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        ソムリエの追言 85
        「森の中のシャブリ」
        ________________________________________
        「1870年代当時、ロシアのブルジョワたちは、
        とくに2種類のフランスワインを好んだ。
        一つはシャンパーニュ、そしてもう一つはシャブリ・・・。」
        ロシアの文豪トルストイの小説、『アンナ・カレーニナ』の一節です。

        【シャブリの語源】
        シャブリというと、ワインが好きな人でなくとも一度は耳にしたがあるのでは?というぐらい有名な白ワインの銘柄ですが、その名前の由来は、ケルト語で「家」を意味する「CAB」と、「森の近く」を意味する「LEYA」という二つの言葉から来ていると言われています。
        その昔、ブルゴーニュの北端、森の近くの小さな村々での生活は、
        ワイン産業とともに栄えてきました。

        【ブルゴーニュ地方の北の砦】
        さて、フランス地図をめくってみると、シャブリの生産地はブルゴーニュワインの中心地コート・ドールからずいぶんと北西に外れ、まるで離島のようにポツンと存在している事がわかります。

         

        コート・ドールの北端から距離にしておよそ150km、日本で言えば東名高速道路の東京ICから神奈川を飛び越えて、静岡ICまでの距離と同じぐらい離れたところにあるのです。
        こんなに遠くて本当に同じブルゴーニュ地方なのかと疑いたくなるほど。

        どうしてこのように、シャブリだけぽつんと飛び石のようになっているのかと言えば、 19世紀中頃までは、シャブリも含めたこの地域全体(ヨンヌ県)がワイン生産で全盛を極めていました。
        近くを流れる河を利用して、華の都パリにも容易に運ぶ事が出来る、 そんな流通の利便性もあって、シャブリ地区からコート・ドールまでいたるところでワインが作られて、それらも含めてすべてブルゴーニュと呼ばれていました。

        ところがその後、フィロキセラ(害虫)の蔓延、世界大戦、南仏まで開通した鉄道によって価格の安い南仏ワインに市場を奪われるなどの悪条件が、葡萄生産者を直撃します。
        次第にワイン生産者の数も激減し、 その近辺にあるほぼ全ての畑では、 葡萄栽培が行なわれなくなってしまいました。

        そんな中、葡萄畑を捨てずに現在まで生産を続けた地区の一つが、 はるか150km離れたシャブリ地区だったのです。 生産地が点在している理由には、こんな歴史背景があるのです。

        【シャブリの乱立】
        やがて名声を獲得していったシャブリですが、ひとたびその名声が高まると、そのブランドに乗っかって、楽にお金儲けようとする人たちが出てくるものです。シャブリ地区でシャルドネから作ったワインには、すべて「シャブリ」と言う名を冠して売れる訳です。
        「木の葉を隠すなら森に隠せ」ではありませんが、多くのシャブリが作られていく中で、次第に玉石混交となってしまうのは自然の摂理だったのかもしれません。
        つまり同じシャブリでも、味わいにぴんからキリまで差があるのです。中には「シャブリ」の名前に相応しくない、個性のかけらも感じない水のようなシャブリも多く存在しています。

        【格付け】
        シャブリの中には4つの階級があり、
        ・プティ・シャブリ
        ・シャブリ
        ・シャブリ・プルミエクリュ
        ・シャブリ・グランクリュ
        と、ランクが上がるにしたがって、畑の個性、凝縮感、香りの複雑性が増していき、それに応じて値段も高くなっていきます。

        特にグランクリュ(特級)ともなると、金額的には桁が一つ違ってくる事も。なかなか気軽に楽しくとはいかない訳です。
        しかも近年、シャブリの75%はイギリスへ輸出され、イギリス経由で世界に流通しています。流通の過程に仲介業者が入れば、それだけ値段も上がってしまいます。ワインをビジネスと捉える事に非常に長けた国イギリスですが、特に並級のシャブリに品質に見合わない高値がついている事が多いのは、そんな裏事情もあるのです。

        格付けはワインの品質を判断する上での目安になります。しかし、ランクが同じであれば同程度の品質が保たれているかといえば、同ランクの中でも、大きな差が存在すると言わざるを得ません。

        以前、MICHIGAMIワインで取り扱っていたシャブリは、格付けはプルミエ・クリュですが、味わいはグラン・クリュに匹敵するのではないかと思うぐらい、シャブリらしい個性に溢れたシャブリでした。

        柑橘系のレモンの香り、白い花、シナモン、若いパイナップルを思わせるフレッシュでふくらみある果実香。口に含むと芳醇なアロマがいっぱいに広がります。
        酸味とミネラルのバランスも良く、金属を溶かし込んだような、なめらかな質感があります。

        その実力は、成田空港にあるエールフランス航空のファーストクラス、ビジネスクラスのラウンジで採用された程。

        【シャブリのお供】
        シャブリと言えば、その相性の是非がいつも話題になるのが生牡蠣です。
        シャブリと生牡蠣、私は大好きな組合せですが、反対派の方からは、「生牡蠣と白ワインでは、牡蠣の生臭さが強調されてしまって美味しくない」という意見もよく頂きます。

        実際に当店主催のワイン会で、私も生牡蠣を少し頂きましたが、新鮮な生牡蠣には、嫌な生臭さを感じないものです。そして磯臭さや生臭さの奥にある旨みこそ、生牡蠣を食べる楽しみです。白ワインで生臭さが強調されるという意見も分りますが、個人的には、その感覚が好きだから、白ワインを飲むのです。

        納豆は臭いから納豆なのであって、ウォッシュチーズも、臭いからウォッシュチーズなのです。

        食材の個性をより良く広げ、伸ばしてくれるのも、ワインの素晴らしさの一つではないでしょうか?
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