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        ソムリエの追言 68
        「知ってるようで意外と知らない!?
        ワインにぴったり合う料理~塩麹編~」
        ________________________________________
        塩麹(しおこうじ)とは、麹と塩、水を混ぜて発酵・熟成させた、日本の伝統的な調味料です。
        日本では古くから野菜や魚の漬物床として利用されてきました。
        そんな大人気の塩麹を使った料理と、
        ワインの組合せはどうなのでしょうか?
        
        ・豆腐の塩麹漬け
        3日ぐらい漬けると、大豆から出来ているとは思えないぐらい濃厚な、 まるでチーズのような旨みが出てきます。醤油をかけた冷奴とワインを合わせるのはなかなか難しいですが、この塩麹の旨みがあれば、すんなりワインとも合わせられます。 
        
        塩で食べる冷奴はよくありますが、ただ塩味を感じるだけでなく、発酵食品特有の複雑な香りを持っているから、ワインに合うのです。さっぱりとした味わいは、スパークリングワインや少し冷やした軽めの赤ワインと合わせて、夏のおつまみにピッタリです。
        デュック・ダンリのフルーティーな後味との相性は抜群です。 
        
        ・魚の塩麹漬け
        これはもう、魚の旨みと麹のまろやかな風味が相まってすごく美味しいです。白ワインとも合いますが、正直に言えばワインより日本酒の方が相性良さそうです。日本酒のふくよかな香りと塩麹の旨みが絶妙の味わいを「醸し」出します。
        日本酒はワインと違って、アルコール発酵をさせる前に麹を使いますが、この麹由来の香味は日本酒になっても残っているので、 塩麹を使った料理との相性が非常に良いのです。 
        
        ・豚肉の塩麹漬け
        塩麹と白ワインに漬けた豚肉をソテー。漬け汁は煮詰めて、バターを溶かして塩・胡椒で味を調えてソースに。ソースに仕上げる事を考えて漬け込む時の塩麹はちょっと少なめに。
        

         

        ワインは樽の香りがしっかりしたものか、辛口の中にほんの少し果実の甘みを感じられるものを。樽熟成させたワインは香ばしい木のアロマをまとうので、麹と肉の、少し焦げた香りととてもよく合います。
        
        樽熟成をしていないフルーティーなワインであれば、ソースに使ったバターに負けない、コクをもった白ワインが望ましいです。シャトー・ラモットの果実味とコクを合わせて。
        
        すべての素材に共通して言えるのは、単純に調味料として塩麹をつかうよりも、短時間でも素材と一緒に漬け込んだ方が、出来上がりの旨みがぐっと増すという事。でもなぜ、単に塩味がプラスされるだけでなく、素材の味まで良くなるのでしょうか?
        
        これは麹に含まれる「酵素」の力が大きく影響しています。
        酵素は食材の細胞を分解することで発酵を進めていきます。
        この時にできるのが、糖分やアミノ酸といった旨み成分。
        塩麹から深い美味しさが生まれるのは、この副産物とも言える旨み成分のお陰なのです。分解により食材自体も柔らかくなるので、消化吸収もアップ、味が良くなるだけでなく、胃に負担がかからないのも魅力の一つです。 
        
        栄養面から見ると、塩麹に多く含まれているのがビタミンB1、
        B2、B6といったビタミンB群。
        これらの成分には疲労回復効果があり、夏バテにも効果的です。
        中でもビタミンB6は脳内伝達物質の合成に不可欠な成分で、
        アンチエイジングにも非常に効果があると言われています。
        また、食物繊維と同じような働きをする成分も含まれているため、食べ続けることで便通も改善するそうです。
        
        このメルマガを書くためにたくさん塩麹料理を食べました。
        塩麹の味は優しく素朴なのですが、毎日食べ続けると正直ちょっと飽きてしまいます。 
        甘さと塩気はあるけれど、味にキレが足りません。
        
        そこで、塩麹をもっとスタイリッシュに、更にワインと合わせやすく変身させる方法を紹介します。使用するのは「レモン」!びっくりするくらい塩麹にマッチします。
        
        「白身魚とレモンの塩麹ソテー」
        焼く前の切り身の魚を塩麹に漬けておき、フライパンで焼く時に一緒に、厚めに切ったレモンスライスを2枚投入。
        蒸し焼きにしている間にレモンの果汁がしみ出て、その酸味が
        塩麹と混ざり合い絶妙なハーモニーを奏でます。
        
        ただ塩麹に漬けた魚だと、日本酒の方が合うように思いましたが、レモンをプラスする事で特に白ワインとの相性が抜群に良くなります。
        魚以外にも、豚肉や鶏肉にも応用出来るので、是非お試し下さい。
        
        ワインに合わせる料理の大原則は「塩味・胡椒味・あぶら味」の
        3つ。
        これが3つとも揃えばどんな料理でもワインと美味しく
        合わせられますが、「胡椒味」、
        つまり味のアクセントはレモンのような「酸味」でも代用出来るのかもしれません。
        
        
        

        ワインにぴったり合う料理 ~焼き鳥・トンカツ編~」

        ________________________________________

        もう30年前になるでしょうか?

        フランス人の友人が、日本での取引先である大会社の社長から接待を受ける際に、「何がお好みですか?」と訊かれ、「トンカツ」と答えたところ、社長は唸りながら絶賛したそうです。

         

        そのフランス人はソシエテ・ジェネラル銀行頭取を父親に持ち、

        母親はフランス最大のアパレルメーカー創業者のお嬢様、なんともセレブなお坊ちゃまです。

         

        今でこそフランス人に何が食べたいと聞くと、多くの方は、すしと答えますが、 当時はすしを食べられない人が多く、天麩羅のゴマの油、サラダオイルが消化出来ない人が多かった頃です。彼らは慣れていなかったのです。

        当時日本人もオリーブ・オイルに火を通すと、お腹を壊す方が多かったようです。

         

        そんな中、ワインを飲み慣れているフランス人に一番評判が良かったのがトンカツです。 その次に評判の良かったのは焼き鳥です。 ですから、これらにワインが合わないと言う方は意味がよく分かりません。

        前回のカレーの時にもお話しましたが、日本ではまだまだ焼き鳥のような大衆的な料理に対して、高級品のイメージが強い「ワイン」というとぴんとこない方が多いのかもしれません。

        しかしなんとなく定着しているイメージに流されて、ワインを選ばないなんて実にもったいない話です!!

         

        たとえば焼き鳥は、一口サイズのローストチキンと言い換えれば、 ワインとの組合せがぐっとイメージしやすくなるのではないでしょうか?

        さらにトンカツの「カツ」は、フランス料理のコートレット(Cotelette、英語ではカットレットCutlet)が語源で、もともとが西洋料理なのです。ヨーロッパでは豚ではなく「仔牛のカツレツ」が有名ですが、メドックやグラーヴの繊細な辛口赤ワインや切れ味の良い酸味のある白ワインと合わせて非常に親しまれています。

         

        日本のトンカツは明治時代にその原型が持ち込まれ、その後独自の発展を遂げて昭和初期ごろに今のスタイルが確立したと言われています。逆輸入的にフランス人にも非常に人気が高く、もちろん彼らはワインと一緒に食しています。

         

        塩味なら全般的にコクのある白、焼き鳥のスモーキーな風味や

        トンカツのさくっと揚がった衣の風味には樽香が豊かなシャルドネか、個性の強いヴィオニエ、梅しそやわさびを使った味付けには

        ハーブの風味をもったソーヴィニヨン・ブランがお薦めです。

         

        もちろん赤ワインも合いますが、それぞれの肉の持ち味を活かした塩味の場合には、あまりタンニンの強くないフルーティーなタイプの方が、お肉の淡白な旨みを十分に活かせるようです。

         

        同じ塩味でも、豚バラ串やロースカツのように肉の脂の強いものであれば、脂っこさを流して、肉の旨みを最大限に引き出すため多少渋みのある赤ワインの方が良いでしょう。

        もしくはすっきりと冷やした辛口のロゼワインです!

        飲み屋さんでロゼワインを置いているお店は少ないかもしれませんが、美味しいロゼワインはとにかくストライクゾーンが広いので、極端な話どこの部位でも、タレでも塩でも、焼き野菜でさえも美味しく合わせられるのです。

         

        焼き鳥屋さんで色々と串を頼んだけれど、ワインとどう合わせるか迷ってしまった場合、仮に1本のワインで通すのなら私は断然

        ロゼワインがお薦めです。

         

        タレ・ソース

        焼き鳥のタレやとんかつソースを、一般的な料理のソースとして考えるとかなり濃厚で塩っぱいため、ワインもボディーのしっかりとしたコクのある物が好ましいでしょう。

         

        お店によっては甘味の強いタレを使う場合もあります。

        そういうお店では熟成した甘みを感じる赤を選ぶのも一つの手です。 ボルドーで言えば、メルロー主体のものは比較的早い段階から熟成の旨みを楽しめ、 なおかつボディーもしっかりしたものが多いので、特にお薦めです!

         

        メルロー主体のものは価格的にもお手軽なものが多く、 そのお店で一本2000円~3000円クラスのワインで十分楽しめますよ。 (もし楽しめなかったら、そのお店の値付けに問題あり!です)

         

        また焼き鳥のハツやレバー等の内臓系のタレには、

        サンテミリオンの赤ワインがぴったり合います。

        レバーのしっとりした食感と濃厚なコク、鉄分の味わいが、滑らかなメルローの果実味、サンテミリオン特有の土っぽいミネラル感が抜群の相乗効果を生み出します。

         

        辛口のタレやソースのお店では、葡萄品種でいえばカベルネ・ソーヴィニョン主体か、 ものによってはローヌ地方のシラーもお薦めです。

        MICHIGAMIワインでいえば、焼き鳥には「シャトー・ラ・ジョンカード紅白ラベル」あたりが炭火焼きの香ばしい香りと紅白ラベルのスパイシーな樽香が合わさって、お互いを最高に引き立ててくれます。 鳥肉の表面のすこしコゲたところの風味、苦味との相性はまさにマリアージュの極みです。

         

        トンカツには、濃厚な中にも特徴的な酸味のあるソースに合わせて、「シャトー・ルボスク 」が一押しです!熟成による深い味わいと引き締まった酸味が、とんかつソースの風味と相まって衣に閉じ込められた肉汁の旨みを、さらに上質な、甘みの乗った旨みへと昇華させてくれるのです。

         

        一般的なトンカツ屋さんでは、ワインを用意していないところも多いので、ご家庭でトンカツとワインを楽しむ場合には、市販のトンカツソースと赤ワインを2:1ぐらいで少し煮詰めてバターを一切れ加えれば、よりワインの風味に近い自家製トンカツソースが簡単に作れます、ぜひお試しください!この組合せは、クセになります。

         

        最近はハモン・イベリコ・べジョータをトンカツ屋さんで出す所も増えていますが、ワイン無しでどうやって食するのでしょうか?
        
        
        
        
        
        

        【 道上 雄峰 】
        幼年時代フランス・ボルドーで育つ。 
        当時日本のワインが余りにもコストパフォーマンスが悪く憤りを感じ、自身での輸入販売を開始。
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