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        ソムリエの追言 ㉑
        「知ってるようで意外と知らない!?ワインにぴったり合う料理 ~中華料理編~」 
        ________________________________________
        
        道上曰く、「35年前の香港富裕層達の多くが、コニャックを飲みながら高級中華を食べていた。」 これが当時の中国人には最高の贅沢であり、接待の常識だったそうです。
        昨今、それがほとんどすべてワインに変わっているようです。
        
        中国ではワインの事を「葡萄酒(ぷーだおじょう)」と呼び、消費されるワインのほとんどは色の濃いボルドータイプの赤ワインです。 最近では富裕層に限らず一般の人々でも、紹興酒ではなく自由にワインと料理を組み合わせて、その相性を楽しんでいるようです。 
        

         
        そこで今回は、中華とワインの組合せについて考えてみたいと思います。 総じて、とろみのある料理には蒸留酒よりもワインなどの醸造酒の方が合うと思います。とは言え、量を食べる事が多い中華料理では、ビールだと胃が張ってしまい、たくさん食べられません。 
        
        紹興酒ももちろん良いのですが、ワインがもたらす料理との相乗効果、奥深い味わいは紹興酒にはない、ワインだからこそ出来る作用です。
        
        中華料理は基本的に油をたくさん使うので、ワインに含まれる多様な酸やポリフェノールがそれを和らげ、次の一口をより美味しくしてくれるのです。
        
        
        チンゲン菜や空心菜など葉野菜を油で炒め、素材を活かしたシンプルな上海料理には、グラッシーと表現される若々しい青草、ハーブのようなニュアンスを持ったソーヴィニヨン・ブランがよく合います。
        

         
        さらに、柑橘類を搾ったような爽やかな酸味がワインにのっていれば、料理の味わいをより一層引き立ててくれるでしょう。 こういう野菜料理には、是非【シャトー・ラモット 2015年】を合わせてみてください。
        
        同じ野菜でも広東料理に代表されるしっかりした味付けととろみをもった料理、たとえば八宝菜などは、ふくよかな樽の風味を利かせた白ワインが合ってきます。
        

         
        木樽の香ばしさが野菜の旨みと合わさってエレガントな余韻を感じさせてくれるので、こういう料理には樽香豊かな【キュベ・スペシャルL 2014年】がお薦めです。
        
        ブルゴーニュのシャルドネも果実味が豊かで、樽香やバターのような香りが感じられるものは特によく合います。 
        
        定番のマーボー豆腐や海老チリ、坦々麺などの四川料理は、中華の中でも特に脂っこく辛い、そして塩っぱいのが特長です。こうした刺激の強い料理には【ロゼ・ダンジュー】(MICHIGAMIワインではありませんが・・)のようなロワールの甘口ロゼワインが一番合わせやすいと言われていますが辛口のシャトー・ラモット・ロゼ2014年は、辛い料理との相性をかなり楽しめます。
        
        フランスではロゼ・ダンジューが安いテーブルワインのように親しまれているワインです。通常はよく冷やして飲むのですが、四川料理と合わせる時には、少し高めの温度でワインのボリューム感を高めた方が、料理とのバランスが釣り合います。
        しかしながらこのロゼは甘くてあまり美味しくはありません。
        ただ四川のように辛く脂身の多い料理には甘口が合います。
        (道上曰く) 
        
        辛い料理に対してワインを冷やしすぎると口の中で辛みが強く広がってしまい、繊細なワインの風味をいまいち楽しめないのです。ボルドーやシャンパーニュと比べると安価で、手に入りやすいのもポイントの一つです。ただこれも好みで冷やして飲むのも結構だと思います。
        
        そして、【シャトー・ラモット・ロゼ 2014年】は、トマトやピーマンのような野菜の香りと、高いミネラル感に溢れているので、チンジャオロースやホイコーローとの相性が抜きん出ています。ロゼのやさしいタンニンが、脂っこさや濃い味付けをさらっと流して口の中をすっきりと引締めてくれるのです。 
        

         
        
        中華の代表的な調味料オイスターソースを使った肉料理には、熟成を経て複雑な土の香りが感じられるボルドーの赤ワインが本当によく合います。オイスターの枯葉や湿った土の香りと味わいはボルドーの、特にメルローを多く使用した赤ワインとの相性が抜群です。
        
        樽香の強いタイプのワインには、「鶏肉とカシューナッツの炒め物」のような、木の芽を使った料理との相性も楽しめますね。 
        北京ダックに使われるテンメン醤(中国で使われる甘辛い味噌)を使った肉料理には、熟成によって複雑な甘味と力強い味わいを兼ね備えたボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨンが最高です。ここはやはり、【ジョンカード赤ラベル 2001年】でしょう。 
         
        

        料理の東西を問わず、脂身のしっかりとした肉料理には、どっしりとしたフルボディーの赤ワインがないと食が進みませんからね。 
        
        道上曰く、「世界中、特にヨーロッパでは中華料理といえばワインが当たり前」との事ですが、日本では高級中華料理店を除いて、中華のお店でワインを飲んでいる方はほとんど見かけません。
        中華は紹興酒で食べたいと思ってもフランスにはろくな紹興酒が置いてなかったりする、なぜならワインに負けてしまっているから。それも「超」がつくような格式の高いお店では、1本何十万円もするようなボルドーの格付けワインを扱っていますが、デリケートな
        年代物の高級ワインが中華料理と合うとは思えません。 
        
        そもそも日本では、未だワインを用意しているお店自体が少ないというのが現状です。
        
        仮にワインを置いていたとしても、凡庸なワインに対してですら、目玉が飛び出すほど高い値段が付いていたりするので、こうした
        現状を見るにつけ日本では中華料理とワインがまだまだ一般的ではないのだと痛感します。私はむしろ、気軽にワインが飲めない中華料理屋さんなんて行きたくないのですが。 
        
        特に中華料理は大人数で食べる機会が多いので、ワインも様々な物を注文して料理と合わせられれば嬉しいですね。小人数で一種類のワインなら、ボルドーの赤があればOKです。
        
        
         
        

        【 道上 雄峰 】
        幼年時代フランス・ボルドーで育つ。 
        当時日本のワインが余りにもコストパフォーマンスが悪く憤りを感じ、自身での輸入販売を開始。
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