2020年10月29日
世直しコロナと国連倫理サミット
村田光平(元駐スイス大使)
日本の現状に深く失望しております。
政治家の原発に対する姿勢の模範を示しているのは、マレイシアのマハティール元首相です。2014年に3通の親書をいただいておりますが、人間は放射能を無害する技術を有さず、廃棄物の処理もできないことなどの理由からマレイシアは原発を導入することにあくまでも反対の立場を堅持しているとの素晴らしい見解を同親書でお伝えいただき、感銘を受けたことが想起されます。
原発の安全に責任を負わないと公言する原子力規制委員会に再稼働を許可する権限を与えているのが日本の嘆かわしい現状です。原子力村は存続し『出鱈目』がまかり通っております。市民社会の懸命の提言は無視されるのみです。
しかし、福島事故がなかったかのように東京五輪を利用しようとした企ては頓挫しました。無責任・不道徳な五輪中止は不可避となったのです。しかし、五輪と原発とは表裏一体と見抜かれており、
国際社会での日本の名誉は深く傷つきました。
これを放置してきた国民は反省を迫られているといえます。
不道徳の永続を許さない歴史の法則(天地の摂理)はすでに表面化しております。
この法則に沿う「世直しコロナ」の存在が看取されだしており、
国民が反対する諸プロジェクトの挫折を生んでおります。
リニア新幹線、カジノ等々同様にその照準に収められつつあるのは原子力独裁だと認識しております。
罪深い原発の新設が許される筈がありません。
世界が直面する真因が倫理の欠如であるとの認識が広まりつつあります。この認識については米大統領選挙の現状との関連で
米国の知人からも賛同のメッセージが寄せられております。
地球倫理の確立、そして力の父性文明から和の母性文明への移行を目指す国連倫理サミットは、日本の歴史的使命である核廃絶への入り口とみなされるもので、すでに国際的支持も強まりつつあります。
日本の尽力で国連倫理サミットを実現させることにより、傷ついた日本の名誉挽回を図ることが望まれます。先日お届けした菅総理宛メッセージで同サミットの実現に中国との協力を提言した所以です。
同サミットは危険な430余基の残存原発対策として
今後の重大課題となっている脱原発の国際化にも貢献すると思われます。原発の過酷事故再発の可能性が軽視されている現状は早急に改める必要があると確信いたします。
皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。