2022年1月16日
今週の所感
村田光平(元駐スイス大使)
1月10日 年頭所感
皆様
明けましておめでとうございます。
年頭の所感をお届け申し上げます。
「世直しコロナ」は不道徳なカジノ、リニア中央新幹線に重大な
打撃を与えました。
「世直しオミクロン」は「電事連」の改革を生むかもしれません。
フクシマ事故の真因は「安全神話」の背後の総括原価方式から
生まれた巨額の資金だからです。
オミクロンの感染爆発の一因となった沖縄駐在の米軍の在り方に
ついての議論も不可避になったと言えましよう。
福島汚染水の海洋放棄に対して内外の市民社会が反対する動きも
兆しが看取されます。
これとの関連で注目されるのは江口工鉱研工業前社長の提案です。
江口氏は地下開発の権威で、チェルノブイリ事故発生の翌日
ソ連政府から要請を受け、近隣河川への放射能の到達を食い止めた方です。また地下ダムを建設して福島第一への山側からの大量の
水の流入を防ぐ案を提唱し、菅直人総理にまで了承されたにもかかわらず、株主総会を控えた東電に拒否されました。
これが汚染水問題発生の原因です。
江口氏は福島汚染水問題に関して、25年に亘る地下資源開発で
生まれた地下空洞(後楽園ドーム数個分、福島第一から10数キロの地点に所在する)の活用を経産省に申し出ておりますが、
東電が反対しているとのことです。
江口氏は小出裕章先生とともに福島第一を石棺で覆う解決を提言しております。
3月11日の福島事故11周年に備えて、NHKは江口氏に対して
年末に数時間もの取材をしたとのことです。
近づく参議院選挙との関連で、市民社会が重大な関心を寄せ続けるのは市民による「モリ・カケ・サクラ・赤木」追求の先行きです。
他方、小型原発を推進して放射能漏れを恥じない仏、EUなどの
不道徳を内外の市民社会が放置する筈がありません。
CO2を過大敵視することで、原発以外の選択肢を封じようとする不道徳な戦略が存在します。
これに対しては「原発稼働より、火力発電をつかうべし」という堂々としたキャンペーンが立ちはだかろうとしております。
深まる世界の危機に直面して、その真因は世界中に広がる倫理の
欠如であるとの認識が拡散しつつあります。
今年8月スイスのPontresinaで開催されることが決まった
「世界倫理フォーラム」はその証左と言え、画期的進展です。
同フォーラムが長年懸案の「国連倫理サミット」の先駆けとなる
ことが期待されております。
小泉純一郎元総理が指導される「原自連」(原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟)が追及する脱原発の国際化による原発全廃がこの場で合意されることが切望されております。
オミクロンの凶暴振りを前にして先行きが深刻に懸念されますが、不道徳の永続を許さない歴史の法則(天地の摂理)が市民社会の
未来への希望を確実に支えるものとして想起されます。
1月11日 年頭所感(反響)
皆様
お届けした年頭所感は岸田総理をはじめ幅広く発信いたしましたが、各方面より反響が出始めており、励まされております。
とりあえずご参考までにご報告いたします。
(その1)
全ての点で市民社会を代弁して良心に基づく倫理の問題を
取り上げて頂き感謝です。
是非より良い世界を実現する為に、今年も発信を続けて頂きたいと思います。
(その2)
CO2を過大敵視することで、原発以外の選択肢を封じようとする不道徳な戦略が隠されていることを先生はお見事看破されているのですね!
人類の福祉を守ろうとする、純粋な人々の前では、不純な目論みは全て看破されてしまうでしょう!
これからの人類の幸福のために共に胸を当てて、祈りましょう‼️
(その3)
おっしゃる通り、リニアは問題です。
リニアは新幹線に比べて3倍から5倍の電力を消費する、まさに
「巨大電力ムダ食い電車」です。
先ずこのような「地球環境破壊電車」こそ、永久計画凍結すべきであると思いました。
(その4)
精力的な不屈のご活躍、心からありがたく思っています。
ご返事を差し上げず、失礼を続け、誠に申し訳ありません。
お書きくださっているように、地球温暖化を二酸化炭素のせいにし、
原発を復権させようという愚かな策謀もあちこちで起きてきました。