2021年1月24日
核兵器禁止条約の発効と脱原発の国際化
村田光平(元駐スイス大使)
核兵器禁止条約発効により「核なき世界へスタート!」の新局面の到来の機会に思い
つくコメントをお届けいたします。
世界の主流は、今だに430余基の原発の存続を容認しております。天災の激甚化、老朽化、人的ミス、核テロ等々を勘案すれば原発の過酷事故の再発の可能性への真剣な対応が求められます。
福島についてもFIの1〜3号機の冷却プールに1500余の燃料棒が残されており、世界が動いた4号機危機と全く同様の真剣な対応が求められております。
東京五輪に隠された最大の罪深さは「放射能安全神話」に同調した放射能の危険性無視です。これを改めさせることが核なき世界への現実的第一歩とすることが望まれます。
原爆の恐ろしさはその破壊力に加えて、もたらされる放射能災害だからです。
このような認識は全世界の核廃絶への関心を身近なものとすると思われます。
核廃絶が一般市民になじめない軍事問題ではなく身近なものとしてとらえられる効果が期待されます。
この立場からすれば、ようやく日本が達成しつつある脱原発の国際化が強く望まれます。
このことに関して、福島原発事故により日本の国民と国土が甚大な被害を被ったことは、原発の存在は世界の安全保障問題であることを立証するものであると言えます。
国際的に理解が深まりつつある国連倫理サミットは地球倫理の
確立、父性文明から母性文明への転換、そして民事、軍事を問わない核廃絶への入り口として、その開催実現が益々望まれます。
皆様のご指導とご支援をお願い申し上げます。