┌┬───────────────────────────2022年2月
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│└┼┐ 資産家のための資産税ニュース 第122号
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└──┴┴────── 辻・本郷 税理士法人 www.ht-tax.or.jp/
辻・本郷 税理士法人の資産税の専門家が
相続・贈与税、資産にかかわる最新の情報をお届けする
「資産家のための資産税ニュース」 毎月15日配信です。
(※15日が休日の際は、前営業日に配信いたします)
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■□ 隠すと高くつきます ■□
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【1.ある相続税の調査】
相続税の調査で困っている人がいるので相談に乗ってほしいという依頼が
ありました。
相談者は相続人である奥様でした。相続税の調査で、亡くなったご主人の
年金口座にたまっていた数千万円を、相続直前に奥様が引き出していたことが
分かってしまいました。引き出した現金はもとより、その口座の残高も
相続財産として計上していませんでした。それらが相続財産となるのは
当然として、その行為が仮装または隠ぺいに該当するかどうかです。
仮装または隠ぺいに該当すると、その現金数千万円等には配偶者の税額軽減は使えませんし、重加算税もかかってきます。もちろん「質問応答記録書」も
取られていました。
【2.仮想または隠ぺいとは】
この仮想または隠ぺいに該当するには、「外部から伺い得る特段の行為」が
必要であり、どういう行為が当てはまるかは、「うそをつく(虚偽答弁)」
「書類を偽造する」「調査非協力」「あるべき資料を見せない」
「税理士が依頼した亡くなった人の財産関係資料を出さない」等です。
これらに該当するかどうかが税務署とよく議論になります。
通常は、調査当日、税務署の調査官から言われた資料を出して説明すれば、
このようなややこしい話にはなりません。
このケースは、「提出した財産以外にご主人の相続財産はありませんか?」と
何度も調査官に聞かれて、奥様が「ありません」と答えてしまったそうです。
まさに「うそをつく(虚偽答弁)」に該当してしまいました。
【3.年金口座等は必ずチェックされる】
相続税の調査では、公共料金口座、給与や家賃の振込口座、年金口座等の
毎月使っている口座は必ずチェックされます。後日、奥様になぜこんなことを
したのか尋ねてみたら、夫婦には子供がなく二人で作った財産を1円たりとも
甥や姪(相続人となる亡くなった義兄の子供たち)に渡したくなかったから、との
ことでした。
であればご主人が亡くなる前に「私のすべての財産を妻〇〇に相続させる」
との遺言書を書いておけば、奥様が100%相続することができたわけです。
(担当:税理士 木村 信夫)
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