┌┬───────────────────────────2018年2月
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│└┼┐ 資産家のための資産税ニュース 第74号
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└──┴┴────── 辻・本郷 税理士法人 http://www.ht-tax.or.jp/
辻・本郷 税理士法人の資産税の専門家が
相続・贈与税、資産にかかわる最新の情報をお届けする
「資産家のための資産税ニュース」 毎月15日配信です。
(※15日が休日の際は、前営業日に配信いたします)
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■□ 海外移住の最前線 ■□
~日本の相続税はどこまで追いかけてくる?~
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日本の相続税は、最高税率55%へ引き上げや基礎控除の引き下げ(いずれも
平成27年から)など、増税の方向にあります。
日本の相続税は高いから相続税のない国へ行けば、万が一のことがあっても税金の心配はないのでは…と考える方もいらっしゃるかと思います。
今回は、現在の海外居住に対する課税について確認します。
【1.アメリカで生まれた孫に贈与したら・・・】
以下の場合、贈与財産に対して日本の贈与税がかかるでしょうか?
贈与者(あげる人):祖父(日本人・日本居住)
受贈者(もらう人):孫 (外国籍・海外在住)
贈与財産 :海外の預金
正解は、贈与税がかかります(平成25年税制改正)。
例えば、日本に住む祖父がアメリカに口座をつくり、アメリカで生まれた孫に
その預金を生前贈与した場合であっても、孫は日本で贈与税を申告・納税する必要があります。
【2.親子で5年を超えて海外に住めば・・・】
以下の場合、相続財産に対して日本の相続税がかかるでしょうか?
被相続人:父(日本人・海外に6年間在住)
相続人 :子(日本人・海外に6年間在住)
相続財産:海外の預金、不動産
正解は、相続税がかかります(平成29年税制改正)。
改正前は、親子ともに5年を超えて海外に住んでいれば、海外にある財産は相続税の対象から外れておりましたが、改正後は、対象外となる居住期間が5年から10年に伸びております。
【3.子がアメリカ国籍・在住なので、頑張ってアメリカに住んでみたけれども・・・】
以下の場合、贈与財産に対して日本の贈与税がかかるでしょうか?
贈与者 :父(日本人・海外に1年間在住)
受贈者 :子(外国籍・海外在住)
贈与財産:海外の預金
正解は、贈与税がかかります(平成29年税制改正)。
上記ケース1との違いは、父も1年間海外に住んでいるという点です。改正前は、もらう人が外国籍・海外在住の場合、あげる人が海外移住をすれば、海外の財産は課税対象外でしたが、改正後は課税対象となりました。
【4.まとめ】
上記の通り、昨今の税制改正により、海外居住者に対する課税の範囲が広がってきました。
さらに、国外転出時課税制度、国外財産調書制度など、国外財産等に対する課税強化が進んでおります。今の税制では、夢の海外移住?するには相当の覚悟が必要です。
(担当:税理士 伊藤 健司)
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