┌┬───────────────────────────2020年7月
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│└┼┐ 資産家のための資産税ニュース 第103号
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■□ 自筆証書遺言もデジタル化! ■□
~令和2年7月10日から自筆証書遺言の保管制度が開始~
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令和2年7月10日(金)から、法務局による自筆証書遺言の保管制度が開始されました。
今までは自筆証書遺言のデメリットとして、「紛失する可能性があること」や
「相続発生後に裁判所で検認を受ける必要があること」があげられておりましたが、保管制度によりそのデメリットが解消されます。
また、保管制度独自の「通知」という仕組みについてもご紹介します。
【1.制度の概要】
自筆証書遺言とは、遺言者がご自身の死後における財産の行き先などを、自書で
書面化(財産目録は自書でなくても可)して、ご自身で保管するものです。よって、
自筆証書遺言は他人の目に触れることが少ないこともあり、紛失、改ざん等の可能性や死後に検認を受けないといった事例が多くありました。
今回の保管制度は、自筆証書遺言を法務局で預かってもらえるため、紛失や改ざん
等のリスクはなく、相続後の検認も不要となるため、従前のデメリットは解消されると考えられます。また、遺言書はデータ化され、遺言者は全国どこでもモニターによる閲覧をすることが可能です。
【2.手続きと費用】
手続きの流れは下記のとおりです。
(1) 自書で遺言を作成する。
(2) 遺言を保管する保管所を決めます。保管できる場所は、遺言者の住所地、
遺言者の本籍地、遺言者の所有する不動産の所在地のいずれかを管轄する
保管所となります。
(3) 保管所に申請の予約をする。
(4) 申請書等の一定の書類を準備して、予約日に指定の保管所で手続きをする。
申請の手数料は1件につき3,900円です。
【3.通知】
自筆証書遺言も公正証書遺言も、遺言者がその存在を誰にも知らせていない場合などには、誰にも気付かれないという可能性も考えられますが、今回の保管制度には「通知」という仕組みがあります。通知には「関係遺言書保管通知」と「死亡時の通知」の2種類があります。
「関係遺言書保管通知」とは、
遺言者の死亡後、相続人の誰かが閲覧等をした場合に遺言書保管官が他の
相続人等にその存在を通知するという内容です。つまり、この通知が実施されるためには、相続人等が遺言の存在を知っている必要があり、遺言者の死亡後に
閲覧等をする必要があります。
「死亡時の通知」とは、
上記「関係遺言書保管通知」を補完するための仕組みです。
内容は、遺言保管官が遺言者の死亡の事実を把握することが可能となる仕組みにより、遺言保管官がその死亡の事実を確認した場合には、遺言者があらかじめ指定した相続人等に対して遺言の存在を通知する仕組みとなっております。
この「死亡時の通知」は令和3年以降に本格的に運用されるということです。
この通知は公正証書遺言にはない仕組みですので、遺言者が生前に遺言の存在を知られたくないような場合には有効と考えられます。
【参考】法務省HP 法務局における自筆証書遺言保管制度について
(担当:税理士 伊藤 健司)
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