┌┬───────────────────────────2018年1月
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│└┼┐ 資産家のための資産税ニュース 第73号
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■□ 家族信託も悩ましい ■□
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最近、家族信託(民事信託)を利用した資産の承継について、新聞・雑誌等でも
取り上げられており、ご興味をお持ちの方も多いかと思います。
今回は、家族信託を検討していくにあたって困った、悩ましい事例を3点ご紹介します。
【1.認知症になったら信託できません】
「親の認知症リスクに備えて、信託により子供名義に財産を移したい」
といったご相談が、特にお子様側から多く寄せられます。
認知症になってしまったら、不動産の売却や有効活用も思うようにできなくなるからです。
ただし、親から子へ信託するためには、二人による信託契約(原則は公正証書で作成)が必要で、認知症になってしまったら、そもそもこの信託契約ができません。ぜひ早めにご相談ください。
【2.受託者のなり手がいない】
家族信託においては、信頼できる親族等に財産を託し、管理運用してもらうため、受託者を誰か決めなくてはなりません。
ところが、親族内に適当な受託者がいない、いるけれども任せるのは不安、といったことがよくあります。
さらに、個人の受託者には相続の可能性がありますので、後継の受託者候補まで想定するとなると、まさに人材難です。
「では法人には相続がないので、合同会社や一般社団法人を作って受託者にしたら?」との話も挙がりますが、法人の株主や社員を誰にするのかといった問題もあり、家族信託は受託者探しから、と言っても過言ではありません。
【3.受益者連続型信託なら万全?】
長男の嫁との不仲が原因で、「自分が死んだら長男へ、長男が死んだら長男の長男(孫)へ財産を引き継がせたい」といったニーズがあります。ご本人と長男が遺言を書けば実現できますが、遺言は書き換えもできるため、確実な承継が可能とはいえません。
そこで受益者連続型信託という仕組みを使えば、本人の意思で「本人→長男→孫」と確実に承継させることができるのです。
ところが、バラ色のような方法ですが、具体的に話を詰めていく過程で躊躇される方が多いのも事実です。長男から孫への承継はかなり先の話ですし、「嫁外し」が信託契約書に残ってしまう
(不動産の場合には信託目録として登記されます)など、確実な承継のためには悩みが尽きません。
(担当:税理士 鈴木淳)
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