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        BIS論壇 No.400『2023年の世界情勢について』中川十郎 2023年1月1日

        ロシア、ウクライナ戦争は新年に入っても終結のめどがたたず、長期化を予想する見方が濃厚である。バチカン、国連、それにNATO、特に米国の介入が期待されるが、積極的な介入は現状では望めないようである。米国はこの戦争で、武器産業、防衛産業が大きな利益を挙げているとの声もある。この戦争の結果、とくに、エネルギー、食料、肥料などの価格が世界的に高騰しており、庶民の生活を直撃しつつある。

        トルコのエルドアン大統領などが平和介入に努力しており、またインドのモデイ首相の介入期待もあるが、それほど目立った動きは見られない。

         

        日本のメデイアは連日、特にウクライナ側から見た戦況を毎回同じ顔触れで報道しているが、積極的な解決策の提示はない。平和憲法を標ぼうしている日本が積極的にロシア~ウクライナの間で停戦交渉に動くべきとの意見もある。だが、岸田政権は逆にロシア~ウクライナ戦争を奇禍として、日本の防衛費の2倍増額、GDPの2%への増額を画策しており、平和への介入には及び腰だ。日本が防衛費を2%に増額すると、日本の防衛費は米国、中国に次いで世界で3番目に大きな防衛費となると試算されている。これまでの政府の防衛費をGDPの1%以内にとどめるとの方針は反故にされ、岸田政権は国民の意向を考慮することなく、また国会での審議も十分せずに閣議決定で防衛費増額を決めることに批判が高まっている。岸田政権は防衛費増額に加え、原発の再稼働、新設、運転期間の延長についても十分なる民意も聞かず、独走している状態で、1月の訪米でバイデン大統領にお土産を持って行こうと躍起になっているように見える。

         

        長引くコロナ下で特に飲食業、中小企業は経営に苦しんでいるところが多い。一方、人手不足の企業もあり、2023年の日本経済は政府の予想よりも低迷し、GDPは1%内外にとどまるのではないかとみられる。世界の経済をけん引している中国もゼロコロナ政策を転換している。本年の経済成長率は3~4%内外とみられ、代わりに6~7%の経済成長が予想されるインドや経済好調のベトナムが2023年のアジア経済をけん引するとみられる。

        中でもインドは経済好調で、2023年に人口で中国を抜き、世界最大の14億の人口国になるとみられている。一方、GDPでも購買力平価で数年以内に日本を抜くと予測されている。

        この観点から、BISとしては中国に加え、インドの研究を2023年の課題にしたいと思う。

        BIS国際理事のインド代表 Anil Basotra氏は2月16日のBIS32周年記念第180回情報研究会にニューデリから参加予定である。同氏はこの機会に日本に2週間滞在し、ビジネス情報交換のみならずインド紅茶、インド繊維品、インドファッシヨンなど日印ビジネス開拓にも注力したいとのことである。インドビジネスに興味あるBIS会員の参加を期待する次第です。さらに2023年春にはBIS創設32周年記念にインド訪問ミッションを派遣、アユルベーダやインドビジネス開拓を努力したい所存です。BIS会員の参加を歓迎します。

        制作協力企業

        • ACデザイン
        • 日本クラシックソムリエ協会
        • 草隆社
        •                 AOILO株式会社

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