┏◆◇━2021年11月━◇◆
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┃ 経営者のための 事業承継ミニ情報 ◇第68号◇
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┗◆◇━━━━━━━━━◆◇━辻・本郷 税理士法人━◇◆┛
会社の経営権である株式を、後継者にどう承継すれば良いのか?
その際に、どんな点に気を付ければ良いのか、
承継の際の税金について、どう取り扱えば良いのか?
そんな疑問の解決に役立つ情報を、毎月1回配信いたします。
このミニ情報をご覧いただき、円滑で、そして税務上も有利な事業承継対策を
実現していきましょう。
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従業員持株会を活用しての事業承継
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オーナーの所有する自社株は、原則的評価方式により高く評価され相続税が高額になる可能性があり、納税資金確保のためにその株式の一部を売却せざるを得ないケースがあります。発行会社が自社株買いできないような場合には、株式が社外に流出し、経営に支障をきたすことも考えられます。
そこで、従業員持株会を設立し、自社株の譲渡を検討してみるのはいかがでしょうか。
オーナーの持株数は減少し、配当還元価額による移動が可能(従業員持株会は通常少数株主に該当するため)であるため、従業員持株会に自社株を譲渡することでオーナーの相続財産は減少します。
従業員持株会制度とは、福利厚生目的として従業員が自社株を取得・保有する制度です。
【1】設立のメリット
(1) 安定株主の確保、株式の社外流出の防止
(2) 売却希望株式の受け皿的機能
(3) 従業員の目標形成、経営参画意識の高揚
(4) 会社オーナーの自社株評価の引下げ
【2】運営のポイント
(1) 持株会への参加資格を規約上に明記する。
(2) 持株会は任意組合…理事長名義で管理信託されることによる事務の合理化
(3) 持株比率はオーナー一族の経営権に影響を及ぼさない範囲内とし、勤続年数
や職位等によってランク別に割当を行う。
(4) 株式の売買価額は、配当還元価額を原則とする。
(5) 「社員」と「役員」の区別を明確に行う。
【3】持株会規約のポイント
参加メンバーの資格や脱退時期、自社株式の売買価額を規約で定めることが重要です。
参加資格としては、例えば入社何年以上、または相応の役付以上などの決め方が多く、脱退時期は退職時・死亡時とし、退職した従業員が引き続き株式を
保有したり、相続人に株式が移転したりすることのないようにします。
買取価額については「配当還元価額」や「発行価額」とすることが一般的です。
【4】種類株式の活用
オーナーの経営権に影響を及ぼさないよう、種類株式の導入もおすすめです。
従業員持株会を通じて株式を取得した従業員も、当然のことながら議決権の
行使が可能で、会社経営において従業員株主は安定株主とされますが、議案に必ずしも賛成するとは限りません。そのため、従業員持株会へ株式を拠出しながらも、オーナーの経営権を維持するための対策として、配当優先無議決権株式を導入することも検討できます。
配当優先無議決権株式は、優先的な配当を行うことを条件として、例外的に議決権を認めない、というものです。オーナーの会社支配権に影響を及ぼさないことが利点です。
(担当:山口 貴士)
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