┏◆◇━2016年4月━◇◆
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┃ 経営者のための 事業承継ミニ情報 ◇第6号◇
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┗◆◇━━━━━━━━━◆◇━辻・本郷 税理士法人━◇◆┛
会社の経営権である株式を、後継者にどう承継すれば良いのか?
その際に、どんな点に気を付ければ良いのか、
承継の際の税金について、どう取り扱えば良いのか?
このミニ情報をご覧いただき、円滑で、そして税務上も有利な
事業承継対策を実現していきましょう。
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業績不振の子会社に対する貸付金はありませんか?
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オーナー様の会社が、業績不振の子会社に対して多額の貸付をしている
場合には、オーナー様の会社の株価が高止まりし、自社株の評価額が
割高になる可能性がありますので、早急に対処することをおすすめいたします。
【1】 対処が必要な貸付金とは?
子会社に対する貸付金は全て対処が必要というわけではありません。
例えば、過去に業績不振の子会社が金融機関借入の返済に行き詰った際に、
オーナー様の会社(親会社)が返済資金を立て替えたことにより生じた
子会社貸付金などのように、返済見込みの低いものが対象になります。
【2】 返済見込みの低い子会社貸付金をそのままにするデメリット
自社株の評価上、債権の評価額は、法的整理が開始されているなど
特段の事情がない限り、債権金額そのもので評価されます。
例えば業績不振の子会社に対する回収見込みの不明な貸付金が3億円あり、
正味の純資産は、簿価5億円から3億円を差し引いた2億円であっても、
自社株評価上の純資産は5億円としてオーナー様の会社の株価が評価されます。
この実態にそぐわない評価額は、生前の株式承継の障壁や、オーナー様に
万一のことがあった際に、多額の贈与税や相続税が発生する原因になる
可能性があります。
よって、早急に対処する必要があるのです。
【3】 業績不振の子会社に対する貸付金への対処方法
対処法については、
1) 子会社の清算(特別清算を含む)
2) 債権放棄
3) 債権から出資への切り替え(いわゆる、デット・エクイティ・スワップ)
など、様々な手法が考えられますが、その有利不利については、子会社への
出資比率や繰越欠損金の有無などによって会社様ごとに異なるため、
慎重に検討する必要があります。
また、対処法によっては、単年度損益が悪化することもありますので、
公共工事の受注の多い建設会社様など、最終損益は毎期黒字が必達、という
ご事情がある場合には特にご留意ください。
(担当:佐藤 正太)
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