┏◆◇━2017年3月━◇◆
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┃ 経営者のための 事業承継ミニ情報 ◇第16号◇
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┗◆◇━━━━━━━━━◆◇━辻・本郷 税理士法人━◇◆┛
会社の経営権である株式を、後継者にどう承継すれば良いのか?
その際に、どんな点に気を付ければ良いのか、
承継の際の税金について、どう取り扱えば良いのか?
そんな疑問の解決に役立つ情報を、毎月1回、25日に配信いたします。
(※25日が休日の際は、前営業日に配信いたします)
このミニ情報をご覧いただき、円滑で、そして税務上も有利な事業承継対策を
実現していきましょう。
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自社株式を売却または贈与をした場合の税金および納税時期について
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昨年、事業承継対策で自社株式を後継者様に売却または贈与したオーナー様は、
既に確定申告がお済みのことと思います。昨年に引き続き、自社株式の異動を検討されているオーナー様、今年初めて異動を検討されているオーナー様は、自社株式を売却または贈与した場合の税金および納付時期について改めて確認することが必要です。
特に、自社株式を売却した場合、給与収入や配当収入と違い、源泉徴収はされないため、確定申告によって高額な納税が発生する可能性がある点に留意が必要です。
【1】自社株式の売却
自社株式を売却した場合、給与所得や不動産所得のような累進課税(最高税率55.945%)ではなく、20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の分離課税となります。
比較的有利な課税関係となりますが、売却代金の受取り時に源泉徴収は行われないため、確定申告時に高額な納税が発生することが想定されます。
また、住民税は別途、住所地の自治体から確定申告を行った年の6月頃に送付されてくる納付書によって納税する必要があり、所得税を納税したからといって安心できない点に留意が必要です。
【2】自社株式の贈与
自社株式を贈与した場合、贈与を受けた後継者様が確定申告および納税を行う必要があります。
贈与を受けた株式の評価額に対して累進課税(最高55%)となっているため、計画的な贈与を行わないと、納税額が割高となってしまう点に留意が必要です。
また、直系尊属(祖父母や父母など)から、その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)に贈与する場合は、優遇された税率(特例税率)が適用されます。
上記にかかわらず、110万円以下の贈与であれば、非課税となりますので確定申告も不要になります。
その他、相続時精算課税制度(60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子または孫に対し、贈与を行った場合に選択できる制度)を利用した場合、2,500万円まで非課税で贈与ができ、2,500万円を超えた場合でも一定税率(20%)で課税されるため、贈与税額は低く抑えることが可能となります。ただし、当該制度を利用した場合、同じ贈与者から贈与を受けた際は暦年贈与(毎年110万円の非課税枠)を選択できない点や、相続時に相続財産として相続税を計算しなおすため、追加の納税が発生(既に納付した贈与税は控除される)する可能性がある点に
留意が必要です。
事業承継対策で行った自社株式の売却または贈与を忘れずに申告することは勿論大切ですが、売却または贈与を行ってから納税まで相当期間経過するケースも多いため、納税についても計画的に準備することが大切になります。
詳しくは、下記弊社担当までご連絡ください。
(担当:長谷川智史)
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