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        「フランスでの生活 第34話 ボルドーでの生活 5」

        ________________________________________

         

        ドアンスとは何もない所だった。 見渡す限り景色に色が無い。

        松林、偶に牧草、偶にトウモロコシ畑、昔湿地帯に植えた松が林となってピレネ山脈まで約350km連なっている。

         

        松も日本の盆栽のような地を這ったものではない。

        ただまっすぐ天に向かって30メートルほどの高さに無機質に伸びているだけ。

        それらの松は皮をむき垂れて来る白い液体を壺ですくう。これが風邪薬の原料に成るらしい。

         

        そんなところの秋が深まり始めた朝もやの中をアラン、ブルノと一緒にジョギングをする。網で囲った壁の中にパリからのセップ泥棒が登場。セップは日本で言うならマッタケのようなシャンピニオン。 これは美味しい。日本のマッタケより全然美味しい。

        日本のマッタケは香り、味、共に上品だが、セップを塩少々とオリーブオイルオイルでソテーすると、とんでもなく美味しい。 イタリアのポルチーニ、パリのセップとは似ても似つかない。これがパリでは高値で売れる。

        ドアンス近辺だと今の値段で一人2000円もあれば

        フォアグラ、セップ、ステーキ、ワインが食べ放題飲み放題!しかも美味しい。

        おそらくパリでは10倍のお金を払っても味わえない。

         

        松林が途切れると、トウモロコシ畑だ。

        これがジャガイモ同様、多くのフランス人を戦時中餓死から救った。

        牧草には牛、鶏が優雅に遊んでいる。デカい!何故こうも違うのだろうか。

        パリの鶏肉は日本の倍はあろうか?しかしこちらの鶏肉はさらにパリの倍はある。 走り回っているため、肉は少々硬いが味が有る。

        そんな森林浴最高の食材。

         

        ただ寂しい所だった。街灯など滅多にない。遊び場もない。

        週に1回水曜日の夜15キロ離れたところに映画を見に行くぐらいだった。

        偶にではあるが、日本の田舎のお祭りの様にBALL(ダンスパーテイー)、ToroFuego(炎の闘牛)、葡萄狩りなどが年に1回。 今頃は(5月)ミミザンと言う小川のほとりにキャンプを張る。

         

        勉強以外にやることがない。でもフランスの勉強は面白くない。何でも丸暗記。まるで戦前のやり方。

        特に僕の様にフランス語が不得意だと言葉が頭に入ってこない。

        数学も計算式・答えでは無く、定義、方程式が優先され理屈っぽいため、

        いつもちんぷんかんぷんだった。

        そう言えばフランスの数学者には哲学者が多い。

        数学が出来ないと哲学も理解できないという程理論性を重視した。

        僕にとっては意味不明。

         

        小学校復習のクラスの卒業国家試験があるが、僕はこの試験を滑ってしまった。

        フランス人の半分も合格しない。合格すると当時は新聞にも名前が載る。

        けっして難しい試験ではないのだが、フランス語のディクテ(dictee) と言う書き取り試験がある。これが難しい、5字間違えると零点。

        当時フランス人の86%は文盲であった。日本では考えられない事であったが。

         

        一方世界中にフランス語普及のためフランス語学校を設置した。

        だからだろうか?フランス人は外国語が苦手。

        わけのわからない将来性にも危惧するフランスでの勉強・・。

        僕の将来はどうなるのだろう?

         

        【 道上 雄峰 】

        幼年時代フランス・ボルドーで育つ。

        当時日本のワインが余りにもコストパフォーマンスが悪く憤りを感じ、自身での輸入販売を開始。

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