BIS論壇No.386『ミラクルエイジファッシヨンショ―』
2022年6月25日 日本ビジネスインテリジェンス協会 中川十郎
6月25日、新橋のヤクルト本社の ニッショーホールで首記ファッシヨンショーが開催された。最高齢で同ファッシヨンショーにモデルとして出場されるというBIS顧問の岡部ともよ さんに 招待され参加した。
筆者はかって商社時代、イタリアンファッシヨンを新宿伊勢丹。フランスファッシヨンシューズ、シャルルジャルダンを池袋西武百貨店に。フランス絵画をプリンスホテルピサに。
ニューヨーク・カジュアルスーツやファッシヨンジュエリーを近江絹糸銀座ショップに。デンマークのエロフハンセン社家具を松屋銀座店などに紹介した経緯より、ファッシヨンにはかねがね興味を持っている。年配者を中心とし、しかもファッシヨン素材に古い日本の着物を再生していると聞いて、昨今話題になっている国連主導のSDGs(持続的発目標)とも関連しているので強い興味を持って参観した。
世界で最も急速に高齢化が進んでいる日本のシニア―ファッシヨンショーを主宰しておられる「美・JAPON代表理事」の小林栄子さんによるとシニア―を主体にタンスに眠っている古い着物を現代的に蘇らせ、未来へとつなぐショーにしたいとの趣旨だ。町田市の高齢者福祉課からの要請をきっかけにこの企画はスタートしたという。
「年齢に関係なく、人は変れる」とのコンセプトでシニア世代に輝く場を提供したいとの
思いで21年前にこの高齢者ファッシヨンショーを始められたというお話に深い感銘を受けた。高齢のモデルさんたちは12回に及ぶウォーキングのレッスンを受けているという。
「タンスに眠ったままの着物に新たな風を吹き込み、日本の着物を中心に日本の文化を国内外にお届けしたい」との熱意で、日本国内のみでなく、ニューヨーク、パリなど世界15カ国、国内では東京だけでなく、京都、鎌倉などでも多くの人々を魅了してきた由。
かって工業製品輸出で世界を風靡した日本は、目下、中国、インド、アジアなどの国々に製品輸出では追い上げられている。今後の日本の生きる道は製品に文化を載せた製品や、映像、音楽、絵画など日本の文化を主体に世界への発信を強めることが肝要である。その意味で日本の着物文化、食文化、古典芸術の能楽、和太鼓、琴、三味線などを含めた日本文化を世界に広めたいとの小林栄子さんの構想には全面的に賛意を表する次第だ。
日本ビジネスインテリジェンス協会においても同協会文化部会を通じて、国内外に於いて日本の文化宣伝に小林栄子さんの「美JAPON」に微力ながら協力していきたいと心を新たにした一夜であった。