┌┬───────────────────────────2015年10月
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│└┼┐ 資産家のための資産税ニュース 第46号
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「資産家のための資産税ニュース」
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■□ 会社承継の難しさを解消!?~自社株の民事信託の活用~ ■□
このコラムは60秒で読めます。
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【1. なぜ会社の承継は難しいのか?】
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
会社を承継する後継者はすでに決まっていて、オーナーご自身は代表取締役社長を
後継者に譲り会長職等に就き、あとは税金コストをなるべく少なくするため、
役員退職金等で株価が一時的に下がったタイミングで後継者に自社株を譲るだけといった段階です。
しかし、いざ自社株の評価が下がったのにもかかわらず、なかなか自社株を後継者に譲るという決断ができないケースです。
自社株(議決権)を譲ってしまうと、「後継者はまだ若いから暴走するかもしれない。」
「後継者である子が先に亡くなると子の配偶者に渡ってしまうかもしれない。」
「何よりも、自社株まで手放してしまうとすべて失ったようでオーナーご自身が寂しい。」
などの理由からくるものです。
理屈では分かっていてもなかなか踏み切れないというケースが少なくないのです。
結局、決心がつかず好機を逃してしまい、このままですと後で後継者である子を中心に、ご家族が将来高い相続税を負担することになってしまいます。
【2. 民事信託とは】
信託とは、簡単にいうと財産の管理・運用・処分を信頼できる人にまかせて、そこから生まれる利益をある人に与える制度です。
このとき財産を託す人が「委託者」、財産を託される人が「受託者」、託された財産から生まれた利益を得る人が「受益者」となります。
民事信託とはこれを家族(同族)間等で行うものです。
例えば、収益不動産の活用を例にとりますと、所有者である父が、将来認知症等で意思能力がなくなったときなどを想定して、元気なうちに不動産管理に必要な契約等を子に任せることができます。このとき、所有者である父が委託者兼受益者、管理を任せる子を受託者としておくことにより、父の意思能力がなくなった後でも、受託者が不動産の名義人となり、管理に必要な契約行為等を行うことができます。
受益者は父のままなので家賃収入等は父に帰属します。
【3. 自社株の民事信託の活用】
自社株についても、この「民事信託」を活用するケースが増えてきています。
オーナーである父が委託者かつ自らが受託者となり、配当金等の分配を受ける受益者を後継者である子とすることにより、父は議決権を自ら引き続き行使することができます。
一方で後継者を受益者としていますので、実質的な財産の所有者は後継者であり、この段階で後継者に贈与税が課税されます。このとき株価が低いタイミングで信託が設定されると、後継者の贈与税の負担を低く抑えることが可能で、税コストを抑えることができます。
これで先述の悩みを解決することができます。
そのほか様々な要望についても信託は柔軟に設定することがメリットの一つで、
様々な悩みを解決してくれます。ぜひ一度弊社までご相談下さい。
(担当:税理士 松浦 真義)
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