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         2022年4月1日発行

        世界の最新トレンドとビジネスチャンス

        第289回

         尖閣諸島を飲み込む海洋ゴミ問題                             

        浜田和幸

         

        ウェブで読む:https://foomii.com/00096/2022020410000090571

         

        ヨーロッパではウクライナ危機が深刻化しています。

        その陰で見えにくくなっていますが、尖閣諸島周辺でも様々な問題が湧き上がってきました。

        例えば、安倍晋三元首相はウクライナ危機が「台湾有事」に飛び火する可能性が高いと受け止め、「備えが欠かせない」と声高に訴えています。

         

        また、岸田文雄首相も広島県呉市の海上保安大学校の

        卒業式での祝辞の中で、中国海警船による沖縄県・尖閣諸島周辺で繰り返される領海侵入に触れ、国際社会の直面する様々な課題は「力ではなく、法やルールによって解決されなければならない」と訴え、主権を守る最前線で奮闘する海上保安官を目指す卒業生を激励しました。

         

        それに先立ち、自民党の高市早苗政調会長は国会内で

        講演し、尖閣諸島に関しては「日本政府が施政権を明示し、中国に対抗すべき」と主張。その上で、「実効的に日本の領土だと示す工作物の設置や、日本の施政権が及ぶと

        明確に示す形を作ることが非常に大事だ」とも発言し、

        話題となっています。

         

        高市政調会長は今回のウクライナ危機は「ロシアと中国の連携を促しているため、何としてもアメリカとの関係を強化して、中国による現状変更の動きを封じ込めるチャンスとすべき」と捉えているようです。

         

        実は、この尖閣諸島問題には新たなスポットライトが当たり始めています。何かと言えば、“漂着ゴミ”問題です。この種の海洋汚染を放置すれば、周辺海域の環境が著しく悪化する可能性が高くなります。

        このことが、本年1月末から2月頭にかけて行われた海洋調査によって明らかになりました。

         

        この調査は石垣市の委託を受け、東海大学海洋学部の

        山田吉彦教授らが同大学所有の海洋調査研修船『望星丸』を利用して行ったものです。

        10年ぶりの尖閣調査でしたが、その結果、離島周辺の

        生物や漂流ゴミの実態が明らかにされました。当初は島への上陸調査を計画していましたが、所有者である国の許可が下りず、海洋調査のみが行われた次第です。

         

        この調査が実施されている間、中国の海警船2隻が調査を妨害しようとし、無線等で「退去要求」を繰り返したようですが、海上保安庁の巡視船8隻が『望星丸』を警護し、離れた海域では海上自衛隊も待機していたため、目立った問題は発生しませんでした。そうして得られた現地調査の結果、水質や漂着ゴミの実態が把握されたわけです。

         

        この問題は国会でも取り上げられました。参議院の予算委員会で答弁に立った山口壮環境大臣は「海岸に漂着したゴミは、良好な景観あるいは海洋環境に悪影響を及ぼすことから、海岸漂着物処理推進法に基づき、海岸管理者が

        その処理のために必要な措置を講じること、あるいは土地の占有者が清潔の保持に努めること、とされている」と

        説明しました。

         

        更に、山口大臣は「尖閣諸島に関しては、この海岸法に基づく海岸管理者が定められていない。

        現状では海上保安庁、財務省、防衛省が占有する土地となっている。その意味で、尖閣諸島における漂着ゴミを回収するためには上陸しなくてはならないが、この尖閣諸島及び周辺海域の安定的な維持管理という目的のため、原則として政府関係者を除き何人も上陸を認めないという

        政府方針を踏まえなければならない」と発言しました。

         

        同席していた岸田首相も「環境大臣が答えた政府の方針に基づき、政府としての取り組みについて考えていきたい」と曖昧な補足説明をするだけでした。

        要は、尖閣諸島における漂着ゴミの処理に関しては、

        具体的な対応策は未定というわけです。

        日本には海洋ゴミの回収、処理に関する技術の蓄積があるにもかかわらずで、これでは宝の持ち腐れと言っても過言ではありません。

         

        というのも、この尖閣諸島問題はゴミ問題に飲み込まれようとしている以前に、日中間の領土問題化しており、

        日本政府としても政治的に慎重な対応を余儀なくされているからでしょう。

        日本がゴミ処理との名目で上陸するとなれば、中国政府の反発も予想されます。

        最悪の場合、中国が尖閣諸島を台湾の一部である自国領としていることから、日本の尖閣諸島上陸や周辺海域での

        ゴミ処理活動を内政干渉や領土侵攻であると見なし、

        中国側の武力行使の口実にされかねない恐れもあります。

         

        その意味でも、「尖閣諸島の海洋ゴミ問題の解決」や

        「海洋資源開発」を進めるには、日中双方が英知と技術を持ち寄り、共同戦線を張るなど平和的知恵を使うことが

        求められます。

        元を正せば、島々も海洋資源も中国や日本が生み出したものではなく、地球という生命体が生み出した自然の産物、いわば人類の共通財産です。そうした地球上の環境を

        守り、貴重な資源を有効活用する上で、日中間の相互理解と協力関係が構築されれば、世界のモデルとなるに違いありません。

         

        琉球の大交易時代に遡れば、尖閣諸島が琉球と中国の交易のための島として存在していたことに思い至るはずです。そうした歴史的理解に立てば、安全保障の観点とは別の、自然を守る「海の外交」という可能性を追求すべきではないでしょうか。

         

        次号「第290回」もどうぞお楽しみに!

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