┌┬───────────────────────────2016年11月
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│└┼┐ 資産家のための資産税ニュース 第59号
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└──┴┴────── 辻・本郷 税理士法人 http://www.ht-tax.or.jp/
辻・本郷 税理士法人の資産税の専門家が
相続・贈与税、資産にかかわる最新の情報をお届けする
「資産家のための資産税ニュース」 毎月15日配信です。
(※15日が休日の際は、前営業日に配信いたします)
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■□ 正しく怖がろう!不動産投資のリスク許容度 ■□
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今回は、相続対策としての不動産投資と、節税効果を考慮したリスク許容度について、土地の小規模宅地等の特例にフォーカスして考えてみます。
【1.相続税の小規模宅地等の特例】
(1) 自宅
例えばお父さんの自宅を子供が相続した場合、一定の要件のもと、
330平方メートルまで80%の減額ができ残りの20%が課税対象になります。
(2) 賃貸ビル
例えばお父さんが賃貸ビルを購入した場合、一定の要件のもと、
200平方メートルまで50%の減額ができ残りの50%が課税対象になります。
(3) 選択
(1)と(2)は限度面積までの選択になります。
【2.事例】
(1) 岩手県盛岡市の自宅
例えば岩手県盛岡市の自宅で、一定の要件のもと、小規模宅地等の特例が
取れるとします(自用地・特定居住用)。
70千円(路線価) × 330平方メートル × 80% = 18,480千円の減額
(2) 東京の賃貸ビル
例えばその方が東京の賃貸ビルを購入し、一定の要件のもと、小規模宅地等の特例が 取れるとします(貸家建付地・貸付事業用)。
1,300千円(路線価) × 200平方メートル × (1-0.8×0.3) × 50% = 98,800千円の減額
(3) 効果
(1)と(2)の差額で、80,320千円の引き下げ効果があります(課税対象額)。
※単価の高い東京の不動産を購入することで、圧縮効果があります。
【3.リスク許容度】
(1) 時価(公示価格)は路線価のおおむね1.25倍のため、
1,300千円 × 1.25 × 200平方メートル = 土地の購入価格 325,000千円
(2) 上記【2】(3)の引き下げ効果
80,320千円 × 相続税の適用税率(ここでは40%と仮定) = 節税効果 32,128千円
(3) 節税効果に対する土地の価格下落リスク許容度
32,128千円 ÷ 325,000千円 = 9.8%
※ 実際には、保有期間中のインカム・ゲイン(家賃収入)のプラスや建物部分の引き下げ効果などもありますが、事例の場合、土地の小規模宅地等の特例の節税効果に対して約10%のリスク許容度があります。
相続対策をご検討中の方は、「効果」と「リスク」を定量的に分析してみませんか?
(担当:税理士、CFP 武藤泰豊)
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