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        ソムリエの追言  ㊻
        「冷奴とアイスとワインと温泉卵 の関係~添加物について~ 」 
        --------------------------------------------------------------------------------

        ●外国の方の読者も多くいらっしゃるので、漢字にふりがなをつけてお送りしております。 
        
        M「ワインって、ブドウだけで造(つく)られるのではないんですね。 」 
        K「いきなりどうしたの」
        M「実は、友達にワインを勧(すす)めたら、添加物(てんかぶつ)を使ったものを口にすると頭が痛くなるといわれて・・・ワインには添加物が入ってるんですよね。」 
        K「いやいや、そんな、添加物といっても心配するほどではないよ。」
        M「え、どうしてですか。体に悪いとか言われてません?」 
        K「その辺は専門家(せんもんか)にまかせるとして、 
        ところで添加物については、知っている?」
        M「なんとなくですね。お弁当などの保存料(ほぞんりょう)として、
        使われたりしてるものがそうですよね。」 
        K「そうだね。あとは、ハム・ソーセージやかまぼこなどの加工食品(かこうしょくひん)をつくる際にも、使われているね。私達が口にする加工食品をつくるときに使われるもので、その素材と水を抜かしたものを添加物と呼ぶんだ。食品を長持ちさせるために、添加物を加えるといったところだね。」
        K「それとは、別に。たとえば、うーん、そうだ、冷奴(ひややっこ)は好きかい?」
        M「なんで、冷奴なんですか、ワインの話聞きたいのに。冷奴が添加物で作られているとでも?」 
        K「うん、昨日の夜、冷奴だけだったから・・・。と、いうより、豆腐そのものが添加物の作用で出来ているんだ。大豆と「にがり」。この「にがり」が添加物だよ。」 
        
        K「添加物による食品として、歴史あるものなんだが、
        添加物が加えられているイメージないよね。あと、こんにゃく もそう。」 
        K「それに、つめたーく甘いアイスクリーム。これも、添加物の働きで出来ているんだ。 
        昔からある健康的な食べものや、誰もが口にする食べ物が添加物でできてるんだ。」 
        M「添加物に囲まれた暮らしの中で生きてきたとでも言いたそうですね。 
        でも、みんな同じ添加物ではないですよね。」 
        K「もちろん、添加物の種類はたくさんある。それぞれ役割も違う。」 
        M「それで、ワインの添加物ってなんですか。本題に戻って下さい。」 
        K「代表的な物は亜硫酸(ありゅうさん)。
        二酸化硫黄(にさんかいおう)とも呼ばれている。酸化防止剤(さんかぼうしざい)だ。」 
        M「亜硫酸。なんか硫酸という響(ひび)きが嫌(いや)ですね。体に悪そう・・・。」 
        K「うーん、確かに呼び方としても、別名 「防腐剤(ぼうふざい)」なんて呼んでたりするしなぁ。」 
        M「やっぱり、彼女にワイン勧めるのやめます、私も・・」 
        K「待った!待った! 勝手に判断しない!話はこれから。」 
        K「その亜硫酸、ワインを作るときに添加するのだが、時間がたつにつれ、他の成分とくっついて、本来の亜硫酸でなくなってしまうんだ。難しくいうと結合型(けつごうがた) 亜硫酸と呼ぶらしい。」 
        K「あと、揮発性(きはつせい)も高いので、ワインの中に存在しているものは、コルクを開けて グラスに注いだ時点で亜硫酸のほとんどは抜けてしまっているんだ。」 
        M「ほとんどということは、まだ残っているんですよね。」 
        K「それは、事実。しかし、健康を害しない基準(きじゅん)がとりきめられていて、
        それに基づく量になっているので心配することはないと思うよ。」 
        K「そうそう、亜硫酸の影響(えいきょう)を受けているものは、温泉卵(おんせんたまご)があるね。温泉卵が体に悪いとか聞いたことあるかい? あと、脅かすわけではないけど、亜硫酸自体は、天然(てんねん)にも存在する物質で、あらゆる食べ物に微量(びりょう)に含まれているんだ。加工食品はもちろん、野菜も魚にも。ビールにだって含まれているものもある。」 
        M「え、そうなんですか。つまり、亜硫酸は、知らずに摂取(せっしゅ)していると。」 
        K「これは、想像だけど、ワイン1本に含まれる亜硫酸より、
        一週間で口にする食べ物に含まれている亜硫酸のほうが多くなる場合だってありうるってことだ。」 
        M「 えーっ!」 
        K「でも、今まで、亜硫酸のせいで、どこか悪くなってるかい?」 
        M「いいえ。というか、意識してませんでしたから。判りません!」 
        K「健康を害しない基準があるといったけど、これによれば、
        大人が毎日1本飲んで 80年間飲み続けても問題ない量になっているんだ。」 
        M「 でも、誰か試したわけではないんですよね。 
        K「いや、故 道上伯 さんは、亡くなる90歳まで、毎日2、3本飲んでたらしい! 
        ただ、確かに、それ以外では実験結果からの予測でしかないね。」 
        K「ただ、実際に使われている量は、この基準の半分以下がほとんどで、ワインの造り手も、極力減らそうとしているんだ。」 
        M「 なら、使わなくてもいいじゃないですか。なんで、亜硫酸なんか使うんですか。」 
        K「ブドウを潰して果汁からつくるワインの宿命なんだ。でないと、常温の中で空気にふれていれば、バクテリアの餌食(えじき)にもなるし、どんどん傷(いた)んでいってしまう。例えば丸ごとのリンゴと半分に切ったリンゴ。どちらが、先に色が変わって傷むと思う。」 
        
        M「誰でもわかる例えですね。切ったリンゴです。」 
        K「その切ったリンゴを塩水や、レモン水に付けとくと?」 
        M「色が変わりません。変わりづらいかな。」 
        K「そう、ワインでは、亜硫酸をを加えることによって、果汁のときも、ワインになってからも酸化やバクテリアから守ることができるし、さらに再発酵(はっこう)の防止や爽(さわ)やかなワインやゆっくりと熟成(じゅくせい)したおいしいワインを生み出すこともできるんだ。」 
        M「へぇー、そんな役割(やくわり)があるんですか。
        なんか、輸出(ゆしゅつ)の為だけに、酸化防止剤として入れてるんじゃないんですね。」 
        K「そうなんだ。いつの間にかそのイメージが出来てしまったようなんだ。 
        イメージといえば、亜硫酸を最後に添加してる感じを持ってないかい?」 
        M「違うんですか」 
        K「もちろん、ボトルに詰める前のろ過の時もあるが、その時だけでもない。」 
        K「樽などでの熟成が終わった後のオリ引き時や、収穫(しゅうかく)したブドウの除梗(じょこう)の時にも亜硫酸を使う時がある。すべてのワインとはかぎらないが、その時、その時と亜硫酸によって、果汁・ワイン、ひいてはワインづくり全体が守られているんだ。」 
        M「亜硫酸がワインを守っていることは理解できました。けど、コンビニやスーパーで売っている、酸化防止剤無添加(むてんか)ワインは亜硫酸が入ってないんですよね。」 
        K「そうなんだ。でも、長所があれば、短所もある。そういうワインは、熟成はしないし、早めに飲まなければならないんだ。もう一つ、亜硫酸を使わないでワインを作ること自体は難しくない。ただ、販売のために、ある程度保管されることを前提にした場合は・・・」 
        M「場合は、何ですか。」 
        
        K「果汁を凍らせたり、バクテリアの活動を抑えるため、醸造所(じょうぞうじょ)はもちろん、収穫したブドウがある処や果汁になった後の全ての場を低い温度にしたり、空気に触れさせないようにと、そのための設備が必要になったりするはずなんだ。」 
        M「何か、大掛かりですね。イメージ的には、
        一番自然に、素直に作られていると思ったんですが・・・・。」 
        K「自然のままのワインつくりに何が必要かを知っているのは、やはりワイン先進国のヨーロッパだろうね。そのヨーロッパが、いまだに添加してつくっているにはそれなりの理由があるんじゃないかな。」 
        K「それと、フランス人が1人当り年間に飲む量は50リットルを超えてるんだ。日本人はその25分の1以下、2リットルにも届いていない。その日本人が、亜硫酸を気にしすぎるのもどうなんだろう。もともと、アルコール自体、飲みすぎれば健康を害するものなんだから。」 
        M「でも、化学製品のアレルギー体質や、ぜんそくを患(わずら)っている方には深刻(しんこく)な問題ですよ。」 
        K「そうだったね。ならば、万一、あくまで万が一なんだけど、
        亜硫酸と相性が悪ければ、特に甘口のワインは避(さ)けておいたほうがいいかも知れない。」 
        M「なぜですか。」 
        K「多くの国で、甘口ワインの方が亜硫酸を添加できる基準量が多いからだよ。」 
        M「えー、彼女に勧めたの、デザートワインですよ。
        甘くて美味しい、ワインというか飲むスイーツだからって・・・。 
        やっぱり勧められないじゃないですか!」 
        K「基準量が多いからといって、必ずしも添加している量が多いというわけではないと思うけど・・・。」 
        M「確信はないんですよね。」 
        K「・・・はい。」 
        K「うーん、言いづらくなった感があるが、亜硫酸の他にも使われてる添加物が・・・。」 
        M「他にもあるんですか!」 
        K「そんな風にいわなくても。」 
        K「後は保存料として、ソルビン酸が使われることがある。」   
        M「ソルビン酸ですか。なにか、これも・・・。あっ、何か、目にした気が。」 
        K「お弁当やハム・ソーセージ類を含め様々な食品に使われている添加物で、必ず目にしてきているはず。このソルビン酸は、特に甘口のワインに使われるという話なんだよね。」 
        M「また、甘口ワインですか。」 
        K「亜硫酸の補助(ほじょ)的な役割として、
        やはり、ワインを安定させることが目的なんだ。糖分が残っていて、酵母があると・・・。」 
        M「発酵する!」 
        K「さすが!それを防ぐために酵母を抑えるのに添加されるというワケ。でも、醸造所の衛生(えいせい)面、醸造技術も進化してきているせいで、ソルビン酸 の使用は減ってきているんだ。」 
        M「甘口のワイン飲む人も減ってきてますもんね。」 
        K「そんな風にいわなくても。」 
        K「あとは、」 
        M「まだ、あるんですか!」 
        K「アスコルビン酸といって、こ・れ・は、ビタミンCだ!」 
        M「なにか、自慢気(じまんげ)に言ってませんか?」 
        K「やはり、酸化防止剤として亜硫酸の補助の役割、
        しかもフレッシュな辛口白ワインつくりの果汁に添加されるビタミンCだ。」 
        M「2回も言わなくていいです。」 
        K「とまあ、こんなところがワインに関係する添加物ですかな。日本はかなり前から、添加物に関する表示義務があるから、亜硫酸(二酸化イオウ)の表示はよくみると思う。 EU諸国(しょこく)のワインも、2005年より表示しなければならなくなったようだから、ラベルを参考(さんこう)にしてワインを選ぶことも勧めてみればいいんじゃないかな。また、造り手によっては、同じワインでも亜硫酸無添加のワインを作ってリリースしているんだ。圧倒的(あっとうてき)に数は少ないけど」 
        M「へぇー。そうなんですか、日本だけではないんですね。」 
        K「とにかく、これだけ市場にワインがあるわけだから、飲みわけてもいいと思うんだ。 
        美味しく感じる、感じないは人それぞれだから。
        ただ、酸化防止剤 無添加だから 健康に良い
        亜硫酸 添加だから 健康に悪い と決め付けるのは問題があると思う。
        もちろん、美味しいワインが飲めればそれでいいと思う。 
        K「できるなら、こんなシーンが望ましいな。
        「あ、このワインなかなか美味しいな、」 とボトルに手を掛け、裏ラベルをみて 
        「そうか、亜硫酸 無添加だから フレッシュな感じが活きてるんだ!」 なんて。 
        私の理想としては、 無添加を売りにするんではなく、味でワインの存在感(そんざいかん)を出してほしい。 
        そんなワインに出会うことを楽しみにしてるんだ。」 
        M「最後は理想論(りそうろん)で終わってしまいましたね。 
        
        いかがでしたか、添加物とワインの関係、ご理解いただけましたでしょうか。 
        
        それはそうと、長文お読み頂き有難う御座いました。 
        
        
        

        【 道上 雄峰 】
        幼年時代フランス・ボルドーで育つ。 
        当時日本のワインが余りにもコストパフォーマンスが悪く憤りを感じ、自身での輸入販売を開始。
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