BIS論壇 No.382『伝統医療について』中川十郎22年6・7
NY医科大学・故広瀬輝夫先生の日本に於ける最後のお仕事になった『国際伝統・新興医療融合協会』は昨年7月の国際大会に続き、本年も10月に衆議院議員会館会議室で第5回国際大会を開催すべく準備をしている。2021年7月の会議にはコロナ禍にもかかわらず国内外の伝統、新興医療関係者80名が現場、ZOOMで参加。盛大だった。草葉の陰から広瀬先生も喜んでおられたに違いない。
さて、コロナ対策でも世界的に活躍しているWHO(世界保健機構)はこの春、インドのグジアラート州のヤムナガ―ルにグローバル伝統医療センター(GCTM=Global Centre for Traditional Medicine)を設置することを決定したという。
インドの伝統医療のアユルベーダ(Ayurveda)の世界的展開が見込まれる。アユルベーダは3000年前~一説には5000年ともいわれる~インド哲学、メンタルヘルスを含む総合医療、未病を含む身体、精神のトータルヘルスケアで、広瀬先生が志向されていた、伝統医療と新興医療の融合にもぴったりで、ご夫妻でインドのニューデリ北部と南部のケララでアユルベーダ研究、実践を現地で奥様ともども経験された。生きておられたらWHOの英断をことのほか喜ばれたと思われる。
インドでは伝統医学省(Ministry of Ayush)が、2014年に保健省から独立。インドと同じくアユルベーダで有名なスリランカにはアユルベーダ省が存在。アユルベーダ省のPereira博士は過去、廣瀬輝夫先生主催の東京での国際伝統新興医療融合協会国際大会に講師として参加いただいた。また筆者が2018年5月にスリランカ・コロンボ訪問の際は筆者の宿泊先ホテルを訪問。いつでもスリランカ・アユルベーダ紹介に訪日してよいと積極的であった。
BIS関係者7名が立命館大学 周瑋生教授の紹介で2019年9月に浙江省浦江県を訪問した。京都に似た風光明媚な町であったが、その浙江省には中国・中医学研究所が設立され、
中国伝統医療によるガン対策への本格的な研究が開始されているという。
日本においても広瀬輝夫先生の遺志を継ぎ、本年10月開催予定の国際伝統・新興医療融合協会国際大会においては日本の漢方医療、中国の中医学、インド、スリランカ、タイのアユルベーダ、ネパール、チベットやマケドニアなどの伝統医療、アラブのユナニ、キューバの新興医療、さらに西欧からもたらされたという代替医療のホメオパシ―(Homeopathy)などについても専門家、研究家に発表願いたいと思っている。
不肖、国際伝統・新興医療融合協会理事長を仰せつかっている筆者としては10月の第5回国際会議開催を目指し、BIS関係各位のご協力を切望する次第です。