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        ソムリエの追言 66
        「大丈夫かな?」 ボトルの個体差 その2 
        保管によるもの 
        ________________________________________
        ラベルがワインで汚れている。 ボトルの先端部分やキャップシールがワインでべたつく。 
        そんなワインに出会ったことはないでしょうか。
        
        これが、液漏(えきも)れ。俗に「ワインが噴(ふ)いている」なんて呼びます。
        ワインを取り扱っているプロは、納品されたワインが、液漏れしていないか、コルクが 飛び出したり、へっこんでたりしてないか、必ずチェックします。 
        キャップシールが、手で廻せるかどうかで、液漏れしてないかもチェックします。 
        
        余談ですが、フランス産ワインは、キャップシールが廻るのですが、イタリア産ワインは 液漏れしてなくても、廻らないことが多いです。そういえば、コルクも全体的に固くて抜きづらいですね。 
        なぜ、液漏れなんてことが起こるのでしょう。 
        

        コルクの寿命(じゅみょう)もありますが、主な原因は急激な温度変化によるものです。 
        夏の暑さで、人間が熱中症にかかるように、 暑いということはやっぱりワイン自体にも影響があります。
        
        特に厄介なのは、コルクが持ち上がるポップアップと呼ばれるものです。
         温度が上がるとボトルの中の空気やワインの体積が膨張してコルクが押し上げられてしまうんです。
        ほんの2~3mmのコルクが持ち上がることによって、隙間ができワインがゆっくりと漏れていきます。 その動きを観察したことはないですけど、考えてみると、まさに、火山の噴火のようです。 コルクのポップアップが山頂の隆起、流れ出るワインが溶岩でしょうか。
        

        
        

        こうした状態が長く続くと、隙間から酸素が入り込み急激に酸化が進みます。 一方で、ボトルの中からは、酸化防止剤の二酸化硫黄が抜けていき、酸化に対する抵抗力がなくなります。
        
        すると、余韻にバランスの悪い苦味が残ったり、突出した酸味が目立ちます。 こうしたダメージの味わいが残るリスクがあるので、噴いたワインは、基本的に避けられます。 
        特に白ワインや軽い赤ワインなどは、そのダメージをもろに受けることが多いようです。
        

        ただ、噴いたワインだからといって、全てのワインが飲めないわけではありません。 
        あらためて実感したのが、前回もお話した、シャトー・ラ・ジョンカード 赤ラベル 1985年 でした。
        33年経っていて、コルクの状態も悪く、液もれをしているワインでした。
        

        でも・・・。美味しい。確かに2本を同時に比べて飲むと、それぞれの味わいは似てはいますが、違います。 それでも、1985年のグレート・ヴィンテージとして飲めるのです。 
        いや、グレート・ヴィンテージだからこそ飲めるのです。
        さらに、言うのであれば、この状態だからこそ、今飲んで美味しい。 
        もし、完璧な状態なら、飲み頃を迎えるのはまだまだ先のこと。 
        良いヴィンテージとは、ブドウの出来が良いことを指しています。 それだけ、ブドウが成分的に優れていること。
        グレート・ヴィンテージならば、ブドウは計り知れないパワーを持っているわけです。 
        
        そう、ボルドーなどのタンニンを多く含むカベルネ・ソーヴィニヨン種が使われているワインは、 もともと、酸化に強い性質をもっています。また、その能力は、時に100年を超える熟成に耐えることができるのです。 そういったワインは、ちょっとやそっとでは、大きな味の変化に至らないようです。 まさに、カベルネ・ソーヴィニョンなどの強めのタンニンや酸といった成分は、ワインを守るものなのです。
        
        逆に、白ワインや、繊細なブルゴーニュなどは非常に影響をうけやすいです。 古酒と呼ばれる40~50年の熟成したものは、さすがに、ワインの体力、抵抗力も弱くなってきますので、 ワインも熟成のスピードがあがったり、時にはダメージを受けることにもなります。
        

        しかし、ワインは、開けてみるまで、飲んでみるまで判らない。 
        そんなことを1985年のワインで改めて実感させられました。 また、もう一ついえることは、たとえ噴いたワインであっても、その後の保管状態が大事であるということ。 
        
        今回のワインは、ご存知、シャトーからの直輸入したものを、当店の倉庫の保管していたものです。 
        

        人も風邪をひいても、安静にしていれば治るように、 ワインもよりよい状態にすれば、ダメージを回復する可能性があるということです。 そういう意味では、休まる間もなく、仲介業者(ちゅうかいぎょうしゃ)などをはじめとする多くの人達の手から手へ 移り渡るワインは、移動も多く、保管場所の状態も一定しないため、回復は難しいかもしれません。 
        
        そればかりか、このような移動の多いワイン(高級ワインにありがちです)は、もともと、生産者の手元にあるものと熟成の進み方が違うので味わいもきっと異なると思います。 
        また、今回の例は、33年経ったワインです。それでも、しっかりとした味わいを保っていたということは、 若いワインについては、余り気にしなくてもいいのかも知れません。
        とかく、保存や、温度など事細かに話をすればするほど、気軽な飲み物ワインが、難しくなってきます。 確かに、20年、それ以上の古酒と呼ばれるワインや、何万もするようなワインには、より美味しく飲むための こだわりがあっていいと思います。 
        
        ただ、全てのワインに対して、そのこだわりを当てはめるのはどうかと思います。 
        スーパーで売っている¥600もしない赤ワインに飲み頃の温度 16~18度なんて書いてあります。 でも、この温度にするのって難しいですよね。ワインセラーがあるなら別ですが。 
        12月の東京なら、陽のあたらないベランダなどに2,3時間出しておけばちょうどいい温度になります。 
        
        そういった決まりごとを、実行すれば、より美味しくはなります
        よ程度に考えてもらえばいいのではないでしょうか。 
        ですから、逆に「噴いたワイン」であっても、もう飲めないなんて 勝手な思い込みを することも、ワインの本当の力に目を向けていないのです。 
        ボトルを開けて、グラスに注いだ瞬間から、そのワインの真実の瞬間が始まると思います。 
        

        
        
        
        

        【 道上 雄峰 】
        幼年時代フランス・ボルドーで育つ。 
        当時日本のワインが余りにもコストパフォーマンスが悪く憤りを感じ、自身での輸入販売を開始。
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