよ。目をさまして、泣け。すべてぶどう酒を飲む者よ。泣きわめけ。 甘いぶどう酒があなたがたの口から断たれたからだ」
        
        「かみつくイナゴが残した物は、イナゴが食い、イナゴが残した物は、バッタが食い、 バッタが残した物は、食い荒らすイナゴが食った。」 
        ヨエル書1-3章 「主の日」より。
        

         
         
        ボルドーのヴィンテージ・チャートをさかのぼって見ていると、 まさにこんな聖書のような出来事が発見できました。 1946年 ボルドーの畑はイナゴの襲来を受けて大打撃を受けました。
        天候不良の悪いヴィンテージは、たまに聞きますが、これはビックリです。 
        前年の1945年は、世界大戦終戦の年で、天の賜りものと称されるほどの 偉大な ヴィンテージでした。20世紀でも最高のヴィンテージの一つです。 ただし、戦争の影響があって、収穫量は少なかったようです。 
        
        こんな、極端な例はさておき、 ワインのヴィンテージというのは、
        同じ畑で同じ造り方をしているのに、年ごとにそんなに味が違うのでしょうか?
        

         
          
        

         
        
         
        ブドウの収穫は、過去の実績もありますが、糖度、酸度、果実の重さを測定して決まります。
        なので、毎年収穫日が違う。 ボルドーなどは、県知事が許可日を発令します。 つまりは、成熟の度合いが違うということ。 植物の1年は、同じ繰り返しでありながら 太陽の日照量によって、サイクルのスピードが替わるのですから。
        
        生成される成分も成熟度合いによって異なり、出来るワインも異なってきます。 熟して、糖度が高くなれば、それだけアルコール度数の高いワインが。 一方、熟せば熟すほど、酸味が減っていきます。 
        
        若木と古木のつける実も、根の深さなどの影響で違うといわれています。 
        ブドウの樹も、人間と同じように歳を重ねていくわけです。
        
        忘れがちですが、ワインはブドウそのものから出来る農産物なのです。 ですから、 「二度と同じワインはつくれない」と造り手はいいます。 一方で、 「あの年に似ているから、こう造ったが、もっと違うやり方 があったのではないか・・・」 教訓や経験上の対応、そして、新しい技術の導入。 常に、より良い方法はないかと、模索しているわけです。 
        こうしたことで、毎年違った味わいのワインが出来上がります。
        
        

         
        ただし、「ヴィンテージなんかどうだっていい」と著名なワイン評論家の ヒュー・ジョンソンが2007年に問題発言(?)しています。 長年、ワインのガイドブックを執筆し、個々のワインの紹介、 ヴィンテージの紹介をしてきた人物です。
        

         
        彼いわく、栽培技術の進歩により ある程度の天候不良や病虫害に対してブドウが 大きなダメージを受けたりすることはなくなっている。 という意味合いを、大げさに(?)に発言していると思われます。 そして、それを補う醸造技術もあるわけです。 
        
        そう考えると、例えば2006年、2007年、2008年の差は さほどないように思えます。
         
        確かに、近いビンテージを同時に比べて飲んでみてやっと判る味わいもあります。 
        しかし、一番の違いは、良い年と悪い年の差における「熟成」でしょうか。
        良い年と悪い年の差は一言で表せば、味わいの濃淡(のうたん)。 味の系統は同じで、良い年は濃厚、悪い年は淡い。 良い年は成分が濃厚なため、酸化に対して強く、ゆっくりと熟成していく。 対して悪い年は、成分も淡いので、酸化に対して強くなく、 熟成のスピードがより速い。
        
        はじめに差がないと思われた味わいも、時間の経過で熟成の差がつきます。 
        熟成した段階では、味わいの差は歴然です。 
        
        この点をうまく利用すれば、悪い年「オフ・ヴィンテージ」で、早く熟成した旨味のある ワインを楽しめるわけです。 先の3つのヴィンテージなら、2006年よりも2007年が早く熟成するでしょうか。
          
        結局、ワインが市場に出た時点では、 昔ほどヴィンテージの差がなくなってきているというのが現状です。 
        

         
        
        
        そればかりか、栽培技術・醸造(じょうぞう)技術の進歩もさることながら、 「売れる」ワインつくりを目指すことから、最近は 似ているワインが多くなってきているともいわれています。 
        
        でも、よく見れば、必ず味の違いはあるわけで、その違いは マニアックなワイン通にとって興味深いところでもあります。 そして、ワインにそれほど詳しくない人にとっては、 買ったワインがいつも味わいが安定しているほうが、安心できるのかもしれません。
        
        ワインが農産物から、加工農産物に変わってきているのかも知れません。
         
        

        【 道上 雄峰 】
        幼年時代フランス・ボルドーで育つ。 
        当時日本のワインが余りにもコストパフォーマンスが悪く憤りを感じ、自身での輸入販売を開始。
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