2022年11月23日
世界農業遺産 琵琶湖システム
叶 芳和
前日本経済大学大学院教授
元帝京大学教授
琵琶湖システムは「先進国型仕様」の世界農業遺産です。
比較優位論的に言えば、琵琶湖地域は農業経営力は弱く、
研究開発力が強い。
前回の山梨峡東地域(果樹)とは逆です。
環境こだわり農業、魚のゆりかご水田、etc.が興味深い。
農薬・化学肥料5割削減は達成済み、国の「みどり戦略」のお手本となる地域だ。
琵琶湖も破壊から復活し、滋賀県は“環境先進県”です。
これで13の世界農業遺産すべての取材を終えました。
いずれ、13回分のまとめを書きたいと思います。
追伸;
この2年近くの現地ルポは、「世界農業遺産」の分析が出発点(目的)ではなかった。
それは手段。
・80の手習いで「地誌学」をやってみたかった。(歴史)入り口探査。
・生態系、生物多様性への感性を高めるのに役立つと思った。
・農村論に“産業論”からのアプローチを試みたかった。
(農村振興&農業遺産保全に有効、重要なアプローチだと思う)
各GIAHSのルポで濃淡はあるが、上記3つに関心があり、たまたま世界農業遺産が適していたので素材に取り上げることにした。
(成果は手ごたえ十分。頭を耕すことが出来ました)
・「気候変動時代の新しい風土記の編纂」という気持ちもあります。
・そして通説環境論の超克。