今週のお薦め作品 12月3日公開「天才ヴァイオリニストと消えた旋律」
本作もホロコーストがらみの作品です。原作小説“名前たちの歌”はユダヤ正教のラビが語り部として収容所で死亡した人の名前を語り継ぐことをヒントに書かれたものであり、本作はその小説をフランソワ・ジラール監督が映画化した。
第2次世界大戦下のロンドンに住むマーティンの家にポーランド系ユダヤ人のドヴィドルがともに暮らすことになった。12年後21歳のドヴィドルは天才ヴァイオリニストとしてデビュー・コンサートを迎えるはずだったが、演奏当日に行方不明となる。35年後マーティンは手がかりを見つけてドヴィドルを探す旅に出る。再会した時、マーティンは思いがけない真実を知ることになる。上質の音楽ミステリーが堪能出来る作品である。マーティン役にティム・ロス、ドヴィドル役にクライヴ・オーウェンが扮している。二人の演技派俳優がみせる静かな熱演も見逃せない。