2021年8月1日
今週の所感
村田光平(元駐スイス大使)
7月31日 五輪の罪深さ
皆様
東京で新たに4058人感染、 過去最多が各地に広がっております。
市民の直観は五輪が原因であると断じます。
事態の急変が予見されます。
現にマスコミの五輪中断にかんするタブー破りが見え隠れ
し出しました。
本日毎日新聞が大阪の女性看護師の心境につき
下記の通り報じました。
<柔道やバドミントンの経験がある女性は、これまではテレビにかじりついて五輪を楽しんできたが、今回ばかりは興味を持てないという。「これだけ多くの人が亡くなっている中で五輪を開催することがずっと疑問で、今は怒りに変わってきている。医療現場のことを思うと、五輪を見てリフレッシュできる精神状態じゃない。今からでも中止すべきだ」と話す。>
最近開催された「学者の会」が注目されます。(https://youtu.be/TVdLCqrCKoA)
<新型コロナウイルスの脅威以上に、科学を軽視した場当たりの政策により生命が失われ市民的自由が奪われ、経済も政治も文化も教育も委縮し衰退しています。日本社会が崩壊の道を突き進む真っただなか、金儲けファーストで開催されるオリンピック。その祝賀資本主義の実体と政治的意図を社会科学によって明快に開示します>
この「学者の会」について友人から下記のコメントが寄せられました。<日本はやはり自由、人権、人間尊重に、特にリーダーは配慮する必要があると思います。ギリシヤの哲学者アリストテレスは
指導者たるものはフロネシス(賢慮)が必要と述べています。
「価値、倫理について分別をもって最善の判断と行為が出来る知恵」のことです。>
倫理資本主義が言われだす中で、価値、倫理について分別をもって日本一新、世界一新に思いを馳せる人が増えております。
五輪中断の実現が待たれます。
市民社会からのメッセージ
皆様
米有力誌の記事及び最新のBCC文発信を添付して
お届けいたします。
19世紀に創刊された”The Nation”誌は「東京五輪は核兵器禁止の運動を阻害している」との論評を掲載し衝撃を与えております。
海外で見られる批判記事の中で注目されるのは東京湾の
醜態に関するものです。
https://www.newsdirectory3.com/triathletes-collapse-and-vomit-tokyo-swimming-pool-stench-vibration/
下記は入口紀男先生から寄せられたコメントです。
<東京は、2011年福島第一原発電事故の数日後に一般河川と東京湾が高濃度の放射性ヨウ素131に汚染され、水道水からも乳児向け
飲用基準値の約 2倍の放射性ヨウ素131が検出されました。
東京湾の海底には現在も高濃度のセシウム137とストロンチウム90が沈殿しています。
また、東京湾は透明度が低く緑色と褐色に濁って見え、しばしば
トイレ臭がしたり基準値の 2倍の大腸菌が検出されたりします。
選手たちは「古い便器をきれいに洗って新しい水を入れておいた。水質に問題はないからそれで顔を洗え」と言われたのと
同じでしょう。吐いたり倒れたりしたのも当然です。
ここで泳がせたことに、私は人間としての「感性」を疑います。>
本日発表された感染者数は3日連続で3000人超です。
担当大臣は「緊急事態宣言と五輪は無関係」などと
発言しております!
今急ぐべきは五輪中断であり、ロックダウンではありません。
五輪中断こそ今求められている強いメッセージです。
皆様の御支援をお願い申し上げます。
7月28日 否定できない医療崩壊
皆様
市民社会は危機感を深めております。
下記は現状を憂うる市民からのメッセージです。
そのままお伝えいたします。
<本当に国家的危機ですね。でも、菅さんは海外での有観客のサッカーやテニスの国際試合を念頭に、この程度の感染状況下なら五輪の開催なんて当然と考えているようです!!!
(在日外国人記者の談)
小池百合子知事は25日、菅義偉首相と公邸で会談し、終了後、
都庁で報道陣の取材に応じ「東京五輪が非常にスムーズにいっているということを、共通認識として確認した」と説明した。(いつまで寝言を言い続けるのでしょう!現実を見てください!)>
尾身会長も医療ひっ迫を認めました。
救急搬送困難も確認されております。
感染者数は東京で28日には過去最多の3177人、
全国の感染は9500人をこえました。
株価の大幅下落も報じられております。
国家の危機です。この危機感無くして国民の協力は得られません
市民社会が求める五輪中断が急務です。他言を要しません。
五輪が人流を増やし感染拡大を招いていることは確実です。
五輪開催のもとで人流が減少しているなどとみなす
専門家は失格です。責任が問われるべきです。
「安心・安全」は最早禁句です。
猛暑、台風、水害、地崩れ等々の現実を前にして、この時期を理想的として五輪を誘致したことに対する非難が海外で始まっております。
中断の決断を遅らせば遅らすほど被害は拡大して日本は
窮地に立たされます。
今こそ人命最優先の独自の立場から早急に五輪中断の実現に
全力を尽くすことを市民社会は政府に提言いたします。
皆様の御支援をお願い申し上げます。
市民社会の諸提言
皆様
市民社会と政策決定者の橋渡しを心掛けている私には各方面で活躍される方々からの傾聴に値するメッセージが多数寄せられて
参ります。最近の事例をご報告いたします。
(その1)
元大阪府知事の橋本氏が「オリンピックの中止の撤退ラインを定めないそうならない様にするのが国家運営だ。
先の大戦で敗戦を全く反省しない日本はいざという時に勝負できない国家になることを危惧する」
ツイッターがありました。
賛成です。
(その2)
誰のための、何のための五輪なのか、菅政権の暴走、
小池都政の迷走が益々あらわになってきました。
想定外の感染者を出しつつオリンピックを強行しながら、
国民・都民には自粛を強制する矛盾はもはや通用しません。
あり得ない「安心・安全」の下の愚行は「未必の故意」以外の何物でもない!
(その3)
安倍晋三前首相の「アンダー・コントロール」と叫んだインチキ演説(2013年9月)から始まった2020年東京五輪関連の不祥事
トラブルを拾ってみました。
・新国立競技場の設計変更トラブル(故ザハ・ハディド氏、膨大な建築費)・エンブレムの盗作問題
(佐野研二郎氏辞任)
・招致活動買収疑惑(武田恒和日本オリンピック委員会会長辞任)
・野村萬斎氏らの開閉式演出チームの解散
・東京湾の水質問題・会場問題
(暑さ回避のためマラソン会場を札幌に変更)
・組織委員会会長森喜朗氏の女性蔑視発言(森氏辞任)
・森氏の後継者の不透明な推薦活動(被推薦者川淵三郎氏)
・ボランティアの大量辞退
・新型コロナウイルス感染による1年延期
(中止または2年延期の選択肢はあったはずが、
安倍氏が1年延期に固執)
・聖火ランナー多数辞退
・佐々木宏氏(開閉式演出総合統括)の人気タレントの
容姿侮辱発言による辞任
・小山田圭吾氏(開会式楽曲責任者)の過去の同級生いじめ
問題発覚による辞任
・小林賢太郎氏解任
「ホロコーストを題材にしたセリフ問題の発覚)・・・・・。
枚挙にいとまがないですね。
さらに、全体予算のベラボーな膨張。
当初は7〜8千億のコンパクトなオリンピックをうたい文句だったはず。
それが想定外の1年延期に伴う経費増は別として、
目下オリンピック関連インフラ整備を含めると3兆円はかかる
とも伝えられています。
しりぬぐいは全て国、東京都が請負い、そのツケは国民の税負担、もしくは、借金が残り、我々の後世に「どうかよろしく」となる。
無責任極まれり!です。
かって見込のない戦争を始めた国の指導者の行いと酷似しています。
今後は「オリンピックそのものを考え直す」「IOCの体質を問い質す」良いチャンスにすべきでしょうし、上記五輪関連不祥事の発生原因と当事者の責任を徹底的に追求することが、不可欠だと思います。
上記の通り市民社会から寄せられるメッセージには「忖度」に縛られない貴重な提言を読み取れます。
多数のこれらのメッセージに立脚して市民社会を代弁する発信を
今後とも行ってゆく所存です。
皆様の御理解をお願い申し上げます。
7月28日 重大な転機を迎えた日本
皆様
日本は重大な転機を迎えました。
昨27日、過去最多の感染者数が衝撃を与える中で、
都庁の担当幹部は「不安を煽らないでほしい」などと発言し、
「菅総理は、人流は減少している」と述べられ、マスコミも問題視しております。
市民社会は統治能力の欠如を懸念しております。
「五輪村」は「原子力村」と重なることが判然となりました。
市民の直観が専門家の知見より信頼できることが改めて示されて
おります。
市民社会は、この際日本が経済を最重視するIOCと一線を画し、
福島事故の教訓を想起して人命を最重視する立場に立ち戻り、
五輪中断に踏み切るよう訴えます。
内閣官房参与による五輪中断の可能性への言及
本日発表された東京都の感染者数2848人は過去最多であり衝撃を与えております。
市民社会が直観で予見した感染爆発及び医療崩壊は現実になりつつあり緊急の対応が求められます。
下記の通り岡部信彦内閣官房参与は医療崩壊が確認されれば五輪は中断されるとの政権内部の考えを述べております。
東京五輪がインド・デルタ型感染の“Super spreader”(大規模感染源)になることを未然に防ぐためにはもはや中断以外ありえません。
皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。
7月25日 内閣官房参与による五輪中止の可能性への言及
皆様
今朝のフジテレビ「ザ・プライム」で岡部信彦内閣官房参与は
医療崩壊が確認されれば五輪は中断される旨明確に発言しました。現政権のブレーンと言われる同参与の中断の可能性に言及した
同発言は,第5波の到来が否定できない状況下で高く評価されます。
内外の市民社会は意義と目的がいまだに不明な東京五輪の現時点での危険性の具現性が強まる状況を前にして、ますます「未必の故意」(willful negligence)の犯罪性に着目しております。