Vol.251 2021/09/03
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
浜田かずゆき の
『ぶっちゃけ話はここだけで』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
アフガニスタンの首都カブールにそびえる“チャイナタウン”の威容
ぶっちゃけ、アメリカ軍は20年に及ぶアフガン戦争に見切りをつけ、撤退を完了させました。
最後の米軍の輸送機がカブールを離陸すると、タリバン政府は勝利を祝うかのような花火を打ち上げたものです。
しかし、アフガンの前途は資金難も含め難題山積でしょう。
アメリカ政府も国際通貨基金もアフガン政府の在外資産を凍結し、復興支援金の提供を中止したからです。
これまでアフガン経済はアメリカによる「テロ対策と復興支援」という名目の援助資金によって維持されてきたと言っても過言ではありません。
これを兵糧攻めされては、タリバン新政権は生きていけないでしょう。
となると、彼らは生き残りを賭けて、これまで以上にテロや
非合法の麻薬、人身売買などの手段に手を染めることになりそうです。
加えて、虎の子の地下資源を高く売る方法を考えるでしょう。
何しろ、石油、天然ガス、リチウム、コバルト、レアアースなど、米軍の見積もりでは320兆円に達するといいます。
日本の政府も企業もそうした「眠れるお宝」に関心を寄せてきましたが、開発に着手するには至りませんでした。
米軍の撤退によって、その夢は消えたと言えそうです。
その間隙を縫って、いち早く「つば」を付けたのが中国に他なりません。
実は、カブールには何棟もの10階建てのオフィスビルで構成される「チャイナタウン」が威容を誇っています。
そこには数多くの中国人ビジネスマンのオフィスと住居があり、最も印象的なのは独自の300メガワットの石炭火力発電所を備えていることです。
電力供給が不安定なアフガニスタンでビジネスを展開する上で欠かせない仕掛けを自前で確保しています。
今回のカブール陥落という事態も織り込み済みで、タリバンとの交渉も加速させていたようです。
在カブールの中国大使館は通常の業務を続け、チャイナタウンに結集する中国企業は資源開発投資や食料、医療品など日用品不足に対応する物流事業に狙いを定めています。
正に「ピンチはチャンス」、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の発想でしょう。
タリバンも中国の素早い行動を歓迎し、チャイナタウンに出向き、「中国人ビジネスマンへの優遇措置」を伝えました。
ぶっちゃけ、自衛隊機を3機も派遣し日本人女性1人を退避させたことを自画自賛する菅総理には想像できない事態が展開しているわけです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
新著好評発売中!
『イーロン・マスク 次の標的 「IoBビジネス」とは何か 』(祥伝社新書) 浜田 和幸
https://www.amazon.co.jp/dp/4396116322/ref=cm_sw_r_tw_dp_0GEPRS06RTW7E4SWTFEN
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★発行元 : 浜田和幸(はまだかずゆき)
★公式HP:http://www.hamadakazuyuki.com
★Blog : http://ameblo.jp/hamada-kazuyuki ★Twitter : https://twitter.com/hamada_kazuyuki
★Facebook:https://www.facebook.com/Dr.hamadakazuyuki
★掲載されているコンテンツの無断転載を禁じます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』
購読アドレスの変更等の手続きはまぐまぐ!マイページから
⇒ https://mypage.mag2.com/