┏◆◇━2016年10月━◇◆
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┃ 経営者のための 事業承継ミニ情報 ◇第12号◇
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会社の経営権である株式を、後継者にどう承継すれば良いのか?
その際に、どんな点に気を付ければ良いのか、
承継の際の税金について、どう取り扱えば良いのか?
このミニ情報をご覧いただき、円滑で、そして税務上も有利な事業承継対策を
実現していきましょう。
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自社株を後継者に承継する際に、遺留分の配慮を!
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円滑な事業承継を行うために、後継者にはできるだけ多くの議決権を確保することが
重要です。そのために、生前贈与や遺言により、例えば長男である後継者に自社株の全部を
渡したところ、後継者ではない次男から、遺留分の減殺請求をされる可能性があることを
ご存知でしょうか。
【1】遺留分とは
(1) 遺留分とは、相続財産を確保できる最低限の割合をいいます。
民法上、一定の相続人には、法定相続分の1/2(直系尊属のみが相続人の場合
1/3)は、財産を取り戻すことを請求する権利を持っています。
(2) 遺留分算定の基礎となる財産は、相続時の財産に、過去に生前贈与した財産
を加算し、そこから債務を控除します。
このときに持ち戻される贈与財産は、相続時の価額となります。
【2】事業承継における遺留分対策
後継者以外の相続人が、経営者の生前のうちに遺留分を放棄することにより、
後継者以外の相続人への自社株や事業用財産の分散を防止することができます。しかし、遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を得る必要があり、実際上は利用しにくくなっています。
そこで、平成21年に施行された「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」では、次のような特例が定められています。
(1) 固定合意
後継者が贈与により取得した自社株について、遺留分算定の財産に算入する価額を予め固定することができます。
(2) 除外合意
後継者が贈与により取得した自社株について、遺留分対象から除外すること
ができます。
上記の特例により、後継者の努力で自社株の評価を上昇させても、その上昇分
は遺留分に影響されないため、後継者は安心して経営に専念できます。
【3】民法の改正案
平成28年6月21日に、「民法等の改正に関する中間試案」が公表されました。
遺留分算定の基礎となる財産について、相続人に対する贈与は、相続開始前の
一定期間
(例えば5年間)に限定する、といった提案がされています。
この改正が実現すれば、早期に自社株を後継者に贈与することにより、遺留分を気にせずに事業承継ができます。
今後の動向に注目です!
詳しくは、下記弊社担当までお問い合わせください。
(担当:関口 恒司)
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