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        ┌┬───────────────────────────2016年7月

        ├┼┐

        │└┼┐  資産家のための資産税ニュース 第55号

        │ └┼┐

        └──┴┴────── 辻・本郷 税理士法人 http://www.ht-tax.or.jp/

         

        辻・本郷 税理士法人の資産税の専門家が

        相続・贈与税、資産にかかわる最新の情報をお届けする

        「資産家のための資産税ニュース」

         

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        ■□ 出国税は社長の税金!? ■□

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        【1.3つのキーワード】

         

        出国税は

        ・対象となる財産は「有価証券等1億円以上」であり

        ・対象者は「国外転出した人」、

        ・そして、「有価証券等を移転する人」が対象です。

        この「有価証券の移転」には相続が起こった時にも、また贈与の時にも

        有価証券という財産が移動しますので、この出国税の対象となります。

        さらにこの転出という概念も幅広い概念で、たとえば海外転勤だけでなく

        長期出張、さらに留学も入ります。

         

        【2.ターゲットは中小企業オーナーか】

        少しでも業績の良い中小企業のオーナーの株式はすぐに1億円以上となります。

        また、MBAブームが下火になったとはいえ、「海外に留学する」子供はまだいます。

        さらにその留学中に「オーナー」に相続が起きて、留学中の子供が後継者であれば、通常その株式を相続します。そこに出国税の課税が起こるのです。

         

        【3.果たして可能か、相続後4ヶ月以内の申告】

        次のようなケースを考えてみましょう。

        ◯父親に相続開始

        ◯相続財産は自社株2億、預金1億円

        ◯相続人は長男(日本居住者)と次男(米国勤務)の二人。

        ◯相続人の間で遺産分割がなかなかまとまらない。

        ◯相続開始から4ヶ月以内に出国税の準確定申告を出していない。

        ◯相続開始から8ヶ月後に遺産分割が決まり長男自社株2億円相続、

        次男預金1億円で遺産分割協議終了。

        ◯そのまま相続税の申告を行う。

        ◯相続税の申告から1年たって相続税の調査も無さそうだ。めでたし、めでたし。

        ・・・・・・・・・ではないのです。

        この場合に結果として海外にいる次男が自社株を相続しなかった場合でも、

        出国税の準確定申告と納税を行う必要があります。そしてその出国税の納税義務は、遺産分割が終了した時から「4ヶ月以内」に更正の請求をして初めて納税義務が無くなるのです。

        ですからこのケースは出国税の「本税」と「附帯税」の義務は残ってしまうのです。

        このように出国税はなかなか曲者の税金です。

        (担当:税理士 木村 信夫)

         

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