BIS論壇No.406『西原春夫元早大総長ご逝去を悼む』中川十郎23年1月29日
日本ビジネスインテリジェンス協会(BIS)の年末懇親会会場の市ヶ谷私学会館『アルカデイア』や明治時代の鹿鳴館後裔の『東京倶楽部』で度々ご講演をいただき、長年ご指導を頂いた西原春夫・元早稲田大学総長が1月26日、療養先の東京女子医大で急逝された。享年94歳。
BIS会員各位とともに心からご冥福をお祈りする次第です。
20年前に結成され、筆者も理事を仰せつかっている『北東アジア研究交流ネット(NEASE-NET)』(会長・谷口 誠 元国連大使、岩手県立大学学長)や、『桜美林大学アジアーユーラシア研究所』(会長・谷口 誠 元国連大使)の顧問を歴任されていた故西原春夫総長にはなにかと目をかけていただいた。また筆者がかって理事長を務め、現在学術顧問を仰せつかっている『国際アジア共同体学会』(会長:進藤栄一筑波大学名誉教授)では名誉顧問、顧問代表として長年ご指導を頂いた。
西原春夫先生は刑法学の専門家として、アジアの平和に並々ならぬ関心を示され、過去10年以上、アジア平和貢献センターを設立。理事長として、戦中派の有識者を糾合し、アジアの平和構築に尽力された。その集大成として、さる2022年2月22日午後2時、丸の内外国人記者クラブで「アジア平和会議」を開催。世界に向けて平和の尊さを発信された。
同年2月24日にはロシアがウクライナに侵攻。平和の必要性が強く認識され、西原春夫先生の平和活動の重要性が内外に強く認識された。
西原春夫先生とは2022年11月25日、明治大学での国際アジア共同体学会が最後となった。当日は同学会の名誉顧問、顧問代表として閉会の挨拶をされたが、午後1時から6時まで5時間、熱心に会議に参加され、すばらしい総括を頂いた。研究会終了後、お見送りしたが、これが今生の最後の別れとなった。人生の悲哀をしみじみと感じている。
年末、筆者の兄の逝去の連絡に対し、早くにご令室、長男を亡くされていた先生から、「肉親を失った悲しみはよくわかります、心から冥福を祈ります」と本年早々丁重なお手紙を頂き、西原春夫先生の思いやりに感激した。
西原春夫先生は学識豊富であるばかりでなく、人格識見もあり、筆者の人生の理想像、手本としてBIS名誉顧問の故小野田寛郎・帝国陸軍情報将校、故広瀬輝夫・NY医科大学臨床外科教授、中松義郎・中松総研社長、谷口 誠・元国連大使ともども、筆者の恩師としてご指導を親しくいただいた。今回の急逝は誠に断腸に耐えない思いです。
BISを代表し、茲許 西原春夫先生のご冥福を遥かにお祈りする次第です。
西原春夫先生、安らかにお休みください。 合掌。