2022年6月26日
今週の所感
村田光平(元駐スイス大使)
6月19日 許されぬ安全神話の復活
皆様
本日の各党党首が参加した日曜報道に関する所感をお届けいたします。
ウクライナ危機は日本を含め世界的規模の軍拡の危険な流れをもたらしつつあります。
日本に関してはさらに原発再稼働、原子力潜水艦などの必要性を訴える動きが見られるに至っております。
本日石川県で震度6弱の地震が発生しました。
最早看過できない重大な警告です。
かねてから指摘されてきた「安全第一で原発を」の唱え文句の無責任さが改めて認識されるに至りました。
今後は無責任として強く糾弾され出すことでしょう。
再稼働を推進する立場から既に頭をもたげだしている「安全神話」の復活の動きは断じて許されません。
再稼働は論外との意見が今後ますます強まることは必至と言え
ましょう。
2月20日 元首相五名の共同声明
皆様
5名の元首相によるEU タクソノミーからの原発の除外を訴える
下記の御尽力に重要な進展が見られましたので報告させていただきます。
14日に行われた欧州議会の環境・公衆衛生・食品安全委員会と経済金融委員会の合同会議で、持続可能な経済活動をリスト化して投資を呼び込むためのいわゆる「EUタクソノミー」に、原発とガスを
含めるというEU委員会の提案を拒否する決議が採択されたとの
報に接しております。
欧州議会の環境・公衆衛生・食品安全委員会と経済金融委員会が
欧州委員会の法案を否決したことは、重要な進展です。
最後のハードルは、7月4日の欧州議会議員たちによる投票です。決定は過半数によります。
深刻な欠陥を抱えた小型原発を開発することについての今後の対応が注目されますが、これに積極的なフランスにおける選挙結果は
これにNOを突き付けた感があります。
記
欧州委員会委員長ウルズラ・フォン・デア・ライエン様
脱原発・脱炭素は可能です
—EU タクソノミーから原発の
除外を—
(前略)
原発推進は、気候変動から目を背けるのと同様に、未来の世代の
生存と存続を脅かす亡国の政策です。私たちは福島第一原発の事故後、国内外の専門家、研究者の調査、研究によって原発が安全でもなく、クリーンでもなく、経済的でもないということを明確に認識しました。
私たちは真に持続可能な世界を実現するためには脱原発と
脱炭素を同時に進める自然エネルギーの推進しかないと確信します。
そしてEUタクソノミーに原発が含められることは、処分不能の
放射性廃棄物と不可避な重大事故によって地球環境と人類の生存を脅かす原発を、あたかも「持続可能な社会」を作るもののごとく
世界に喧伝するものです。
もし、原発への投資にEUがお墨付きを与えること になれば、
委員長の掲げられる欧州版グリーンディール政策の本質とも相反し、EUのみならず世界中の人々の将来に取り返しのつかない巨大な
負の遺産を背負わせてしまうことになるでしょう。
(後略)
2022年1月27日(順不同)
第87・88・89代内閣総理大臣・小泉純一郎
第79代内閣総理大臣・細川護熙
第94代内閣総理大臣・菅直人
第93代内閣総理大臣・鳩山由紀夫
第81代内閣総理大臣・村山富市