2021年3月12日
オンライン世界会議(ご報告)
元駐スイス大使 村田光平
尊敬する旧知の知人からこの度開催された東北大震災10周年を記念するオンライン世界会議の報告が寄せられましたので共有させていただきます。
最近看取される内外での潮目の変化を実感させるものです。
基調講演は小泉純一郎元総理及び小出裕章氏が行われ、小泉、細川、村山、菅、鳩山5名の各元総理の脱原発を添える宣言が
発出されるなど、画期的進展が内外に発信されました。
世界に先駆ける新生日本の息吹を感じさせる一日でした。
(3月12日受領した知人からの報告メール)
みなさま
長丁場でしたが、ご覧になられたプログラムがおありでしょうか?
私は時間通りではありませんでしたが、何とか予定していた
プログラムを見終わりました。
センエツですが、以下感想・報告です、、、
日本の原発訴訟の現状と展望 樋口 英明氏(福井地裁元裁判長)
定年で退官されて、全国を廻りながら講演されています。
3・11までは原発について無関心で安全3原則を信じ切っておられたとのこと。
原発運転差し止め・許可処分取り消しの裁判は一進一退。
安倍政権になると、原子力村は息を吹き返した。
原発に反対する理由:
日本は地震大国で事故が起きると被害は甚大。
・被害の大きさと発生確率は反比例する
(何故なら発生しないように備える)
しかし、原発は例外。原発の耐震性は住宅メーカーに劣っている。
原子炉は冷やし続けなければならず、多くの複雑な配線で繋がっている。
・裁判で原発を止める事が出来ても、その後が大変。
裁判に勝つには:
・科学論争には持ち込まず、分かりやすい裁判を目指す。
原発をゼロにするには:
・国民・世論とのシナジー効果が大切。
原発ゼロでも自然エネルギーで賄える。
菅政権になって2050年にはCO2ゼロを目指すと表明。
基調講演「原子力マフィアの犯罪」 小出裕章氏
・広島の原爆の核分裂生成物の重量は800g。
100万kwの原発1基が年間に燃やす量は1トン(1000発分)
・原子力は安全と言いながら、不公平・不公正にも都会を避けて
立地。
・3.11前の原発は57基。全て自民党政権下で認可している。
・事故で空気中に放出されたセシウム137は広島の168発分。
海上への放出を加えると1000発に近い。
・1万4千km2の大地にはセシウムが3万~6万ベクレル/1㎡。
半減期は30年。100年経って1/10。
・「放射線管理区域」に相当する程に汚染された地域に数百万人が
見捨てられた。「緊急事態宣言」は今も生きている!
・原子炉立地審査指導では格納容器は絶対に壊れないと
「想定不適当」として
いたが、事故後「想定外」とし、誰も責任を取らず、無罪判決が出た。
・安全神話を振りまいた企業・ゼネコン・マスコミ・裁判所・学会etcは 「原子力マフィア」と呼ぶべき。
・事故後、イノベーションコースト構想として巨大ゼネコン等が、再び、復興によって多大な利益を上げている。
・「伝承館」の展示にも加害者・被害者の言葉は無い。
・復興最優先で5感に感じられない汚染の責任を誰も取らないまま被害者は分断されて行く。
・原発事故はまだ終わっていない。このまま行けば、事故は又起きる!
基調講演「日本の歩むべき道」 小泉純一郎氏
依然よりさすがにお年を召されたようにおみうけしましたが、
小泉節はほぼ健在。
・与野党関係なく自然エネルギーの推進運動をすすめている。
・トモダチ作戦に従事してくれた米軍兵士300人が被爆し、除隊後
治療や生活に困窮しているので基金を設立、1億円を目標にしたら、ニトリの社長が1億出してくれた。そこで終わるわけにもいかず、結局3億円の寄付が集まった、、、
飛び入りで講演終了後、菅元総理、鳩山元総理が駆け付け、脱原発やカーボンゼロについて私信を述べ、3元総理が固い握手を交わした。
エネルギーの未来は私たちが決める!
前半は若者と国会議員の対談:
嘉田 由紀子参議院議員(元滋賀県知事)
秋本 真利衆議院議員(自民党)
山崎 誠衆議院議員(立憲民主党)
いわぶち 友参議院議員(共産党)
・自民党内ではコスト面から入って自然エネルギーについて説得する方法が有効。
・自民党内では小泉、河野両議員が再エネ賛成派。
・フクシマが終息するまで再稼働はあり得ない!
・再エネは経産省のジャマを乗り越えて進まねばならない。
・原発優先になっている電力系統図や送電線の増強に問題。
・大企業や外資の参入による再エネよりも地域を巻き込んだ開発を目指す
・再エネが自然を壊すような開発は許せない。災害・治水を考慮して自治体にガンバッテ欲しい。
・宮城県丸森町ではメガソーラー建設の為に大規模森林伐採
・首長や議員の選挙では政策を見て投票する。
・政治家にはもっとクリーンであって欲しい。
オードリー・タン台湾デジタル担当大臣
メッセージ
・インターネットは社会の意見を集め創造的な政策へ変換する
原動力
・参加型民主主義。
・相互の信頼が大切。
・国家行動計画2021はオープンデータの活用、ジェンダーや
民族の対話、市民参加の仕組み、公正な行政と政府、
マネーロンダリングの防止を目指す。
後半は若者達にアーティストが参加して「あすから私達に出来る事」について対談。
最後に、デンマークから飛び入り参加。10年で化石燃料からグリーンエネ100%を達成した男性。
自分の問題として認識し、自分の役割を考えることが大切。
環境を重視する人も、ビジネスを考える人も一緒にコミュニティーを作って話し合う。
その他にも面白そうなプログラムが沢山あります。
お時間が有ったら、アーカイブで是非どうぞ。
https://20210311.genjiren.com/