Vol.298 2022/09/02
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浜田かずゆき の
『ぶっちゃけ話はここだけで』
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沖縄訪問を夢見ていたゴルバチョフ元大統領の逝去
ぶっちゃけ、今週、91歳で亡くなったソ連にとっては最初で最後の大統領であったゴルバチョフは、非常に珍しい政治指導者でした。
何が珍しいといって、あの共産主義のソ連において、46年間連れ添ったライザ夫人を心底熱愛し、そのことを公言していたことです。
自然環境も経済環境も厳しく、そして何より統制体制の極みの
ような、ソ連においては、夫婦間の愛情や家族の絆はほぼあり
得ないものでした。
集団生活や相互監視の密告制度が当たり前で、夫婦や家族の間でも隙間風が吹き荒れていたものです。
結果的に、家庭内暴力やアル中が蔓延し、ソ連は世界最悪の平均寿命を誇っていました。
東西冷戦時代には、ソ連の平均寿命は60歳に届かなかったのですから。
自由が束縛されたソ連の農村に生まれ、育ったゴルバチョフ氏はライザ夫人をこよなく愛し、1999年に彼女が先だった後も、自らの回想録は彼女への思いから書き始めています。
また、ノーベル平和賞の受賞を機に設立した「ゴルバチョフ財団」の事務所でも自宅でも至る所にライザ夫人との思い出の写真を飾っていました。
特に、1953年の結婚式の写真は大のお気に入りで、最も目立つ
場所に鎮座しています。
あまり知られていませんが、ゴルバチョフ氏はピアノを奏で、
歌を歌うのが大好きでした。
ショパンを弾いて、よく歌っていたのは「Dark is the Night」という反戦歌です。
彼の成し遂げた最大の功績とされる「東西冷戦の終結」やレーガン大統領と合意した「中距離核戦力全廃条約」も、彼が信じる
平和なくして経済の発展も安定もないという信念に基づくものでした。
そんな思いから、彼はライザ夫人の前でも、この歌をよく口ずさんでいたようです。
実は、ゴルバチョフ氏は自らの財団の活動の一環として、沖縄を訪問し、米軍基地のない平和な未来を創造するイベントを計画していました。
ウクライナ戦争の影響で、何かと評判の芳しくないロシアですが、ゴルバチョフ氏はプーチン大統領に対しても「平和の大切さを分かっていない」と公然と批判を重ねたものです。
残ながら2年前のコロナ拡大の頃から体調を崩し、沖縄訪問は
見果てぬ夢になってしまいました。
彼がよく歌っていたもうひとつはフランク・シナトラの名曲
「My Way」です。
ぶっちゃけ、既存の政治や経済体制に流されず、「自らの道を進め」という自己暗示だったに違いありません。
プーチン大統領も弔意を示していますが、二人の道は結局交わることはありませんでした。
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