Vol.271 2022/02/04
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浜田かずゆき の
『ぶっちゃけ話はここだけで』
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ウクライナ危機の隠された問題:日本への教訓
ぶっちゃけ、ウクライナ情勢を巡るロシアとアメリカの対立は深まる一方です。
プーチン大統領もウクライナのゼレンスキー大統領も「ロシアによる軍事的侵攻はありえない。アメリカが煽り過ぎているだけだ」と繰り返し、「パニックにならないように」と呼びかけています。
しかし、バイデン大統領は「いやいやプーチンは何をしでかすか分からない。何らかの口実を設けて、軍事的行動に出るに違い」と不信感と危機感の塊になっているようです。
とはいえ、誰もが触れようとしない深刻な問題が隠されています。
それは、ウクライナで稼働中の15基の原子力発電所の存在に他なりません。
筆者は何度かウクライナを訪問しましたが、同国の電力の50%は原発に依存しています。
万が一、ロシアとウクライナが戦争になれば、ロシアが真っ先に狙うのは、こうした原発になるはずです。
たとえ、空爆やミサイル攻撃を仕掛けなくとも、ハッキングによって原発の稼働を阻止すれば、ウクライナは機能停止に陥ることは火を見るよりも明らかですから。
しかも、何らかの形で、原発事故が発生すれば、その影響はヨーロッパ全域に及びます。
ロシアとすれば、NATO諸国を壊滅させることも十分可能になるはず。
要は、2011年の福島原発事故の比ではないのです。
日本の場合は最悪の事態をからくも免れましたが、下手をしていれば、「日本沈没」という事態もあり得ました。
それこそ、大規模なメルトダウンを防ぐための必死の戦いが現場では繰り広げられていたわけです。
その教訓を踏まえなければなりません。
現在進行中のウクライナ危機は、見方を変えれば、「核爆弾を使わない核戦争」に発展しかねないのです。
日本にも当てはまる「潜在的な脅威」とも言えるでしょう。
チェルノブイリ原発事故を経験しているロシアは、そのことを
十分認識しているに違いありません。
問題は、アメリカの対応で、バイデン大統領はそうした危機感を持っていないようです。
実は、アメリカは2014年のクーデター成功以降、ウクライナに対して20億ドルの経済援助を行ってきました。
バイデン政権になってからも6億5000万ドルの支援を提供しながら、同時にウクライナ軍への訓練を加速させてきています。
何となく、戦争に向けたムードを後押ししているようなのです。
ぶっちゃけ、プーチン大統領が疑心暗鬼になるのも無理からぬこと。
日本とすれば、アメリカ政府の一方的なロシア脅威論に与せず、ウクライナの平和的なロシアとの共存共栄に向けて外交的な懸け橋の役目を果たすべきではないでしょうか。
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