伝統医療と新興医療融合について
中川十郎
2021年9月11日
国際伝統・新興医療融合協会理事長、日本ビジネスインテリジェンス協会理事長
国際伝統・新興医療融合協会は故広瀬輝夫NY医科大学臨床外科教授で心臓医学研究の世界的権威により、2017年に東京で設立されました。事務局を日本ビジネスインテリジェンス協会内に設置しております。
過去、4回の国際大会を開催。タイ、インド、スリランカ、ネパール、キューバ、北マケドニア、ドイツ、スイス、米国の伝統新興医療融合研究者、医学関係者が参加しております。
本年も7月14日に東京で開催。コロナ禍にもかかわらず国内外から80名以上の医療関係者や伝統医療に関心をお持ちの方々が参加され、盛会でした。
創設者の広瀬輝夫博士は世界初の無血開心術、人口肺を開発された心臓外科の世界的権威です。広瀬先生は早くから近代医療と伝統医療の融合の必要性を世界的に唱えられ、世界の137カ国を訪問。世界の民族医療を調査・研究。日本医療のあるべき姿を提言されました。
西洋では17世紀のデカルトの心身二元論の影響もあり、近代医療は臓器中心であります。
これに比し、伝統医療は全身的医療であります。
よって両者を融合することにより、理想的な医療が可能となる。近来、先進国でも伝統医療の研究や独自の伝統医療も復活しております。
東洋では日本の漢方、中国の中医学、インドや、ネパール、スリランカのアユルベーダ、さらにモンゴル、チベット医学、アラブのユナニなど、伝統医療は全人的で自然の恩恵を尊重しております。
近代医療では治療に輸血や他人の組織の移植を行っておりますが、これらの医療に対しては抵抗する患者もおり、患者の心身の負担にもなりかねず、これらの治療はできる限り避けて、自然治癒に近い、民族伝統医療を融合させるのが良いというのが広瀬先生の信念でした。
世界に冠たる日本の医療、特に医療保険は有名でしたが、今回のコロナ禍の
日本政府の対応は、世界的にも大幅な出遅れが認識されました。
とくにデジタル時代に日本の医療がICTやAIの活用から大きく取り残されていることが明白になりました。日本の不完全なマイナンバーカード制度も、コロナ感染者の集計、把握、治療に十分活用されず、保健所が手書きで集計し、PCでなくFaxを活用していたなど日本の医療ICTの出遅れが問題になりました。
コロナ封じ込めに成功した台湾はデジタル革命が進んでおり、バーなどのロックダウンは行わず、社会全体のデジタル化で感染者の抑え込みに成功しました。台湾のIOT,AIなどDigital技術を活用したコロナ封じ込め策は、マイカードの混乱などでコロナ封じ込め策が後手後手にまわった日本と比較し、国際社会から高く評価されています。
さらにアジアでは中国をはじめ、韓国、タイ、ベトナム、シンガポールなどの日本を遥かに上回るコロナ封じ込め策はコロナ後進国の日本をしり目に効果を発揮しています。
2021年3月に発表の「国連世界幸福度ランキング」でも日本は56位という低位に評価されている。失われた平成の30年間に日本の国民一人当たりのGDPは1990年の首位から
30年間に23位に後退。デジタル競争力は主要63カ国中27位。デジタル教育46位。データー活用は最後尾の63位という情けない状態であります。
先日、英国の教育機関が発表した世界大学ランキング調査では世界有名200校の中にわずかに東大と京大の2校がランキングしているだけです。逆に中国、香港、シンガポール、韓国の大学が上位にランクしています。
アカデミズムのみならず、政治、経済、教育各分野でも日本の衰退は惨憺たる状況です。
特に医療分野では先進国中、日本だけがコロナワクチンの開発で出遅れ、莫大な金を使い、米欧の製薬会社から輸入している情けない状況です。
ワクチン開発は欧米の製薬会社のみならず、中国、ロシア、キューバなどでも開発し、日本の出遅れは否めません。
かかる状況下、アジアでは日本のことを「年老いたゴールドメタリスト」と呼んでいるそうです。日本の奮起が望まれる次第です。
本日ご発表いただいた漢方や自然療法の専門の先生方の発表を大いに参考にされ、過剰な薬や、健康食品、薬による治療を見直し、人間の自然治癒力、安全食、農薬や化学肥料、抗生物資を使用しない食料、食品の摂取。程よい休息と、運動、心身の鍛錬、「医食同源」で自然食の摂取を心がけ、健康な一生を送るべく努力することが肝心と思われる次第です。
以上